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北の王者へ コンサドーレ札幌39

 リスペクトコラムです。(元記事:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230819
 かなり長い間ネタキープしていて、個人的には熟成したのではないかと勝手に思って(笑)、今回リスペクトした情報です。FOOT×BRAINの以前の放送(FOOTBRAIN×Jリーグ30周年企画)の中で、札幌さんの事例が出てきました。スポーツ界でもグッズを中心にデザイン力を問われる時代。その雄が札幌さん。野々村チェアマンの思いもしっかり入っている様子。今回同じ番組の中で浦和さん等の事例も出てきましたが、まずは札幌さんで、FOOT×BRAINの放送内容から。

 

【FOOT×BRAIN×Jリーグ30周年×ビジュアル改革】
〔まるでモデル!な選手たちが話題 Jリーグがファッション誌と組んだワケ〕
 開幕から30周年を迎えたJリーグ、それを記念し、ある雑誌が出版された。若い女性向けのファッション誌・NYLON JAPANとコラボした別冊号。若手からベテランまでJ1・18クラブ選りすぐりのイケメン選手たちがモデルに。試合では見られない姿が話題を呼んでいる。Jリーグはなぜこんな尖った取り組みを?
 
Jリーグ・プロモーション部 生嶋麻衣:NYLONさんならではの見せ方を、普段Jリーガーとしては見られない部分をきっと見せてもらえるというのがあったので、それをきっかけに、何この表紙? 何この人達? カッコいいがきっかけで、蓋を開けてみたらJリーグなんだ。で、興味を持ってもらえると嬉しいと思った。

出典:テレビ東京「FOOT×BRAIN」
 

〔サッカー×ファッション:ビジュアル面からのクラブイメージ変革〕
 既存のサポーター以外をターゲットにした人気拡大のための新たな戦略だった。実は今、Jリーグの各クラブでもビジュアル面からイメージを変えようとする動きが増えている。その中でもいち早く力を入れたのがJ1・北海道コンサドーレ札幌。キーマンは世界的デザイナーにして、クラブのクリエイティブディレクター 相澤陽介。クラブを強くデザインする、日本サッカーを発展させる新たな魅せ方に迫る。

相澤(相):僕が高校1年生の時にJリーグが開幕しまして、Jリーグが始まった瞬間にカズさん、北澤さん、福田さん含めてファッション性の高いスポーツカテゴリーが登場したというインパクトだった。今で言うと海外の仕事やブランドが非常に多いので、10年くらい前からセリエA中心に現地でサッカーを観ていき、どっぷりはまりまして。

 ファッションデザイナー・相澤陽介。コムデギャルソンを経て、2006年に自身のブランド「White Mountaineering」を創設。服を着るキーワードは全てアウトドア。オープンセットにパリコレにも参加。adidasやBURTON、ユニクロなどともコラボしている。また、スポーツの分野では2012年ロンドン五輪で、日本選手団のウォームアップウェアを手掛けた。
 
〔北海道コンサドーレ札幌 相澤陽介CD〕
 2019年、そんな相澤をサッカー界に招いたのが、当時札幌の社長だった現Jリーグチェアマン・野々村芳和。クリエイティブディレクターという役職を新設するほどの熱の入れようだった。
野々村(野):サッカー・サッカークラブってカッコよくありたいと思った。クラブとしてアイデンティティも含めた、このクラブのカッコよさというものを表現しようとした時に、本物のカッコよさを分かる方に一緒に加わってもらいたいというのが一番の理由。
相:僕がデザイナーで関わる事自身で、チームが強くなるというアプローチをされた。コンサドーレの収益というものは後々知っていくが、グッズ等の売上がちょっと低かったのがあって、売上を取って行く一つの要素として、たぶん野々村さんは考えていたと思う。そこで私の方でデザインしたり、ディレクションすることによって、(その利益を)チームの強化費に回せて、そうなってきた時にチームは更に上の選手を獲ることができたり、若手を育成できたりという事で、最終的にはチームを強くするためにデザインしてほしいというような言い方で、誘っていただいたというのが一番大きく、僕の気持ちが動いたところ。

 相澤に求められたのが、クラブを強くするためにデザインする「新しい『魅せ方』」。そこでまず手掛けのが・・・

出典:テレビ東京「FOOT×BRAIN」
 

〔CS Clothing〕
相:元々既存のグッズがあった。それはチームのエンブレムとかロゴマークとか中心に、いわゆる応援グッズだったものに対して、ファッション性を伴った普段着にも使えるようなサッカーウェアができないかなという事で、また別にラインを作ろうという話になり、展開しているもの。これは普通にファッションとして捉えている方も増えてきて、またちょっと違う(ファンの)新規開拓ができているじゃないかな。

 普段使いできるデザインで新規ファン開拓に成功したアパレルライン「CS Clothing」。更にある事がきっかけで既存のサポーターにも刺さっているという。

相:選手達にグッズを気に入ってもらうのも一つ重要だと思う。実際のオフに着てくれたりという事で、そこに更にサポーターもつながっていく考え方になると、非常に大きな可能性を感じている。(撮影は)私の方でいろいろ関わっているブランドがあるが、そこで一緒に仕事をしたきた人たちが撮っている。HP上の選手紹介写真等も、我々のチームで作っているが、VOGUEやELLEで写真を撮っているフォトグラファーに依頼して撮っている。

