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Jリーグの話題216
リスペクトコラムです。(元記事:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230503)
まだまだ続く秋春制。前の記事の時はあくまで噂段階でしたが、先日Jリーグの理事会が開催され、正式に秋春制が競技の中に出て来たと報道がありました。それまでもいろいろ言われていましたが、とりあえずJリーグとしての一つの形ができたようです。どう評価するかは置いておいて、リスペクトしてみましょう。
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【リーグ、秋春制移行の検討案を公表 12月末~2月上旬はウィンターブレイク、最速で26―27年に実施】
「Jリーグが25日、理事会後に会見を行い、現行の『春秋制』から「秋春制』へのシーズン移行に向けた検討案を公表した。リーグは『外部環境の変化をきっかけに、日本サッカーにとって最適なカレンダーを考える』という方針のもと、シーズン移行を検討。選手・スタッフ、ファン・サポーター、ステークホルダー(パートナー、メディア、自治体など)、クラブ経営など、様々な視点から最適なものを検証するとした。Jリーグに影響が多い主な外部環境の変化は、以下の通り。
▽春開幕で実施しているアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)が、23―24年シーズンから欧州主要リーグと同じ秋開幕に移行
▽クラブW杯が32クラブに拡大(25年から4年ごとに開催)。AFCからは4枠で、4年間のACL王者が出場
▽クラブ大陸王者大会(仮)。現行のクラブW杯と似た大会が毎年開催
▽ACLは24―25年大会から新構造に。最上位大会は24クラブが参加。外国籍枠が撤廃
▽インターナショナルウィンドーが、26年から『9月2試合+10月2試合』→『9~10月4試合』へ統合
移行した場合のシーズンのイメージは、開幕が7月の最終週~8月の第1週頃、閉幕は5月の最終週~6月の第1週頃。また、12月の3~4週まで開催後はウィンターブレイクに入り、2月の第1~2週頃から再開する案で検討されている。
今年の検討スケジュールは、まずシーズン移行の検討にあたっての初期整理を実施し、4~5月に移行時のメリット、懸念点や解決策を明確化。5~7月頃に必要な情報の収集・整理、7~9月頃に整理した情報を元にした方向性の議論を行い、23年内に理事会で決議(最終的に多数決で決定)する。
また、移行する場合の最速のタイミングを『26―27シーズン』と仮置き。26―27年から移行する場合、移行期については、25年シーズンの終了後、26年の前半を0・5シーズンとする案、25~26年の前半を統合して1・5シーズンとする案が検討されているとした。」
開幕が7月の最終週から8月の第1週頃って、まさに夏休みからお盆前の一番のかきいれ時の時期。全クラブが絶対に手放したくない時期です。でも、野々村チェアマンは、選手ファーストで考えて、酷暑の時期は選手を休ませたいと言われていたと思います。だから涼しくなってくる秋開幕の秋春制と思う所ですが、真夏開幕。ここで一つ理論崩壊が起きています。一番くそ熱い日が開幕って、春開幕より全然体のダメージが大きいのでは。
ウィンターブレイクはクリスマス前から、2月まで1カ月半一時停止します。実質今とそう変わりませんが、「中断」というのが気になる。Jリーグやってるなぁ、あれっいつの間にかやらなくなった、もう終わっちゃったの? とライト層が思うかも。その失敗例がWEリーグか。人気低迷の要因の1つとなっています。
【実質“夏夏制”移行? Jリーグ側が強調「サッカーをやるシーズンはそれほど大きく変わらない」】
「ウインターブレイクが長く設けられた影響で、これまで想定されていた“秋春制”というよりも『夏開幕、夏閉幕』の実質“夏夏制”とも言えるようなスケジュールとなった。」
「また5月から7月にかけて『必要な情報を収集・整理する』段階に移り、7月から9月にかけて方向性の議論を行う。「いくら情報を集めても、絶対にこっちがいいというふうにはならないと思っている。今のシーズンが100%完璧なものでは当然ないと思っているので、最終的には判断の問題。年内に一定の結論を出すべきだと思っている」と年内に理事会決議を行う予定。決議は『多数決』で行われるという。
加えて樋口本部長はファン・サポーターとの意見交換を行う可能性も示唆。『まだどういうふうにお伺いすればいいかというイメージはできていないが、当然ファン・サポーターあってのJリーグ。たとえば7月は夏休みなのに試合をしないとか、12月と2月に試合が増えるが、寒いところにお客様は本当に来られるかとか、どのクラブ、どの地域にどれくらいの影響があるかをきちんとシミュレーションしたいと思っている。ファン・サポーターの皆さんにどのように楽しんでいただけるかは、もう少し情報を固めた上で何らかの形でお伺いできればと思っている』と述べた。」
「夏夏制」とは上手く言ったものですね。7月から6月って、確かに夏夏制だと。「ファン・サポーターとの意見交換を行う可能性も示唆」というのが気になりますね。当ブログで言う「ホームタウンミーティング」のJリーグ版か。本当にやればいいのですが、結局準備不足でできなかったという結末をつい予想してしまう。もっとも、もし開催しても反対が過半数でしょうし、猛反対を食らう降雪地でできるのかが疑問。
