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Jリーグの話題219

 リスペクトコラムです。(元記事:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20231020
 昨日、Jリーグ実行委員会が開催され、秋春制についてJリーグ事務局として賛成の意向を表明したようです。このタイミングに合わせて、今まで溜まっていた情報を一気にリスペクトしたいと思います。結構ボリュームが多くなったので、当ブログのコメントはなるべく短く(結局は長くなりますが)、なるべく情報を多く提供したいと思います。

【「8月開幕」推進表明 J実行委、年内決定目指す】
「Jリーグは18日、J1、J2、J3の全60クラブの代表者が集まる実行委員会で、開幕時期を現行の2月から8月に変えるシーズン移行について推進していく立場を表明した。」
「今後もクラブと議論を続けて移行に伴う課題を整理し、年内の理事会での決定を目指す。最短で2026年夏に移行する。Jリーグはこの日までは賛否の姿勢を示さず、中立の立場で議論に臨んでいた。リーグ側は移行によって酷暑下の試合数が減って選手のパフォーマンスが向上する点や、欧州とシーズンが一致することで移籍金の増加が見込める点を重視。」
「Jリーグは今月前半にJ1、J2、J3の各クラブと意見交換の場を設け、それぞれの意向を確認。関係者によると、反対を表明したのは少数だった。」

出典:さんデジ

【Jリーグが「秋春制」移行の意向、クラブ側に示す 年内判断へ】
「Jリーグは1993年の開幕から『春秋制』を導入してきたが、00年に『ネクスト10プロジェクト』と題して会合を開くなど、欧州と同じ『秋春制』への移行の是非について断続的に議論してきた。『秋春制』は選手の移籍や日本代表の活動が円滑になるなどの利点がある一方、降雪地のクラブが冬でも練習や試合をするために必要な施設やその費用、学校の卒業時期とのずれなどの課題が指摘されてきた。」
「アジアのクラブ王者を決めるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の23年からの9月開幕移行を受けて議論が再開され、従来の利点や課題などのほか、猛暑が続く夏場におけるプレーの質の低下などについてもデータを踏まえて議論してきた。Jリーグは10月上旬にはJ1~J3の全60クラブから意見を聴取。一部のクラブは反対を表明しているが、リーグ関係者によると、リーグの意向に賛同するクラブもあるという。」

出典:毎日新聞

【Jリーグ、秋春制シーズン移行へ「ポジティブに考えていることを(60クラブ代表者に)伝えた」】
「現状では、分科会でも移行に前向きなクラブや反対を表明しているクラブなどさまざまな意見がある。その中で、いまだ降雪地域のクラブへの対応や、通常年度と異なるスケジュールによって生じるスタジアム確保や新加入選手への対応などの課題は残されたまま。
 これまでのフラットな姿勢から、シーズン移行へ前向きな姿勢を示し、窪田執行役員は『すべてのクラブの合意を得られるような課題解決の提案をさせていただくことに、まずは全力を尽くしていきたい』と話した。」

出典:デイリースポーツ online

 Jリーグは今までフラットな姿勢をキープとありますが、これも何か違和感がある。もっと反対して欲しかったような見方もできます。だから18日の委員会ではっきりしろと言われたのかもしれません。すべてのクラブの合意を得られるような課題解決の提案をするとあります。全クラブの合意ありきのスタンスならば、12月の理事会で強引に多数決を取るような暴挙を行わないようにも見えます。
 他にもこのスポニチの記事では「8月は猛暑で顕著なパフォーマンス低下がデータで示されており、9月開幕を推す意見もあったというが、お盆や夏休みで多くの集客が見込めることから、開幕時期については全クラブが8月で同意しているという。」とあります。東スポWEBでは、「ファンやサポーターの間で賛否両論が沸騰している。推進を支持する声が続々と上がる一方で、反対の声も根強い。」「Jリーグが秋春制になると、確実に観客動員数が減る。日本の厳しい冬で約2時間も観戦する人はそう多くない。バスケやバレーは室内競技だから良いけど、ラグビーは6000人が平均らしい。Jリーグもそうなるかも。」としています。そんな中で、反対する降雪地クラブを代表して、新潟の中野社長がはっきり意見を表明してくれました。一番説得力がありますね。

