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1年で上へ32

 リスペクトコラムです。(元記事:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20241103
 先日、鳥栖さんのJ2降格が決まりました。鳥栖さんについては、昔からのクラブ経営に関するドラマをずっと観てきた経緯があります。古くはPJMフューチャーズから運営会社の交代、サイゲームス社(サイバーエージェント)の撤退から今に続く苦悩といろいろありましたね。まさに経営面で翻弄された地方クラブ。クラブ名も県名でなく、市名だった事も特徴的でした。そんな背景があっても12年シーズンでJ1を死守してきました。
 地方クラブの雄として、J1でずっと頑張って欲しかったのですが、残念ながら今回J2に降格されました。その要因というか背景をリスペクトしていきたいと思います。思ったよりネットでの情報がありました。

【「地方クラブの雄」サガン鳥栖、初のJ2降格 揺らいだ経営基盤】
「ホームタウンの佐賀県鳥栖市は人口約7万4000人で、J1では最少規模。潤沢な予算は組めず、毎年のように主力選手を引き抜かれながらも、育成組織の強化や大卒新人の獲得などで戦力を整え、地方の小規模クラブながらJ1で存在感を示してきた。最高成績は昇格初年度の12年と14年の5位。その後は中位、下位を行き来する中、18年夏には元スペイン代表FWフェルナンドトーレス選手を獲得するなど大型補強に打って出た。
 Jリーグが発表している『チーム人件費』は昇格初年度はJ1の18クラブ中17位の約6億円(J1平均約14億円)だったが、18年度は6位の約27億円(平均約23億円)まで膨らんだ。
 一方で大型スポンサーが離れ、スポンサー収入は18年度の約23億円から19年度は約8億円と激減し、足元が揺らいだ。18年度からは4期連続で赤字となり、経営規模の縮小を余儀なくされた。
 近年、Jリーグはチーム人件費のうち『トップチーム人件費』を抽出して数値を公表しているが、23年度の鳥栖は18クラブのうちアルビレックス新潟に次いで少ない17位の約10億円で、J1平均約23億円の半分以下だった。
 22、23年度は黒字経営を達成した。債務超過は解消していないが、経営改善が少しずつ進む。だが、人件費の抑制は成績にも徐々に影響を及ぼし、21年は7位、22年は11位、23年は14位と順位を下げてきた。」
「J1で13季目の今季は序盤から低迷し、4月には強化担当の小林祐三スポーツダイレクターが退任した。その後も苦しい試合が続き、前節の第33節終了時点で7勝5分け21敗で最下位の20位。7月14日の第23節から前節までクラブワーストの11戦勝ちなしとなり、この間は5連敗もあった。
 本来はてこ入れが必要な夏の移籍期間には、MF河原創選手やMF長沼洋一選手ら、今季20試合以上に出ていた主力級の5選手が他チームに移籍した。
 8月に川井健太前監督が解任された。失点の多い試合が多い中、新たに就任した木谷公亮監督は『自陣で守ることも当然だけど、自分たちからボールを奪いに行く、そういうプレーをしないといけない」と強調し、システム変更に加え、課題だった球際やクロス対応などの練習メニューを変え、改善を試みたが、好転していない。」

出典:毎日新聞

 ホームタウンの人口74,215人はJ1最少規模とありましたが、Jリーグの全60クラブの中で最も小さいそうです。確かにFトーレス選手が活躍していた頃が黄金時代ですかねぇ。大型スポンサーが離れた後の19年度から具合が悪くなっていたのでしょうか。身の丈に合わない経営で基盤が揺らぎ、健全化を図る中で成績低迷に陥ったとあります。確か、その時期に竹原元社長がどうのこうのと聞いた覚えがあります。そして、B1佐賀も一時期、その息子さんが代表を務めておりましたが、今はその影響は無いのかな。

