ストーリーが見えたMeetsSTORE体験
株式会社アイリッジ取締役の渡辺智也(わたなべともや)です。
※Twitterもやっています!
前回は、大丸東京の「明日見世」での体験をレポートしましたが、今回は新宿高島屋に4月29日にオープンした「Meetz STORE」を紹介します。
このMeetz STOREは、なかなか面白かったですよ~!
<目次>
1.Meetz STOREとはどんなところか
2.商品にまつわるストーリーを語れる専属スタッフがすごい
3.ストーリー編集力と体験の仕掛けづくりがポイント
1.Meetz STOREとはどんなところか
Meetz STOREは新宿高島屋の2階入口入ってすぐ、という好立地に2022年4月29日にオープンしました。
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/meetzstore/index.html
公式サイトによると、著名人キュレーターがセレクトした商品を観て、触れて、体験できる、というのがウリの様子。
ちなみに、著名人キュレーターは、こんな方々でした。
●食・グルメ(寺門ジモンさん/タレント・食通)
●ジェンダーレスなライフスタイル(サリー楓さん/建築デザイナー・コンサルタント)
●ビューティー(浦浜アリサさん/俳優・モデル)
●エシカル(坂口真生さん/エシカルディレクター)
●アート&クラフト(天野譲滋さん/デザインビジネスプロデューサー)
CHOOSE SHIBUYAでもb8ta Tokyoでも、いかに「面白い!」「使ってみたい!」と思わせるかがポイントでしたが、Meetz STOREでも、強みがわかりやすいキュレーターの皆さんを通じて、消費者の関心を高めようとしている様子がうかがえました。
2.商品にまつわるストーリーを語れる専属スタッフがすごい
そんななか、私が今回「他のOMO店舗と違うぞ」と感じたのは、キュレーターのセレクトした商品でも、購入サイトの使いやすさでもなく、専属スタッフが語る「ストーリーの魅力」でした。
商品を何気なく手に取ると、私と友人の属性を意識した(であろう)商品開発ストーリーやMeetz STOREに展示されるに至った経緯を語ってくれるのです。
たとえば、タオル。
陳列されているだけだと「ただのキレイな、ホテルで使われているふわふわのタオル」で、自宅で使うにはちょっと高価かなぁ…と手に取ることもしなかったと思います。
でも、専属スタッフさんが「そのタオルは植物由来の新素材でできていて、素材に含まれる乳酸の働きで菌の繁殖を防げるので、梅雨時の嫌な臭いがしないんですよ」
たとえば、お菓子。
これも並べられているだけだと、「どこかの地域のお土産かな」「よくあるスイーツだな」で終わってしまうところですが、「これは長崎県平戸のお菓子で、日本で最初に砂糖が入ってきた場所のものなんです。平戸には100種類もの伝統的なレシピがあって、そのレシピを現代風にアレンジしているんです。その最初の5品がこれで…」
こんなふうにそれぞれのストーリーを話してくれると、オンラインサイトでは知りえなかった情報を聞いたうえで、その手触りや見た目を直接楽しむことができるので、買い物は楽しい、新しい発見があった、来てよかった!と思いました。
ほかにも、有名シェフの手がけたスープの試飲ができたり、新素材の超速乾・超吸水スポンジを実験的に試すことができたり、と、さほど大きくない売り場でリアルな店舗ならではの楽しい体験が詰め込まれていて、ワクワク感が味わえました。
3.ストーリー編集力と体験の仕掛けづくりがポイント
これまで見てきた店舗のなかでは、Meetz STOREが“ワクワク感”では一歩リードしている印象ですが、ポイントとなるのは「ストーリー編集力」と「体験の仕掛けづくり」かな、と思います。
POPやiPadでかっこいいデザインの商品紹介をする、というオンラインとオフラインをつなぐという仕組みはもはや普通のことで、ユーザーもあまり新しさを感じなくなってきている気がします(実際、私も数店舗目になると、デジタルサイネージやQRコードのやり取りに慣れてきましたし…)。
大切なのは、実際に使ってみた人の意見や、開発者の思い、どのような経緯や背景でこの店舗に展示されているのか、といった商品にまつわる「ストーリー」ではないでしょうか。
今回、細かく説明してくれた専属スタッフは、自分でも商品を試してみた体験をたくさん語ってくれました。
自宅で使用している様子の写真や動画なども見せてくれ、「本当によい商品だからこそ、試してみてほしい」という思いが伝わってきましたし、体験できるスペースが多々設置されていて、すぐに商品の目新しさを実感できるのも魅力でした。
また、OMO店舗ということでその場での販売実績は問われないわけですから、ありがちな「今だから安い」「あと1点しか在庫がない」などの売り文句も一切なく、こちらも説明を爽やかに受け止められた気がします。
今後もOMO店舗は試行錯誤しながらも広がっていくように思いますが、おそらく純粋な驚きや感動を、ストーリーとして伝えられ、かつ、五感を刺激する形で体験できる(感動という主観的感覚を、体験という客観的情報で補足できる)という仕掛けが成功の鍵になるのではないでしょうか。
難しさとしては、ストーリーを魅力的に語れるスタッフの育成と、短時間で簡単に五感を刺激する仕掛け作り、というところかな、と考えています。
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