【J1新潟社長「地域密着クラブにとって屈辱」 秋春制に反対】
「J1新潟の中野幸夫社長は、一貫してシーズン制の『秋春制』への移行に反対している。毎日新聞の10月12日の取材に『移行するメリットを感じられない。今まで約30年、ここまで発展してきたことに自信を持って、ここをベースにさらなるステップアップを考えるべきだ』と語る。
 8月ごろに開幕し、冬場は降雪を考慮して中断期間を設ける案に『この日程ではシーズン移行には賛成しかねるというのが降雪地域の立場、意見。(雪が)降らないところでは我々の生活を理解できない』と述べた。『暑さ対策』も課題だとし『8月からシーズンが始まるなら6、7月から練習しなければならない。選手保護というが、言っていることが矛盾している』と指摘する。
 また、スタジアムがクラブ専用ではない場合、他の利用者との日程調整が難しくなるとし、『地域密着を掲げるクラブにとって、他の団体に迷惑をかける立場になることは、屈辱以外の何ものでもない』と語った。」

出典:毎日新聞

 「8月からシーズンが始まるなら6、7月から練習しなければならない。選手保護というが、言っていることが矛盾している」と。まさにその通り。秋春制ではなく夏夏制です。夏休みシーズンを狙う目的。それって選手ファーストが逸脱しており、前にも言ったとおり理論崩壊しています。あと、新潟さんは秋春制になれば、ビッグスワン以外にスタジアムを利用せざるを得ないという事なのかな。地域の他団体に迷惑をかける事が屈辱と。同情します。また、少し前にJリーグ側が慎重になっていると書かれたコラムも目にしています。

【シーズン移行の会見を取材「かなり慎重になっている」印象だった/六川亨の日本サッカーの歩み】
「Jリーグは9月26日に理事会を開催し、終了後に『シーズン移行』と『2024シーズンのクラブライセンス交付』についての記者会見を実施した。
 『シーズン移行』に関しては、特に進展したことはなかった。これまで報道されてきた通り、ACLが“春秋制”から“秋春制”に移行したことと、クラブW杯が32チームと参加チーム増で4年に1回の大会に拡大されたことが『シーズン移行』を検討するきっかけとなったことが報告された。」
「懸案事項――『ステークホルダーとの年度の異なり』、『降雪地域への対応』、『移行期の対応』、『寒い中での試合数の増加』といった重要課題については手つかずのままで、『シーズン移行で発生する費用、降雪地域への対応などは項目の整理がまだ終わっていない』(樋口順也フットボール本部長)のが現状である。
 野々村芳和チェアマンも『移行は難しい問題』と認めつつ、『(移行するかどうかで)感情的になることはなくなってきている。いい対話はできている。シーズンを変えるのが主目的ではなく、日本にとって何がいいのか。日本のサッカーを成長させるための土壌はできてきているので、みんなで目指す方向を見つけたい』とシーズン移行に含みを持たせた。
 今後は『クラブの話を聞きながらシミュレーションしたい。実行委員にはクラブの考えを聞きたい』とも樋口フットボール本部長は話していた。シーズン移行に関して、『かなり慎重に精査しようとしているな』という印象を受けた記者会見でもあった。」

出典:超ワールドサッカー!

 重要課題は手つかず。確かにどの報道もこの課題部分は紹介のみで、解決内容は全く報道されていません。先日の記者会見を聴かれて、慎重に精査している印象を持たれたようです。それを受けての昨日の実行委員会。慎重も前向きなのか、後ろ向きなのかという事になり、はっきりしろと言われて前向きのスタンスを示したようですが、脳裏によみがえるのは「2ステージ制騒動」。今回も同じ匂いがしますね。仮に導入されてもファン・サポーター不在のまま進められているので、結局数値も頭打ちから落ち込む事になり、あの時と同様に撤回されるのではないでしょうか。