また、「どういうふうにお伺いすればいいか」という部分も気になる。ファン・サポーターに何をお伺いするのか、何をお願いするのかですね。秋春制を受け入れてくれますか? 大雪が積もっているスタジアムに足を運んでいただけますか? という内容なのかな。とても気になるところ。
【シーズン移行の疑問点/六川亨の日本サッカー見聞録】
「正直なところ、シーズン移行を蒸し返すのは拙速に過ぎるし、『結論ありき』の議論という印象が拭えなかった。
元々は、今年2月に田嶋幸三JFA(日本サッカー協会)会長からシーズン移行の提案があったそうだ。加えてAFC(アジアサッカー連盟)は、これまで春秋制だったACL(アジア・チャンピオンズリーグ)を2023-24大会(今年)から8月開幕の、翌年5月決勝という秋春制にシーズンを移行する。
さらにACLは2024-25大会から新構造にして、新たにクラブ大陸王者大会(仮称)を毎年開催。そして2025年からはクラブW杯が32チーム参加に拡大され、4年に1回の大会にリニューアルされる。
クラブW杯はさておき、AFCとしてはACLの充実と、新たにELのような大会を新設してヨーロッパを模倣しようという意図なのだろう。しかし現実的に、ACLは決勝戦はともかくとして、日本でグループリーグの試合は閑古鳥が鳴いている。出場や勝利ボーナスもCLとは比べようもない。
シーズンを移行しないとACLは選手が入れ替わる可能性が高いとも説明したが、これまで中東は秋春制のリーグだったため、現行のACLではシーズンをまたいでの参戦だった。カタールW杯や来年のアジアカップを例に出すまでもなく、現在アジアの盟主は中東勢と言っても過言ではない。そんな彼らがACLを自分たちの都合のいいようにシーズンを変更しただけにすぎない。」
「今後は5月をメドに『シーズン移行によるメリットの明確化』と『シーズン移行の懸念点とその解決方策の明確化」を確認。7月までに「必要な情報の収集・整理』を行い、9月までに「整理した情報を元にした、方向性の議論」をして、23年内に『決議』する予定でいる。」
「元コンサドーレ札幌の野々村芳和チェアマンは『実行委員なら私見を述べられるが、まっさらに、フラットに意見を聞いていきたい」と明言を避けた。今シーズンのJ1で積雪地帯のクラブは札幌と新潟の2チームだけだ。しかしJ2には山形、秋田、金沢、群馬、いわきの5チーム、J3には盛岡、松本、富山、長野、八戸、福島の6チームがある。これらのクラブがドーム型のスタジアムや練習場を持てる余裕があるとは到底思えない。
にもかかわらず、今年中に『決議』するということは、始めからシーズン移行は『不可能』という結論があっての議論ではないだろうか。不毛な議論ではあるが、Jリーグとしては手順を踏む必要があるのだろうと勘ぐった次第である。」
ここで出てきました。六川さんは不可能ありき説ですね。すなわち、Jリーグ側は実は導入する気が無いというもの。なるほどねぇ。六川さんはACLの秋春制導入は、今やAFCを牛耳っている中東勢主導でシーズンを変更したに過ぎないとも言われています。しかし、中東では8月に本当に試合をやっているのか。
積雪地クラブはJ1からJ3まで13あるとしています。当ブログが思うのは現制度で、積雪地チームの2月の試合は連続アウェーになっている現実。例えば山形さんは今季、開幕4試合はすべてアウェー戦。これって公平性が保たれていると言えるのかと。
【鹿島・小泉社長「暑い8月に開幕するのは…」 J秋春制移行案に議論の必要性強調】
「鹿島の小泉文明社長は28日、都内でスポニチの取材に応じ、7月下旬~8月上旬開幕の素案がJリーグから提示された秋春制移行について『選手ファーストと言っていたが、暑い8月に開幕するのは前提がずれ始めている。それも含めて一回しっかりと議論しようということだと思う』とさらなる議論の必要性を口にした。
Jリーグ理事も務める小泉社長は、秋春制について『ニュートラルな立場』としたうえで『国際Aマッチも組みやすくなり、サッカー面でいうとメリットはある』としたが、一方でファンの目線を入れることも重要だとも訴えた。」
ここで決議するJリーグ理事でもある小泉社長(J1鹿島)がモノ申してくれました。夏夏制は「前提がずれ始めている」とも言われています。ニュートラルな立場を取っているようですが、ファンの目線を入れることも重要という事で一回しっかり議論しようと。これが「ファン・サポーターとの意見交換」という事になるのかな。
「2023年度 第4回Jリーグ理事会後会見発言録」というものが発表されています。ここでは「フットボール目線」という言葉が出て来ており、イコール野々村チェアマンの意向が大きく取り入れられている事がよくわかります。すなわち野々村チェアマンは賛成派と推定されますね。そして、不可能ありき説です。
【Jリーグ「秋春制移行問題」また蒸し返され…結局は「春秋制のまま」が既定路線の深層】
「Jリーグが理事会(25日)で『春(開幕)・秋(閉幕)制から秋・春制への移行を検討。年内中に結論を出す』と発表。大きな波紋を呼んでいる。」
「6年ぶりに検討課題として浮上したのは、AFC(アジアサッカー連盟)主催のACL(アジア・チャンピオンズリーグ)の日程変更が絡んでいるともっぱらである。
2月、アジア最強クラブを決めるACLが23/24年シーズンから秋・春制に変更されることになった。田嶋JFA会長を筆頭に推進派の言い分としては、欧州各国リーグの日程に足並みを揃えることで『日本人選手の欧州移籍や外国人選手のJ移籍の円滑化』『ACLへの参戦がスムーズになる』『夏の猛暑時期の試合回避で選手のパフォーマンス低下を防げる』などが挙げられる。
『秋・春制移行問題が蒸し返されたのは、田嶋JFA会長の任期とも関係している』とサッカー関係者がこう続ける。
