らべあろ企画『日本の世界遺産西日本編』
百舌鳥・古市古墳群『大仙陵古墳』(大阪府堺市堺区大仙町)
仁徳天皇は、煙が立ちのぼるのを見て、人々の生活が改善されたことを知ったという。環境問題がクローズアップされる現代では、人にやさしい社会のために、あらゆるところで煙を絶やす努力がなされている。
時代は変わる。みさざきだと言われるこの前方後円墳。このような巨大な建造物でさえ、その働きは不確かなものとなり、仁徳天皇陵と呼ばれた杜は大仙陵の名で、世界遺産という観光資源になった。
約3キロの外周を1時間かけて回り、船から眺めた古代を体感しようと海を目指す。しかし、あまりの距離にくたびれて、ビル陰に横たわる凍土を仰いで一寸一服…
烟たつ朝やさかい眠る山
(けぶりたつあしたやさかいねぶるやま)
難波で天下を治めた大雀命(仁徳天皇)は、インフラ整備に力を入れた天皇で、渡来した秦氏を使って池や運河を整備したと、古事記にはある。やがて国民は貧しくなって、生活のための火も起こせなくなった。そのために天皇は、労役を3年間免除した。
その歴史の舞台を尋ねて、法円坂・住吉・堺を歩いたのは10年前。現代の先端技術で世界をリードするこのエリアに、それを圧倒する規模の古代遺跡が、今や自然と一体化しつつも崇められている…
あの感動を思い出しながら、お誘いいただきました alohaさんに感謝!