 今回、一番早い報道は日刊スポーツでした。ここはいつも早さを誇っているようですが、過去の報道を見ると観測気球的なものも多いかもしれません。なので、最初に報道を目にした時に、「待て待て、もう少し様子を見た方がいい」と思いました。秋春制について、確かにかなりポジティブな内容でしたね。
 その他、今までに秋春制でキープしていた情報を一気に並べます。気づきがあるものもあれば、少し情報が遅いものもあると思います。また、降雪地クラブではファン・サポーター向けにタウンミーティングを開催しており、これはいい事だと思います。似たような事象で過去に2ステージ制騒動がありましたが、その時はファン・サポーター不在だったので、今回は大いなる進歩だと思います。が、よく調べたらJリーグ側がクラブに対して、ヒアリングを依頼しているという話も聞いております。それでも大いなる進歩だと思います。

 先日YouTubeを観ていたら、Jリーグで秋春制に関する動画が2つ配信されていました。面白いのが、現在と全く同じスケジュールのままで秋春制にするような案もあるとか。それってもはや秋春制にする意味が無く、体をなしていないのでは。Jリーグ側が制作した動画ですが、これはこれで気づきもあり、面白かったのでぜひ観てください。
Jリーグ公式チャンネル「シーズン移行議論とは(前編)」:https://www.youtube.com/watch?v=s1gRHKxU5-c&t=3s
  〃                   (後編)」:https://www.youtube.com/watch?v=E5hFED5zPYk

 今回はちょっとまとまりが無い記事になりましたね。それくらい情報が多く、奥行きも深いのです。Jリーグ側からファン・サポーターの声を拾うようにと指示が出ているようで、降雪地クラブでサポカンが行われており、またクラブとしての意見を表明しています。が、まだ今一つはっきり伝わってきませんね。

【降雪地クラブの動向】
J1札幌:https://www.nikkansports.com/soccer/news/202308120001155.html
 サポーターとの意見交換会:三上GMは屋内練習場が整備されるなど降雪地域にとってのデメリットが軽減されることで、条件付き賛成。
J1新潟:https://www.fnn.jp/articles/-/571541
 サポーターカンファレンス:クラブが反対だということを聞いてほっとした。私たちにできることが何かあれば」と参加したサポーターの多くが賛同した。
J2山形:https://football-tribe.com/japan/2023/07/19/275970/
 「シーズン移行検討意見交換会」の議事録を公表。練習環境で比較し、天然芝のピッチを提供するクラブに移籍する選手が増える可能性があります。
J3富山:アドレス
 強化部長、監督・コーチングスタッフと議論を行ったが、概ね上述内容に即したものであった。「提案どおりのウィンターブレークを前提に、(秋春制を)やれと言われれば、やる」というスタンス。
J3松本&長野:https://news.yahoo.co.jp/articles/3eb92ae5b0d760e62072dd524959e9fc4c4d51cb
 県内2クラブは大きな影響を受ける。サポーターからも反対の声が目立つ。
J3八戸:https://vanraure.net/archives/696546
 シーズン移行意見交換会を10/23に開催

 という感じでした。共通して言えるのが、やはりファン・サポーター不在の論議である事。各クラブもサポカンをやっていますが、その声がどこまでJリーグと世間に伝わっているのか。当ブログの持論はJリーグ直轄でサポカンを実施する事。確か、野々村チェアマンになってからJリーグの職員が各クラブに出向く事が増えているはず。各県でJリーグ直営のサポカンをやり、きちんとレポートすべきです。クラブ任せで逃げてはいけません。2ステージ制騒動と同じ道を歩むだけです。当ブログもACLが秋春制に変わった時に一瞬、これで秋春制になるかもと思いましたが、未だに課題が放置され、ファン・サポーターが納得していないものに賛同する訳にはいかないですね。
秋春制関連⑫:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230627
  〃  ⑪:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230604
  〃  ⑩:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230527
  〃  ⑨:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230419
  〃  ⑧:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230415
  〃  ⑦:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220812
  〃  ⑥:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20171220
  〃  ⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170922
  〃  ④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170715
  〃  ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170216
  〃  ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140713
  〃  ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130614
#がんばろう日本

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