独立失敗 〜決める力〜
現在、プロフェッショナルコーチとして仕事をしていますが、以前は中学校の教師をやっていました。
「公務員から独立するには、大変な勇気がいったでしょう」
と、よく言われます。
確かにそうだったのですが、自分自身の勇気よりも、もっと大変だったのが、自分にとっては、親の説得でした。
僕は、独立に向けて4年の歳月をかけて準備をしてきました。
実は、2年目で独立出来ると計算していたのですが、その時、親の大反対に会い、あえなく撃沈していた事があります。
やりたいことをとことんやる
その日は、妻と僕の両親を交えて4人で話をしました。
僕が独立したいことを伝えると、親は「何を言っとるかー」的な感じで、ボロクソに僕が独立できないわけを言い並べてきました。
事前に妻とは一緒に独立して頑張る話をしていたので、妻に話をふると、「・・・実は、私も難しいと思う・・・」的な感じで言われ、四面楚歌とはこのことかと冗談も言えないぐらい撃沈しました。
ただどこか心の奥底では、実は安堵していたようにも思います。
親を乗り越えられなかったわけですので、結局のところ、準備も甘かったのだと思います。
とても恥ずかしいのですが、自分自身が親から自立できていない事実にも直面しました。
いったい自分に何が足りなくて、どうしたら乗り越えられるのか?
この問いについてしばらく考えていましたが、はっきりとした答えは出ませんでした。
とりあえず、止まっていても仕方がないので、そんなことは忘れて、とにかく、自分がやりたいと思ったことはすべてやってみようと動きました。
別に、2年間、親に何を言うかを考えていたわけではありません。
興味があるセミナーに出たり、会いたい人には会いにいったり、お金に糸目もつけず、とにかくやりました。
やっていくうちに、やはり、自分自身の道を歩いて行きたいという思いは強くなっていきました。
ある時点から、独立ということよりも、自分自身の才能を最大限に発揮した人生を送りたい、その才能を多くの人々の役立つものにしたい、と思うようになっていました。
ある意味、独立というのはどうでもよくなり、とにかく自分自身の力を最大限に発揮した人生を選びたい、そんな人生を生きる。と、どこか心の奥底で決めた感じがありました。
再チャレンジ
そんな感じで、2年間準備をし、また、親に話す時がやってきました。
話し出すと、前回と同じく両親共々、大反対の嵐です。
でも、その時の僕は、以前とは変わっていました。
そして、無意識に言っていました。
「わかりました。これ以上話しても平行線なので、なんと言われようとも、僕は自分の責任で自分の人生を歩みます。これからも親子の関係は変わりませんので、よろしくお願いします・・・。」
と、自分自身では意識してなかったのですが、本当に決めていました。
独立するときは、道が開いたかのように、独立するなあという雰囲気をキャッチしていました。
流れにのって、誰に邪魔されることなく、モーゼの十戒のように道が開いて、これしかないという感じで、運ばれるような感覚でした。
周りの人からも、「決めてるね」と言われて、自分自身でもそんなときが来たことを知りました。
「決める」が道を開く
心の奥底から決めることで、物事は絵に描いたように運ばれていく。
そんな経験を独立の時に体験しました。
親に反対されて独立をやめたときのことも、今思うと、自分自身が心のどこかで決めていなかったことを、親が身体を張って指摘してくれたのだと、感謝せずにはいられません。
今は、息子の面倒を見てくれたり、クライアントを紹介してくれたりと、とても親にはお世話になっています。
僕のライフワークへの道の途中で、親が正直に関わってくれたことで、大きな学びを得る事が出来ました。
撃沈してからの2年間で、とても多くのことを学ばせてもらったと思います。
独立した1年目から仕事に恵まれ、順調にやってこれたのも、このような体験があったからこそのように思います。