『劇場版コード・ブルー』田所部長のメッセージこそ「道楽の極意」
先週、『劇場版コード・ブルー』が地上波初放送されました。
シーズン1とシーズン2から8年。シーズン3が放送され、コード・ブルー10周年の集大成として、昨年、劇場版が公開されました。
『コード・ブルー』は、とても好きなドラマで、特にシーズン2が至高と言える程好きなんです。「神アニメランキング!虹見式」という、「神アニメ」を題材にしたサイトに、実写ドラマに関わらず、劇場版公開を記念して、特集してしまったほどです(笑)
ちなみに、そのコラムはこちらから↓
『コード・ブルー』の面白さや魅力について、ふんだんに語っておりますので、『コード・ブルー』好きな方もそうでない方も、ぜひチェックしてみてください(^^)
新たな魅力を発見するかもしれませんよ!?
「道楽シーン」を語る前に
私は、劇場で一度見ていました。コード・ブルーらしいと感じる所もあれば、ちょっとドラマティックにし過ぎな所も感じなくはなかったですが、確かに面白かったです。その中で、ただ面白いとか感動したと片付けることはできない、シーンがあるんですよ。
映画で観た時も、感動したんですが、「道楽家」になった今だからこそ、その深みを実感したセリフがあるんです。
そのシーンを紹介する前に、知っておいていただきたいことがあります。
コード・ブルーの主役の5人のうち4人は、フライトドクターを目指して、ドクターヘリを導入している病院にやってきました。それぞれ、自分が元いた病院では、トップクラスに活躍していた医師で、野心と自信に満ち溢れ、仲間であるライバルを蹴落としてでも、誰よりも早くフライトドクターになることを目指していました。
その中で、一つ頭が抜けていたのが、山P演じる藍沢。そして、シーズン3では、救命のチームリーダーになった、ガッキー演じる白石。一番の落ちこぼれだった浅利ん演じる藤川は、チームのムードメーカーとしてなくてはならない頼もしい存在になりました。そして、負けん気が強く口が悪いが、誰よりも優しい、戸田恵梨香演じる緋山。
緋山を支えた田所部長
今回注目するのは緋山です。
緋山は、シーズン1とシーズン2の間に放送されたテレビドラマSPで舞台となった列車事故で、横転した列車の上から落ちてしまい、心停止しました。無事一命は取り留めたものの、気管に後遺症が残り、シーズン2ではその苦しみも描かれました。
入院期間と病気によって、フライトの数でも、落ちこぼれの藤川よりも遅れを取り、焦りじゃ募る。そして、緋山は唯一フェロー卒業が遅れてしまう。そんな中、信頼を築いた患者の家族から、医療過誤だと訴えられてしまう。信頼を築いたと思っていた相手からの訴訟に、緋山は患者を信じられなくなり、医者を辞めようととする。それを支えたのが、白石と、今は亡き児玉清さん演じる、田所部長だった。
田所部長も、命の危機を彷徨い、一命を取り留めたが、その時に緋山にかけた言葉が、緋山を救う。
「私も遠回りしてきた。遠回りすることも悪いことじゃない」
自らが遠回りしてきたその言葉に、緋山は救われ、遠回りしながら、医師を続ける決意をした。
緋山は一人遅れてフェロー卒業後、周産期医療センターを選択し、救命を猿が、8年後のシーズン3で救命に帰ってくる。
劇場版では、フェローだった緋山が、今度はフェローを育て、自身の希望だった周産期医療センターの医局長の席を任されることになる。再び集まった仲間は、またそれぞれの道を歩むことになるが、藤川と冴島の結婚を機に、田所部長から、それぞれに手紙が届きます。
どれも感動的なメッセージですが、緋山へのメッセージが、なんとも道楽的なんです。
田所さんの緋山への「道楽的なメッセージ」
前置きが長くなりましたが(笑)、田所部長から届いた緋山へのメッセージです。
「まっすぐ行けば、人より短い時間で一人前の医者になったことでしょう。
でも、今のあなたにはきっと敵わない。
短い道は、それなりの経験しかもたらしてくれないから。
道に迷った時は、振り返ってみてください。
歩いてきた道が、あなたの後ろにずっと続いているはずです。
その道が、これから先どちらに向かうべきか、きっと教えてくれます」
なんと素敵で道楽的なメッセージなんでしょう。
私自身、今まで遠回りしてきました。今も遠回りしているかもしれませんが(笑)、様々なことを棒に振って、無駄に時間や労力を費やしたこともありました。でも、そんな無駄や遠回りがあったからこそ今の自分があって、「道楽家」になりました。それは、過去の黒歴史の"せい"などではなく、"おかげ"にできているからです。
「ゴール(結果)」は目標であって目的ではない
もしかしたら、今までの自分を正当化し、肯定しているだけなのかもしれません。でも、今ではそれでいいんだと思います。自分を否定して塞ぎ込んで行くより、黒歴史だろうがなんだろうが受け入れて、肯定してしまえば、怖いものはないし、人生は拓けるものです。
ある意味、このようなことは、色んな人が言っていますが、結局は、どれだけ本気でそう思えるかです。それを自分自身が立証している所なので、noteや道楽舎を通じて、発信していきたいと思います。
最後に、改めて今回『劇場版コード・ブルー』を観て、田所部長のメッセージから感じたのは、自分自身の肯定でした。「道楽」という生き方は最高で最強なんだということ。そして、「道楽」とは、決して逃げる生き方ではありません。
人生において、ゴールすることが目的ではない。ゴールはあくまで目標であると。過程と結果、どちらが大切かと議論されることがありますが、どちらも大事なのは間違いありません。強いていうなら、
「結果を目標として、過程(道中)を目的とする」
ということかもしれません。
緋山のように、トラブルや事故があって、遠回りすることになったとしても、しっかりと今と向き合い、道中を楽しんでいけば、自分よりも早くゴールした人よりも、きっと充実した道を歩めたのではないかと思います。なぜなら、ゴールすることが人生の目的ではなく、道中を楽しんだ者こそが、自分に最適のゴールに辿り着けるからです。
田所部長のメッセージは、緋山に向けられて送られたのものですが、今に悩み、人生に迷う全ての人へのメッセージだと思います。
堂々と、遠回りしていきましょう!!