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東西ヘンテコアクセント


“天王寺問題”は関西人にもある?

東京人が話す“天王寺”のアクセントについて、多くの関西人がツッコんだ。

たしかに慣れ親しんだ地元の地名をヘンなアクセントで言われると、
「おいおい、違うやろ!」
と思うことは分からなくもない。

しかし、他所の地方の馴染みのない地名のアクセントなんて、誰だって間違うのだ。

しかも、それは一方から見れば間違いであっても、もう一方から見れば、
「自分たちだったらこう言うかな
という言わば“手前勝手”な表現をしただけなのだ。

たしかに、関西人からすれば、奇奇怪怪なアクセントかもしれない。

でも逆もまた然りで、関西人だって他所の地方の地名や、ものごとのアクセントがおかしいことだって多々あるのだ。

では、詳しく見てみよう。


あんことずんだ

“天王寺”を東京アクセント①型で“ミドドドド”と言う東京人

“姫路”“ミドド”と言う東京人。

違和感を覚える関西人は多いだろう。

逆に東京人から見て、関西人のおかしなアクセントは、一体どんなものがあるのか。

最近はあまり聞かなくなったが、20年くらい前は“静岡”の場合、最初の“し”だけが高い、東京アクセントで例えると①型と同じ“ミドドド”という言い方が主流だった。

また、埼玉県の“大宮”は東京アクセントだと、1拍目の“お”だけが低い“ドミミミ”(⓪型)が正しいが、関西人の中には京都市の“大宮(ミドドド)”同じで良いと思っている人がいるようだ。


「そんなん一部の関西人だけやろ、今どき“静岡(ミドドド)”って言うヤツおらへんで!」
との指摘が聞こえてきそうだ。

たしかに地名に関しては、上記のような言い方は減ってきているようだ。

しかーし!
他の名詞に関しては、東京人の“天王寺・姫路(東京アクセント①型)”に、負けず劣らずのヘンテコアクセントを、一部の関西人はしているのをご存知だろうか。

それは仙台名物の、“ずんだ”である。
東京アクセントでは平板アクセントの⓪型(ドミミ)で、本場・仙台でもそれに近い言い方であろうと思われる。
仙台弁は抑揚のない“無アクセント”なので、無理矢理音階で表すと“ドドド”に近いのではないか)

そんな“ずんだ”のことを、東京在住歴が長いはずの関西のお笑い芸人が全国ネットのテレビ番組の中で、
“ずんだ(ミドド)”
と臆面もなく言っているのを見て、衝撃を受けた(笑)。

そして残念なのは、そのヘンテコアクセントに誰もツッコまなかったことだ。
ツッコむのが得意の関西のお笑い芸人がツッコまれるところ、見てみたかった!


余談だが、関西人“あんこ”を“ミドド”ではなく、“ミミミ”と言う。
それなのに、おなじ“あんこ系”にもかかわらず、“ずんだ”“ミドド”と言うのだ。

まあ、これに関しては東京アクセントでも、
“あんこ(ミドド)”と“ずんだ(ドミミ)”が逆になっているのだが。(かつ関西弁と真逆になっている)


関西
では元来、縁遠い東北の文化を、あまり積極的に受け入れない傾向がある。

関東では東北に近いこともあり、平成に入ると徐々に人気が出て来たと思われる“ずんだ”だが、“東日本のモノ”に必要以上に抵抗を抱く関西“ずんだ餅”市民権を得たのは、ここ10年くらいのことである。

つまり何が言いたいかというと、我々は馴染みのない、得体の知れない地名・人名ヘンテコなアクセントで言ってしまいがちだということだ。

天王寺(ミドドドド)、姫路(ミドド)、ずんだ(ミドド)。
それぞれ、地元の人が聞いたらズッコケそうなアクセントだ(笑)。

当然、
「地名はあかんけど、食いもんはセーフやろ!
というのは虫が良すぎる

だから、東京人のアクセントに対しても、鬼の首を取ったような物言いはあまりしない方が賢明だと思う。

お互い様なのだから。

さいごに

今回は、
「関西人もヘンテコアクセントで言うことがある
という内容でお届けした。

関西人は東京人の“天王寺(ミドドドド)”や“姫路(ミドド)”が気に入らないだろうが、東京人だって“ずんだ(ミドド)”って言う関西人をヘンだと思っているはずである。

そのことはご理解いただけたと思う。

では、同じ様なヘンテコアクセントを、東京人はあまりツッコまないのに、関西人はなぜムキになるのだろうか。

今後そういったテーマを取り上げて行こうと思うので、乞うご期待!

(補足:ちなみにずんだを“ミドド”と言う人もいるが、関西でも最近は“ドミミ”と東京アクセントっぽく言う人が増えてきたし、東京でも姫路を関西弁に近い“ドミミ”と言う人が増えてきているようだ)


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