リスペクトコラムです。(元記事:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20231015 ) かなり前からキープしていたリスペクト記事になります。何と2020年10月という事で、ちょうど3年前になり、コロナ禍真っ只中の時期か。その1年前に来た台風19号ですが、多大な被害を出しています。プロスポーツの興行も多く中止・延期になっています。当ブログでも記事 にしており、浦和さんの他に湘南さん、長野さんも練習場が水没しています。TEAM AS ONE募金活動も行われており、この記事 によると、栃木さんは選手による災害ボランティアに参加されており、この記事 によると、山雅さんは災害ボランティア参加者を募集して参加しています。
当ブログで馴染みの深い(現地も訪問)レッズランドが水没したと聞き、心を痛めましたが、その1年後にこの大住さん のコラムを読んで、絶対にリスペクト記事にしようと思っていました。ただ、ボリュームが大きい事、コロナ禍に突入した事で、こんなに遅くなってしまいました。という事で、長い記事になりますが、レッズランドのドラマをリスペクトしてください。
【「レッズランド再生秘話」台風被災からの復興(1)「埼玉スタジアム3個分」が完全に水没】 「昨年10月に日本列島を襲った台風19号は多くの人々の生活に深い爪痕を残した。荒川の河川敷に広がる浦和レッズの総合スポーツ施設、レッズランドもゴールポストをはるかに超えるほどに冠水し、水が引いた後も、埼玉スタジアム3個分の広大な敷地を汚泥が覆いつくしていた。」
出典:サッカー批評WEB 【「レッズランド再生秘話」台風被災からの復興(2)「浦和レッズだけにしかない施設は、絶対になくさない」】〔レッズランド終焉か、訪れた深刻な危機〕 「レッズランドが誕生して15年。荒川の支流である鴨川の氾濫を防ぐために河川敷に水を入れ、レッズランドが1メートルほど『冠水』したことが4回あった。そのときには水はすぐに引き、実害は大きくはなかった。しかし今回、水はピッチレベルから5~6メートルの高さに達していた。『冠水』ではなく、『水没』だった。復興には相当な時間と費用がかかると、容易に想像できた。」 「『レッズランドが浦和レッズのお荷物になっている』という話が以前からあった。『レッズランドがあることで、チームを強化する資金が圧迫されている』と不満をもらす人もいた。そうしたなかで、未曾有の水害を機に、レッズランドを閉鎖するという話も出るのではないかと、私は考えていた。」〔復興をきめた浦和レッズの強い意思〕 「レッズランドの代表理事でもある浦和レッズの立花洋一代表は迷わなかった。『やめるわけにはいかない』と、即座に復旧を決めたのだ。『Jリーグ百年構想を具現化し、地域の人びとのスポーツ生活に寄与する、浦和レッズだけにしかない施設は、絶対になくさない』と、立花代表は断言した。 国土交通省に復旧計画を出すにあたって、まずは復旧にいくらかかるか、見とおしを立てなければならない。そしてその資金をなんとか調達しなければならない。工事会社から届いた見積書を積み上げると、『1億5000万円』に及んだ。基金が1億5000万円、毎年の事業規模が2億円から2億5000万円のレッズランドには過大な額だった。 浦和レッズの出資企業の中核をなす三菱重工業のバックアップもあった。1億5000万円に加えて日常の運転資金や将来対策を含め5000万円、計2億円の『基金積み増し』を求めたレッズランドに対し、三菱重工が理解を示し、2億円の積み増しが決まった。『復旧』のための資金のめどはついた。レッズランドの基金は3億5000万円となり、『親会社』である浦和レッズ(資本金2億7280万円)を超えることになった。〔堆積する泥が3000トン〕 「水深は、翌日には1メートルほどまで下がり、数日でほぼ全部引いた。残ったのは、厚く堆積した泥と、植物の残骸など流れ込んだ膨大な量のゴミだった。レッズランドを5~6メートルの深さで覆った水が残した泥は、1立方メートルで1.6トン、総量は2000立方メートル、3000トンを超えた。それがほぼそのまま、レッズランドの表面に残されたのだ。 10月18日に立花代表理事を本部長とする復旧対策本部の第1回会議が開かれ、被害状況が報告されて作業方針を決めた。レッズランドは、変電設備が使用できなくなっており、場内の散水などに使用する井戸ポンプも修理の必要があった。電気も水も使えない状況だった。 