『任期最終4期目の田嶋JFA会長は来春に会長職を辞し、その後は15年に就任したFIFA(国際サッカー連盟)の理事を27年まで務める。FIFAも傘下のAFCもサッカー界の日程を秋・春制に統一したいと考えており、<田嶋さんがFIFAの理事に専念するに当たって秋・春制を手土産にしようとしている>と話す関係者もいる。もっとも、移行反対派の多いJリーグやJクラブの関係者は今回、あえて検討課題にすることで『デメリットの多さを明らかにし、逆に秋・春制が日本には適していない制度であることを猛アピールするチャンス』と手ぐすね引いているみたい」
ある関係者に言わせると「田嶋さんの顔を立てて『じっくり検討した』ことにし、移行しないという結論を出すというのが既定路線」。
最終決定は12月のJリーグ理事会の決議。野々村芳和Jリーグチェアマンと理事8人による多数決で決まる──。」
深いですね。来春に辞任する田嶋会長に対して、じっくり検討した体を取るという話。あえて検討課題にすることで、デメリットの多さを明らかにし、逆に秋・春制が日本には適していない制度であることを猛アピールする動きがあるとか。田嶋会長の顔を立てて「じっくり検討した」ことにし、移行しないという結論を出すというのが既定路線とありますが、本当ですか?という印象です。いろいろ推論が出てきましたが、実際はどうなるのかですね。最後にあるのが理事の多数決で決まるという部分。その理事は何人いて、どういう顔触れなのか気になりました。
【Jリーグ理事(決議する9名)】
チェアマン 野々村 芳和(公社)日本プロサッカーリーグ)
理 事 宮本 恒靖(公財)日本サッカー協会 理事 国際委員会 委員長)
理 事 大倉 智(㈱いわきスポーツクラブ 代表取締役社長)
理 事 小泉 文明 (㈱鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長、㈱メルカリ 取締役会長)
理 事 森島 寛晃(㈱セレッソ大阪 代表取締役社長)
理 事 杉本 勇次(ベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパンLLC日本代表)
理 事 馬場 渉(パナソニック㈱ 参与)
理 事 平野 拓也 (Microsoft Corporation Vice President Global Service Partners)
理 事 元榮 太一郎(弁護士ドットコム㈱ 代表取締役社長、弁護士法人Authense法律事務所 代表弁護士 CEO)
今年中に理事会で決議されるという事ですが、このメンバーで決議するようです。小泉社長は当初から反対のコメントを出されており、決議でも反対すると思われます。ただ、今回は多数決という事で1人反対票でも導入で採決されます。他の顔ぶれを観ても、どの方も賛成しそうな人ばかりで、野々村チェアマンも導入派であるため、今のままでは導入される公算が強いです。ただ、そう簡単にはいかないでしょう。
気になるのが2つ。1つ目は選手目線でのメリットが崩壊している事。確か野々村チェアマンは、選手の体のダメージを考えたら、酷暑の夏季はオフにしたいといっていましたが、今回の提案では8月開幕。つまり、秋春制ではなく、実質夏春制なのかと。たぶん夏休み興業をあきらめきれなかったためと思われます。選手ファーストという野々村チェアマンの持論はこの時点で音を立てて崩れ落ちています。
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2つ目はサポーターの存在。上の画像にもありますが、ついに制度反対の横断幕が出るようになりました。当ブログでもこれから1つ1つ貼って行く事になります。やはり、かつての2ステージ制騒動のようになってきましたね。浦和サポだった村井前チェアマンが、埼スタでブーイングを浴びたように、今度は野々村チェアマンが札幌でブーイングを受ける事になるのではと勝手に想像しています。これからのサポーターの動きに注目です。ただ、2ステージ制は誠に愚かな愚策でしたが、秋春制はそこまでは言えなく、微妙な立ち位置でもあります。
秋春制関連⑨:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230419
〃 ⑧:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230415
〃 ⑦:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220812
〃 ⑥:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20171220
〃 ⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170922
〃 ④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170715
〃 ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170216
〃 ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140713
〃 ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130614
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