ニートは必ず自室をもっている
このままニートが増え続けると、民主主義的にニートが実権をもつネオ国家が誕生するのでは?!
そんなしょうもない考えを抱きながら今日も暇なので、キュニコス派(犬儒学派)と呼ばれたニートきってのフロンティアでありパイオニアでもあった 「ディオゲネス」 を紹介しよう。
ディオゲネスを紹介するに当たって、彼の生きた時代のバックグラウンドが重要になる。
彼はヘレニズム期と呼ばれる、アレクサンドロス大王の東方遠征後の初期に生きた哲学者だ。
この時代は紀元前で、アレクサンドロス大王があらゆる地域を侵略して自国としたがために、国や共同体のような小さなポリス(古代の都市名)が次々と崩れ、統合した
それゆえに、「世界市民」といった、人類皆がポリスをこえた世界国家の一員という考えが広まる。
そんなことがあり、以前までポリスの繁栄と自分の幸福を重ねていた人達がよりどころを失った。
そして、自己の内省が主流となっていった時代がヘレニズム期だととらえてほしい。
(正確な定義は違うのですが、それらも踏まえたうえでの考えです)
この時代では、有名な哲学者はエピクロス(エピクロス派 : 快楽主義)やゼノン(ストア派 : 禁欲主義)がでてくるが、その二人と同時期に活躍(?)したのがディオゲネスである。
彼は後述するようなネオニートのような生き方をしていた。
これだけだと、とんでもない奴(実際そうなのだが)で終わりそうなので、少々意味を付け加える。
彼の異様に思える行動もストア派と同じようなベクトルの禁欲主義であり、より実践的な物欲を廃した自然体だったということだろう
また、ディオゲネスは変人であったが反権威的でもあり、毅然とした態度をとっていたので民衆からは愛されたらしい(今でもそのような人は、世間からは外されるが、個人的に愛されていると思う)。
有名だが、プラトン、アレクサンドロス大王との話をのせておく
case1
プラトンが人間のことを
"2本足の羽のない生き物"
(プラトンも狂ってるが、科学が普遍的になる以前なのでそういっても仕方がない)
と定義して評判となったところに、
ディオゲネスが羽をもぎ取った鶏をもってきて
「これがプラトンという人間だ」
といったという
教えの場から放り出されたらしい
case2
ディオゲネスがいつも通り日向ぼっこをしてたときに、大陸の覇者となったアレクサンドロス大王がディオゲネスの評判を耳にしたのかやってきて尋ねたそうだ
A「君が評判となっているディオゲネスだね?なにかほしいものはあるか?」
D「あるとも。樽の前からどいてくれ、陽が当たらん」
A「ああ、アレクサンドロスでなければディオゲネスになりたいものだ」
非常に徳と自然体であることを重んじた考えで素晴らしい生き方だ。
民衆から愛される理由がよくわかる。俺もこういう人は大好きだ
これ以上は蛇足なので、ここで今回のテーマを回収しよう
「ニートは必ず自室をもっている」
ニートになるには段階があるのだろうと思うが、それを説明してもキリがないので、ここでは次の言葉のみを置いていく。
「ニートを本気でやめさせたいなら環境から変えてしまえ」
少し前まで概ねニートだった奴からの"小言"と思ってほしい。
社会をいちいち騒がすニートの問題は、各々がディオゲネスの樽の中に生きていることから解決すべきなのだろう。
参考図書
・倫理資料集
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