10月下旬、作業はまず井戸の修理から始まった。この井戸は、レッズランドの敷地を含むこのあたりの農家が共同で設立した組合の所有物だったが、レッズランドでは天然芝にまく水などをすべてこれに頼っていた。飲むことはできないが、レッズランドの重要な『生命線』だった。そして運動施設の上に厚く積もった汚泥を除去するには、この井戸水が不可欠だった。 作業は人工芝から始まった。汚泥の深さは8センチにも達していた。すでに固まっていたところに水を撒くと、瞬く間にどろどろの状態に戻る。それを小型のパワーショベルで掻き集め、トラックで運び出す。その泥は、レッズランドの入り口のすぐ横にあるクレーテニスコートに隣接する駐車場に積み上げた。高さ1メートル、幅10メートルで横に伸ばしていけば、何立方メートルであるかがすぐに計算でき、最終的にここから再度トラックで運び出して処分するときに必要なトラックの台数が計算できる。」
出典:サッカー批評WEB 埼スタ3個分の汚泥が溜まったというのはすごい量ですね。「浦和レッズのお荷物になっている」という声もすごく気になる所でしょうが、それはJリーグの根幹の百年構想に反する価値観であり、レッズランドを否定する事はJリーグそのもののを否定する事だと思います。復旧を即断された立花さんは去年まで社長に就かれていたようですね。 復旧工事費用が1.5億円、合わせて2億円の資金の積み増しについて、親企業であるJ1浦和の主要出資企業が理解を示し、親企業の資本金を超える基金(3.5億円)が集まったという事で、その支援パワーのすごさに圧倒されました。 当ブログも真備の災害ボランティアに1年間行っているので、何となくわかりますが、まずは汚泥をどうするかですね。その次が建物等にこびりついた泥をどう取るかですか。
【「レッズランド再生秘話」台風被災からの復興(3)人びとを元気づけた一杯のコーヒーと「レッズランドのチーム」快進撃】〔義援金やさまざまな支援の手が〕 「11月からは、浦和レッズの後援会が埼スタで行われるホームゲームでレッズランド復旧のための義援金活動を展開、シーズン終了までに3試合合計で290万円近くを集めた。後援会はその後も指定口座への振り込みによる義援金募集も続け、最終的には約800万円をレッズランドに贈った。 レッズランドでの練習からプロになったアカデミー出身選手たちも動いた。浦和レッズのDFとして活躍する宇賀神友弥選手が中心になり、『きみのて 』と呼ばれる支援プロジェクトが12月3日にスタート、『クラウドファンディング』方式で募金を募ったところ、初日だけで300万円を突破した。プロジェクトには、いまは他のクラブで活躍するレッズ・ユース出身選手だけでなく、ユース出身ではないトップチーム選手も賛同、最終的に500万円をレッズランドに贈った。 浦和レッズのファン、サポーターからは、被災直後から『何かお手伝いできることはないか』『ボランティアで作業に行きたい』という声がひっきりなしに寄せられていた。しかし汚泥、汚水が大量に残っている時点では衛生状態が悪化していることも懸念され、すべて断ってきた。だがJリーグのシーズンが終了した翌週の日曜、12月15日に初めてボランティア作業を行った。午前と午後に分け、各50人を募集したが、午前63人、午後39人と、予定を上回る人が参加した。汚水に汚れたままだった10組、20脚のサッカーゴールも、このときにボランティアが井戸の近くの駐車場まで運んで洗い、真っ白な状態に戻してくれた。〔「レッズランドのチーム」が快進撃〕 「復旧作業に手応えが感じられるようになったのは、12月を迎えたころだった。人工芝がきれいな緑を取り戻したことで、レッズランドの『風景』は見違えるようになり、それがスタッフや作業員たちの心に力を与えた。 さらに勇気づけてくれたのは、浦和レッズレディースの皇后杯(JFA全日本女子選手権)での快進撃だった。11月2日に終了したなでしこリーグを2位の好成績で終えたレディースは、『レッズランドのチーム』と言える存在だった。(皇后杯で準優勝)」
出典:サッカー批評WEB クラブの後援会が支援金を集めたそうですね。これだから「後援会 」は要るのです。オフィシャルファンクラブではできない行動。無いところはどうして作ろうとしないのか理解できません。宇賀神選手のクラファンもいいですね。選手で500万円寄付したというのもすごい話だ。そしてファン・サポーターの力ですね。資金面というよりはボランティアでの活動面で大いに貢献されています。そういったものもすべて集約できるのが後援会なのだと思います。レッズレディースの活躍もうれしいところ。猶本選手もこうした思いを抱きながら、頑張って代表につながっていったのかな。
