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Riverside - Wasteland


オリジナルメンバーでありギタリストのピョートル弟の亡き後、新たなメンバーとしてギタリストのマシエク・メラーを迎え、2018年に発表した7thアルバムの『Wasteland』は、それこそ朽ち果てた銅像が描かれたアートワークが示唆するように、核戦争後の世界を舞台にしたベセスダゲーこと『フォールアウト』シリーズにインスパイアされた作品で、まるで核戦争後の荒廃した世界とピョートル弟亡き後のメンバーの心情がシンクロするかのような、必然的にバンドの大黒柱を失った喪失感が空気を支配する、それこそピョートル弟への哀悼の意としてのレクイエムと解釈すべき、バンドメンバーとバンドのファンがいま最も必要とする内容となっている。

それこそ、バンドのフロントマンであるマリウス・デューダくんのアカペラから始まる#1”The Day After”からして、心ここにあらずじゃないけど、どこか達観しているような、勿論そういう事情があるから必然的に悲壮感が終始漂ってて、必然的に「四人組のRiverside」としてのバンド感やグルーヴ感は薄れ、必然的に作風がマリウスくんのソロアルバムに寄るのも致し方ないんだけど、如何せんRiversideとして聴くとどうしても納得できない部分はないとは一概に言い切れないのも事実。

決してギターが面白くないというわけではないけど、事実新メンバーのギターは控えめに、マリウスくんの優しいコーラスワークとMichał Łapajのキーボードが織りなす、シットリしたメロディを以って美しく、そして儚い、まさにピョートル弟の美しい人生を映し鏡のように描いたサウンドに徹頭徹尾している印象。人として、バンドマンとして、どれだけ信頼されていたかを、彼が亡くなって初めて実感するかの如く。とにかく、ピョートル弟の人生はきっと素晴らしく、そして美しいものだったんだって、そう思わせてくれるアルバム。

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