 一流クリエイターによる撮影は思わぬ相乗効果も生み出した。

相:若手の選手とかこういうムービーに出たいとリクエストをくれる。主力(選手)に対して、こういうムービーでイメージアップを心がけているので、若手の選手がこれを一つ目標にするのもいいことかなと思っている。

出典:テレビ東京「FOOT×BRAIN」
 

〔北海道コンサドーレ札幌×スタイリッシュ〕
 スタイリッシュさを打ち出し、札幌のクラブイメージを洗練させた相澤。2021年からはグッズだけでなく、クラブの顔とも言えるこんな物も任されている。それがクラブユニフォーム。

相:すべてコンサドーレのオリジナルになっている。わかりやすく言うと、形を作る。それも全部僕の方でデザインして、パターンメイキング(型紙作り)もこちらでやっている。この形は世界で1チームしか無い。ほとんどワンオフ(オーダーメイド)で作るにはなかなか(他クラブには)ないと思っている。

 従来はメーカー側が作製するユニフォームだが、相澤はデザインからパターンメイキングまで全て行い、札幌だけの唯一無二のものを創り出している。そのこだわりはこんな所にも。

相:パートナー企業と呼んでいるスポンサー(ロゴ)の色。通常だと会社ごとの色があるが、それをユニフォームに合わせてもらった。2021年の写真で言うと、胸の石屋製菓(の1st)が白で、セカンドが赤。エンブレムもミズノのマークも赤と白で分けたりとか、北海道のチームという事で全体的に協力してもらってイメージアップを図っているというのがある。

 各スポンサーの協力で実現した、こだわりのデザイン。更に今季の1stユニフォームは、クラブ発足から27年にちなんで、伝統の(赤黒の)ストライプを27本で構成。胸にはうっすらと北海道の地図が浮かび、雪の結晶や森の木々のモチーフが並ぶ。こうした細やかなデザインを6種類。ソックスに至るまで心血を注ぎ、クラブの色を打ち出している。
 
相:(このユニフォームを着ているのを見て)嬉しい反面、ものすごい責任を感じながらデザインをしている。1年間戦う顔じゃないですか、当然全員が納得するものを作るのはデザイナーとしては不可能なので、どのくらいまで皆さんに受け入れてもらうのかが、開幕前まで結構緊張する。(もし負けが続いたら、自分のせいなのかと)持っている。そのくらいの気持ちでユニフォームで関わっていかないと、サポーターの元まで届かないと思っている。ちょっと熱いサポーターの目線で仕事をしている。

出典:テレビ東京「FOOT×BRAIN」
 

 相澤が込めた思い、それは数字にも表れている。今季のユニフォーム売上は前年と比べて138%。魅せ方がクラブイメージを洗練させ、チーム強化のためのお金も生み出している。

相:やはり、ユニフォームは高額だと思う。昨年と同じようなデザインで作ってしまうと、さすがに去年のものでいいかなと思ってしまうというのもあるし、やはりこの1年間にかける思いというのを、デザイナーとして入れ込むというのが一番考えている。

 デザインの力でチームを強くする新しい魅せ方。それはグッズ展開だけにとどまらない。例えば相澤が札幌で行ったいるもの。美しい絵画のようだが、これらは一体? 

相:これはスタジアムや駅などに貼られる開幕ポスターなども、ディレクションさせてもらっている。カメラマンは同じで、ファッション誌を撮っている人に、陰影を強く写真を撮って、強さをアピールしたいというのを重要視している。他のチームとは何かが違う事を、メッセージとして届けるのが自分の仕事なので、そこにポスターであったり、ホームページとかユニフォーム、グッズというのがつながっていって、コンサドーレを強くするというのが、本当に一つの線でつながっているイメージ。
<ここでJ1名古屋の事例「GRAMPUS SOCIP PROJECT 第1弾」が紹介される> 
 チームというものが、やはりサポーターを中心に回って行くとなると、重要な決定が民主的に行われていく、このプロセスを大事にしているのが非常に興味深い。ユニフォームやエンブレムが変わっていくのは、やはりトータルとして新しい価値を創っていくことなので、それがサッカーには重要なのだと思うし、それが届く相手がサポーターも含めているというのはいい環境だと思う。

出典:テレビ東京「FOOT×BRAIN」

 という内容でした。札幌さんのこのディレクションについてはリスペクト記事にさせてもらっています。当時はデザイナーより作品に注目していましたが、作者は相澤さんだったのですね。当時もJクラブも時代が少し変わってきたなぁと思っていました。面白いのが相澤氏を招へいしたのが野々村チェアマンだった点。さすがですね。
 CS Clothingというブランドを別に作られた訳ですが、ここ最近は金沢さんなど独自のアパレルブランドを立ち上げるクラブが増えてきました。サッカーっぽくなく、普段日常で着られるデザインという事ですね。その辺はクラブの社会インフラ化を目指す川崎の価値観と少し似ているかもしれません。デザインの力でチームを強くする新しい魅せ方ですか。その辺りは、ファッション性アップという点でBリーグにも通じるものがありますね。
 あと、アパレルグッズで、有名ブランドとのコラボ商品があったと思いますが、確かにカッコいいと思いますが、ちょっと割高感と、各クラブでどこともやっている感を感じた覚えがあり、余りインパクトは無かったですね。やはり札幌さんのように、あくまで自分ところのクラブのオリジナリティによる付加価値の向上が大事なのかなと。
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