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『インハンド』壮大な理想より、個人的な目的の方が世界平和に繋がる

今期注目のドラマ『インハンド』

4月に入り、春期のドラマが始まりました!その中で個人的に注目しているのは、山P主演のドラマ『インハンド』です。
原作は『月刊アフタヌーン』に掲載されている、医療サスペンス作品です。
山Pが主人公の天才学者・紐倉晢を演じ、脇を固めるのは外務省から左遷された野心家・牧野巴を演じる菜々緒、医者として正しいことを信条とする高家春馬を演じる濱田岳の3人が中心となっています。

「寄生虫」によって巻き起こる不可解な事件が起こり、医療の視点から物語が展開していきますが、ドラマの雰囲気としては、福山雅治主演のドラマ『ガリレオ』に似ていると言えます。主人公も偏屈な天才(天才だから偏屈と言える)で共通していて、相方が柴咲コウや吉高由里子に当たるのが菜々緒で、助手の渡辺いっけいさんに当たるのが濱田岳というように、構成やキャラの雰囲気も似ているので、『ガリレオ』好きな人にはオススメです。

さて、今回は『インハンド』の第1話で来る広げられた会話から、切り取っていきたいと思います。

ざっくりとしたあらすじ

第1話は、救急で運ばれた患者が不可解な死を遂げ、医者の高家は「シャーガス病」だと推測していた。ところが、病院長からは病気の追求をしないよう言われ、裏を感じた高家は、その正義感から厚労省に告発文を送る。そこで調査に乗り出したのが野心家の牧野だった。調査協力で訪れたのは、寄生虫博士の天才学者紐倉のところだった。

告発文と寄生虫の可能性が気になった紐倉は、早速病院に赴く。「シャーガス病」の可能性を見出していた高家は、強引な紐倉の捜査に協力することになる。
告発文を送ったことは、高家の正義感だったが、「中途半端な偽善は、周りを不幸にする」と紐倉は一蹴し、険悪な雰囲気となる。そこで、なんとしてでも結果を出したい牧野が、3人でチームを作り、協力して調査しようと言い出す。

「何の為に?」

と聞く紐倉に対し、

「人類の平和の為?」

ととぼけるが、当然軽くあしらわれる。そこで牧野は

「紐倉先生はパスポートが欲しいでしょ?高家先生は性具を貫きたい。私は仕事が
 認められて、なる早で外務省に戻りたい。だから3人で手を組むの。
 何か問題ある?」

と本心を言う。それにより、3人はチームを組むことになった。

というストーリー。

壮大な理想よりも現実的な目的の方が人は動く

最後のこの会話に注目していきましょう。

手を組む為に、最初は「人類の平和」でまとめようとしますが、本心でもなく、詭弁ではまとまるものもまとまりません。そこで、それぞれの目的は別々であっても、向かう先が同じと言うことで、3人は手を組むことになります。面白いことに、その結果、人類の平和に一歩でも近づくことになるのです。
つまり、人類の平和の為には手を組めなくても、それぞれの目的の為なら手が組めて、人類の平和に貢献することができるのです。

こういったことは、会社などではよくあることじゃないですか?
会社には理念や目標がありますが、どんなに崇高なものであっても、いざ働く社員が報われなければ、仕事を続けることも、やる気を出すこともできません。逆に、対した理念ではなくても、厚遇であれば、働く意欲は出るものです。

人を動かすのは理想よりも欲望

世界平和や人類の進化など、どんなに大言壮語で立派なことを謳っていても、それだけでは人は動きません。なぜなら、世界平和そのものに意味はないからです。大事なのは、世界平和を目指す過程にあるからです。そして、その為には「理想」である世界平和の為に動くのではなく、「欲望」とも言える個人の目的の為に動いた方が、よっぽど世界平和に繋がるのではないでしょうか?

もちろんそれだけではバラバラなので、今回の会話のように、別々の目的であっても、同じゴールに向けて手を組むということが大事だということです。

これはまさに『ONE PIECE』”麦わらの一味”のようなものです。それぞれ夢も目的も違いますが、目指す場所が同じだったこと、ルフィが気に入ったから同じ船に乗ったわけです。簡単に言えば「WIN-WINの関係」だと言えますが、世界平和の為は組めなくても、目的を果たす為なら手が組めて、結果的に世界平和に繋がる。そういう現実を表現した、リアルな会話だったのではないでしょうか?

「中途半端な偽善」と言ったように、聞こえは良くても、中身も利益もないものでは人は動きません。動かなければ、世界平和はありません。ただ「世界平和」を謳っているものこそ、気をつけなければならないと思います。敢えて具体的には言いませんが、色々と察してみてください(笑)

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