【「レッズランド再生秘話」台風被災からの復興(4)「あのときのお礼にさ、何か手伝えることないかな?」】〔サポーターたちからの申し出〕 「この『復旧期間」で、松本さんには忘れられないことがある。ことし3月中旬、浦和レッズのサポーターが自主的にボランティアを申し出、残っていた作業の一端を担ってくれたことだ。」 「「あのときのお礼にさ、何か手伝えることないかな?」 新型コロナウイルスによる営業停止期間であることで、松本さんは受けていいのか悩んだ。しかしこのころの松本さんは、施設のいちばん西にあるデイキャンプエリアとアグリフィールドの外側の『外周道路』にたまったままの土砂をどうするか、悩んでいた。グラウンドの復旧に比べ優先順位は低いが、どうするか、頭を離れたことはなかった。悩んだ末に、『屋外の作業だし、せっかくの厚意を受け止めなければならない』と、申し出を受けることにした。」
出典:サッカー批評WEB 【「レッズランド再生秘話」台風被災からの復興(5)浦和レッズの「ゴール裏」で培われた大きな力】〔ゴール裏で培われた大きな力〕 「当日集まったのは30人。20代から40代が中心で、なかには6人の女性も混じっていた。作業が始まって、松本さんは前年11月に増す驚きを味わった。的確に仕事が割り振られ、30人が組織的に動いていく。男性顔負けの力仕事をこなす女性もいたが、他の女性たちはフェンスの金網に付着したゴミを落とすなど、体力に適した仕事が与えられた。メンバーはやるべきことを黙々とやり、そして楽しそうだった。 朝から夕刻まで、彼らは3月の2回の日曜日に集まり、幅3メートルほどの道路を、長さにして100メートル以上、砂や瓦礫を撤去し、道路は通行できるようになった。その合間には、デイキャンプエリアのゴミ拾いもした。デイキャンプエリアには、流れてきたペットボトルなどが木立の間に散らばったままだったのだ。『あそこをきれいにしよう』とみんなが自主的に動き、どんどん片づいていった。浦和レッズの競技運営部からの弁当の差し入れにも、『そんなこと、気をつかわなくていいよ』と、黙々と作業を続けた。」
出典:サッカー批評WEB サポーターの力はすごいと思います。復旧ボランティアの中心となり、この中にはクラブボランティア(スチュアード)も多くいた事でしょう。そのスチュアードの所属がやはり後援会か。100m以上の外周道路の砂や瓦礫を撤去されたそうですが、100mというのもすごい数字ですね。女性サポも活躍されたそうですね。 ちなみに同じ災害が地元で起こったら、もちろん当ブログも災害ボランティアに参加するでしょう。西日本豪雨災害の時に真備 へ行ったように。個人的には自分の人生の中で極めて深い、実りある社会経験ができた日だったので。 レッズランド公式HP:http://www.redsland.jp/ J1浦和関連:㊻ / ㊺ / ㊹ / ㊸ / ㊷ / ㊶ / ㊵ / ㊴ / ㊳ / ㊲ / ㊱ / ㉟ / ㉞ / ㉝ / ㉜ / ㉛ / ㉚ / ㉙ / ㉘ / ㉗ / ㉖ / ㉕ / ㉔ / ㉓ / ㉒ / ㉑ / ⑳ / ⑲ / ⑱ / ⑰ / ⑯ / ⑮ / ⑭ / ⑬ / ⑫ / ⑪ / ⑩ / ⑨ / ⑧ / ⑦ / ⑥ / ⑤ / ④ / ③ / ② / ① レッズランド関連⑦:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160125 〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100208 〃 ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100205 〃 ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20080713 〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060521 〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20050924 〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20050909 #がんばろう日本