現場の声を届ける「Voices of Culture」
■基本情報■
Voices of Culture (ボイシーズ・オブ・カルチャー)
欧州委員会のプロジェクトの1つで、政策設計や助成金制度設計に携わる欧州委員と文化セクターの現場の人々がテーマに沿った対話の機会を持ち、現場で取り組まれている活動や要望などの声を届けます。
欧州委員が、EU加盟各国で取り組まれている文化セクターの活動を知り、情報交換をし、政策や助成金設計に活かしていくための建設的対話(Structured Dialogue)はOMC (the Open Method of Cooperation) と呼ばれていて、「Voices of Culture」プロジェクト以外でも、広く欧州委員会・欧州連合の文化政策を検討するにあたって活用されています。
■参加者とテーマ■
文化セクターからの参加者は、テーマごとに公募が行われ、各国の文化関係者・機関が自由に応募することができ、議論の方向性を決定づけるペーパーや選考を通過して議論に参加する参加者と所属機関も公表されます。
テーマとレポートの例はこちら。
Culture and Creative Sectors and Industries driving Green Transition and facing the Energy Crisis
文化とクリエイティブセクター、そして産業がどのようにエネルギー危機に対して変化し、また変化を与えることができるのかを議論する最新のテーマ。
応募者の公募が5月3日まで行われていて、議論を行う場所はエストニアのタルトゥです。
タルトゥは2023年に欧州文化首都を開催する都市の1つで、欧州文化首都のスローガンを「Arts of Survival」と掲げていて、気候変動に関連した文化プロジェクトを企画しています。また、2022年に発表された、「2030年までに気候中立とスマートシティとなることを目指す100都市(100 Climate-Neutral and Smart Cities)」の参加都市にもなっていることから、会場として選ばれたそうです。
Youth, Mental Health and Culture
文化が若い世代のメンタルヘルスのために何ができるかを議論したもの。レポートの公開されているものでは最新の例になります。
(Re)-Engaging Digital Audiences In The Cultural Sectors – Improving Audience Data
パンデミックのなかで活発になったさまざまなデジタル配信・公演・発表に対して、文化セクターはどのように観客との関係を改善していくことができるのかなどをテーマにした議論。
各ジャンルの現場が直面した課題や学びの共有から、政策レベルでの共通ガイドライン作成が必要かどうかなどもキークエスチョンに組み込まれました。
レポートの中身はまだ理解が追いついていたいのですが、自分のアウトプット練習用にいくつか記事にしてみても良いなと思っています。
■メモ■
「欧州文化首都」については、現在リスト・ハンガリー文化会館で2023年の欧州文化首都、ヴェスプレームを中心として展覧会を行なっているので、ぜひ行ってみてください!(私も行かねば・・・!)