ビンテージ'19-江風えっちブック物語-
皆さんこんにちは奥田たみをです。普段クソアニメを見て感想をTwitterに投げ捨てる生活をしています。夏コミも一段落したところで、なぜ私が成人向け同人誌を描くことになったのかといういきさつをお話したいと思います。
とは言ってもこれ書いている時点でコミケ終わってから2週間ほど経ってるんですがね。
人生初の成人向け同人誌を描くことを決心したいきさつ
2018年8月11日、イベントにサークル参加する際には応対や防犯の都合上何が何でも複数人で臨む私は、夏コミ当日の手伝いにあしゅりゐと彼の弟を連れて参加。その時の経験が刺激になったのか、その年の冬コミでなんと前川みくの成人向け同人誌を頒布するという快挙を成し遂げまして。実のところネタだけならあった私は正直「先を越された」と思い、たいへん悔しい思いをしたのです。しかし描かないネタはないのと一緒。未だ世に出ぬ傑作より、実態を伴った駄作のほうが評価されるのが世の常。そりゃそうだ人目に触れないんだもん。ということで私もその次の夏に、かねてより温めておいた成人向け同人誌のネタの一つである「江風メイン成人向け同人誌」を描くことを決意したのです。
方向性の違いとそれを克服したいきさつ
しかし絵を描く人にはわかると想うのですが、成人向け同人誌に必要な作画スキルというのは、全年齢向けのそれとはまるで別物。基本は同じなんですが、何をどうしたらエロくなるとか構図とカメラアングルによる魅せ方とか、普段全年齢向け日常漫画を描く上で全く必要のない技術ばかりが求められる。なので早々にその辺は諦めて、エロさを求める人は他の人の本を探してくれという方針で行くことに。そもそも話の根幹が「肉体関係の前後で変わる人間関係の変化」なので、私自身はエロい絵を描きたいわけじゃないんです。たまたま話の構成上エロいシーンを描かなきゃならなくなっただけなので、エロさについては「まぁちょっとでも普段よりエロくなればいいかな」と、本格的な技術の勉強については次回以降の課題ということで華麗に後回しにすることに決めたのです。
ということで方向性の違いには早々と決着をつけたのですが、のちほどこの判断が悲劇のもとになるのです。
制作に関しては特に言うことないですが、落とさないように申し込んだ次の日にはネームを切り始めたり、買った人が「謀ったな奥田!」と言えるようにあえて表紙と中身にギャップを設けたりということはしてました。筆が遅いなら早く描き始める。
同時並行で全年齢向け同人誌を作ることになったいきさつ
先述の通りメインは成人向け江風本なのですが、こちとら長年全年齢向けほのぼの漫画でやってきたサークルたみを夢工房、何も知らない人が来て「いつもの日常漫画は?」と聞かれたときに困るので、それまで息抜き程度に描いていた五月雨漫画をまとめて描き下ろしをつけたものを急遽頒布することに決定。「夏コミ受かったら五月雨本つくる」って言ったら本当に受かっていました。かくしてサークルたみを夢工房初の「新刊2冊」と言う体制ができあがったのです。人生初が2回重なってしまいましたが、そもそも去年の夏の在庫(けものフレンズ本)があったので別に描かなくても良かったんじゃないかというのは後になって気づきました。具体的には今。
全く新しいジャンルで慣れない戦いをすることになったいきさつ
印刷所に入稿した原稿は製本後会場に直接搬入されることになっていたので、私が現物を直接手にしたのは会場でした。まぁなにも問題ないとは思いつつ、例えるなら全く実績のない技術で作られた兵器を戦場でいきなり渡された兵士です。「こんなの役に立つのかよ」と思う気持ち、今ならわかる気がします。描いたのが自分とはいえ。
しかしここまできたらもうやるしかないのです。手元にはカバーの全年齢向け五月雨同人誌、そしてメインの成人向け江風同人誌。新刊を並べ終え、各方面への挨拶も済ませ、いざ開場です。
結論から言うと、全くと言っていいほど売れませんでした。そもそも人がいない。当日の配置は当コミケから初の使用となる南館、そこに来るまでには西を通り抜けて来なければならない奥地。更に当日は金曜日で、絶対的な人がいない。両隣も同じように苦戦している模様。開場中はほとんど手伝ってくれた自衛隊の同期で友人のKと、大学時代の後輩でイラストを2ページ寄せてくれたIZZEと日常的な運動の大切さと絵描き趣味の両立の難しさについてや、ノンフライヤーを使った調理時の注意点など、おおよそコミケとはなんの関係もなさそうな話ばかりして時間を潰していました。みんなもノンフライヤーを使うときは加熱時間に気をつけようね。長すぎると油が抜けてパッサパサになるよ。
途中で一人、話をオチまで読んで「怖い話なんですね」と感想を言った挙げ句買わずに去る人がいましたが、そういうのはやめようね。万死に値する。
1日目も終わりに差し掛かってきたところで、大学の友人が買いに来たり、大学の先輩が様子を見に来てくれたりしました。特に先輩の方は私の参加を当日知って、仕事を早めに終わらせて様子を見に来てくださるという聖人っぷり。聖人向けの本を作っておくべきだった。その先輩から借りて本を読んだ別の先輩から「コミケに参加するとは気合入ってるな!」的な特に内容には触れない感想が飛んできたのは、まぁ、そういうことなんでしょう。友人は気に入ってくれてましたけど。
そんなこんなで1日目が終わり、私は新刊が入っていた箱x2と、自分が買ったり頂いたりした各所の本を入れるため他所から調達してきた箱x1に在庫と戦利品を詰めて「もっとエロく描けてたらもうちょっと手にとってもらえたかなぁ」などと思いながら宅配待機列に並ぶのでした。サークル参加して箱が増えるサークルなんてそうそうないぞ。
終わらない戦いに身を投じる事になったいきさつ
ただ成人向け同人誌を描いただけでは、私はあしゅりゐに先を越されたままという事実は変わらない。他になにか彼に先んじた実績が必要だと私は考えたのです。何より在庫減らしたいし。
というわけでメロンブックスで委託してもらいました。気づいたらもう始まってやんの。「今日から委託開始しますね」っていう連絡があるかと思ったら特に無かった。以下のリンクから飛べます。
少しでも多くの皆様の御手元に届きますように。よろしくお願いします。