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オーストラリア農業の先進性から学ぶ! 第61回 ソーラーシェアリング農業 ~農地におけるソーラーパネル設置のメリットとデメリット~

「ソーラーシェアリング農業」とは、農地で農業と太陽光発電を同時に行う革新的な取り組みです。これは、農作物と太陽光パネルが共に太陽の日差しを活用することからその名が付けられました。ソーラーシェアリング農業は「営農型太陽光発電」とも呼ばれ、英語では「Agrivoltaics」や「Agrisolar」という名称で広まっています。この技術は日本で開発され、日本企業が特許を取得しています(後に特許は公開済み)。現在この技術は広大な農地を持つオーストラリアでも大きな注目を集めています。

持続可能なエネルギーの確保が世界的な喫緊の課題です。特に太陽光発電はその中心的な役割(製造~リサイクル面での課題を解決する必要がある段階)を果たしていますが、設置場所の選定には慎重さが求められます。傾斜地に設置された太陽光発電施設は、豪雨災害によるパネル崩落のリスクや生態系への悪影響が指摘されています。これに対し、平坦な農地にソーラーパネルを設置することには、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。今回は、それらの点を詳しく分析し、農地へのソーラーパネル設置の有効性を考察します。

ソーラーシェアリングの価値はあるのか?

農地にソーラーパネルを設置することには、豪雨災害のリスク軽減、土地の二重利用、環境負荷の低減といった多くのメリットがあります。一方で、均一な日照と降雨の不足、農業機械の使用制限、メンテナンスコストの増加といったデメリットも存在します。これらの課題を適切に対策し、作物の選定やパネル配置を工夫することで、農地におけるソーラーパネル設置の価値を最大化できます。

さらに、ソーラーパネルの再利用方法についても考慮し、持続可能なエネルギーと農業の共存を目指すことが重要です。

まとめ(日本の農業者の皆様へ)

農地にソーラーパネルを設置することには、多くのメリットとデメリットが存在します。しかし、これらのデメリットは適切な対策を講じることで克服可能です。適した作物の選定やパネル配置の工夫を通じて、農地におけるソーラーパネル設置の価値を最大化することができます。さらに、ソーラーパネルの再利用方法についても考慮し、持続可能なエネルギーと農業の共存を目指すことが重要です。
また、日本の農業者にとって、ソーラーシェアリングは新たな収益源となり得る大きなチャンスです。しかし、導入に際しては細心の注意が必要です。パネルの配置や適した作物の選定、農業機械の適応などを慎重に検討し、地域住民との協力を大切にしましょう。

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