【サガン鳥栖はなぜJ2に降格したのか 8月の監督交代を分岐点に失われた「論理性」】
〈川井健太監督との決別〉
 今年8月の決断が、今シーズンの分岐点だったことは間違いない。川井監督体制では、25試合で7勝16敗2分けだった。鹿島アントラーズに敗れて16位に転落。その後、新たに就任した木谷公亮監督の体制では9試合で6敗3分けと一度も勝てず(勝ち上がっていた天皇杯、ラウンド16も敗退)、最下位だ。数字はしばしば嘘をつくのは確かだが、この監督交代は論理性を欠いていた。
〔選手は監督で鳥栖を選んでいた〕
 なぜなら、3年目の指揮となった川井監督は、誰もが納得する成績を出していたわけではないものの、選手を成長、覚醒させる手腕は瞠目に値した。」
「J1で1、2番手に低い資金力でそろえた選手が、川井監督が作り上げた仕組みのなかで、見違えるプレーをするようになった。いずれも伸び悩み、トップレベルで出場機会を満足に得られなかった選手ばかりだ」
「恩恵を受けた選手たちが、『川井監督がいる限りは......』と在籍を続けていたが、チーム内はすでにキナ臭く、川井監督の解任、もしくは辞任を促すムードは、開幕連敗以来、ずっと立ち込めていた。今年4月、小林祐三ダイレクターが早々にクビを切られ、選手は決断を迫られていたはずだ。」
「勝利を重ねるか、選手を成長させるか」
 有力な選手が、『川井監督がいるなら』と鳥栖を選んでいたことは一縷の希望だった。川井監督のコンセプトは、誰が何を言おうと、魅力的だったのである。セレッソ大阪の元日本代表MF清武弘嗣も、川井監督のサッカーにひかれて入団したはずだ。それでも川井監督を解任し、『残留のみを目指す』と決めたのなら、その実績のある監督を登用すべきだった。『地元で愛されるOB』という看板は、真剣勝負の場では役に立たない。危急存亡の秋、完全に戦略を、論理を欠いていた。」
〈一丸となって戦う。汗をかいて、涙を流す〉
 そんな懸命さだけでは、今のJ1は長いシーズンを戦えない。それでも、"あの頃はよかった"という懐古主義に心を奪われてしまう。そして川井監督の『論理』に物足りなさを、あるいは怒りを感じてしまったのではないか。」
「また、川井監督の前任だった金明輝監督も、『戦う』という原理に突っ走った挙句、暴言、暴力が問題視された。士気の高さ、という強度だけで立ち向かうのは限界があった。
「戦う気持ちが見えない」
 そんな言葉を見聞きするたび、違和感を覚える。『戦う気持ち』の正体は何か。清々しかった戦いを呪いに変えてはならない。」

出典:web Sportiva

 選手を成長、覚醒させる事に長けた川井前監督を慕って、選手が来ていたのですね。でも結果が出なかったために川井監督が解任され、それに伴って選手の流出が出てしまったという事ですか。よく話題になるのが、育成か勝利かという点で、鳥栖さんもそこの部分でも苦しんでおられたのかな。
 当ブログでもよく思いますが、サッカーは「監督」の部分が大きいと思います。いくらいい選手を揃えても、それらの「素材」に手を付けるシェフである監督が素材を生かせなければ結果が出ません。なので、監督が大きいですね。J1昇格についても、個人的には昇格請負人監督が望ましいと思っています。

【サガン鳥栖J2降格、補強ままならぬ厳しい経営状況が一因…スポンサー撤退・元スペイン代表獲得も裏目】
「降格の一因には、戦力低下を招いたクラブの厳しい経営状況もあった。
 東京のゲーム開発会社が支援していた2018年度のスポンサー収入は約23億円で、当時のJ1・18チーム中4位の多さだった。だが、この会社は理由を明らかにしないまま撤退。23年度の同収入はJ1ワースト2位の約10億円まで減った。
 一方、支出面では、当時の経営陣が元スペイン代表のフェルナンド・トーレスを獲得したことなどが裏目に出て、19年度に約20億円の赤字を計上。20年度から債務超過に陥った。その結果、運営会社はクラブ存続のため、『体力をつける』(小柳智之社長)ことを優先。人件費を削らざるを得なくなり、補強もままならなくなった。降格後はスポンサー離れなどで、さらに厳しいやりくりを強いられることになりそうだ。」

出典:読売新聞

 そうですか、鳥栖さんの黄金時代はJ1で4位の収入だったのですね。でもこの記事ではFトーレス選手の獲得が経営的に裏名に出たとあります。この辺が身の丈に合った経営というものですか。その後は人件費を削らざるを得なくなり、補強もままならなくなって順位が下がっていったのか。
 経営面でのイメージは、昔の大分さんとよく似ていると思います。身の丈を超えた補強で赤字から債務が膨らみ、その後の経営陣が緊縮財政を余儀なくされ、人件費の減少から降格に至るという。

 また個人的にはJクラブで運営会社が倒産した事例として脳裏に焼き付いています。1997年にチーム運営会社の㈱佐賀スポーツクラブが解散し、同年に佐賀県サッカー協会の中村会長を代表とする任意団体としてサガン鳥栖FCが発足し、現在に至っています。そうでした。鳥栖フューチャーズでの経営危機から改名したチーム名が「サガン」。「佐賀」と砂粒が固まって砂岩になるように小さい力を集結させ、立ち向かうことを表す「砂岩」の意味がこもった名前。再び小さな力を結集して立ち向かう「砂岩」となって、早くJ1に戻って欲しいです。
J1鳥栖関連⑲:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20200930
 〃    ⑱:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20200823
 〃    ⑰:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20200814
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 〃    ⑬:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170830
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 〃    ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090530 
 〃    ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090314 
 〃    ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070612
#がんばろう石川 #がんばろう能登

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