【ネタバレあり】Aマッソ単独「与、坐さうず」感想
大好評のうちに東京・名古屋・大阪と9公演を終えて幕を閉じたAマッソ第9回単独公演「与、坐さうず」。配信期間も終了開始したので、ネタバレ含めて感想を書いていきたい。
ライブ内容
オープニングコント「ヒエログリフ」
オープニング映像
コント「◯採用」箱
漫才「森永」(→大阪では違う漫才だったそう)
コント「一思いに…」死に方
KID FRESINO楽曲(幕間映像)
コント「芽生え」おばさん
コント「三畳半」フォークシンガー
漫才「セキュリティ対策」
コント「大人の階段」病室
エンディング映像
エンディングトーク
上記の通り、コント6本・漫才2本という構成。去年のスニッツは映像漫才や変化球「村上による転換」もあったので、それに比べるとシンプルな構成になったのではないだろうか。
前回のスニッツと比較しながら分類してみる
「ヒエログリフ」「芽生え」は、2人の掛け合い・絶叫があるタイプのコント。フリが長くネタバラシで笑わせる感じになってより王道コントっぽい。スニッツの「ピンポンダッシュ」はもう少し特殊だった。
「◯採用」「大人の階段」は加納さんが強烈なキャラの村上さんにツッコミを入れながら進むコント。スニッツでいうと「バレーボール部」「ものまね芸人」「歌舞伎」など。
「一思いに…」「三畳半」は村上さんの独白・独唱に加納さんが静かにツッコミを挟む形式。スニッツでは無かったパターン。
「森永」は村上さんの突拍子もない願望に、加納さんがワードセンスツッコミを繰り広げる漫才。スニッツでは「ギャンブル」も「落語」もこっちタイプ。
「セキュリティ対策」は加納さんが登場時から異様な拘りを持つボケキャラに入っていて、村上さんが従いながら戸惑いツッコミしていく。スニッツには無く、最近だと「悲劇と喜劇」が類似。
こうやって書くと、ネタのタイプが2人の関係性やツッコミの立ち位置がより多様になっていることがわかる。新しいパターンも生み出していて、その過程で加納さんが大声を出すネタの割合が減っている気がした(でも声は飛んでたが…)。
個人的感想:変わらない安心感と、新しく変わっていく可能性
ネタとしては「◯採用」「芽生え」「セキュリティ対策」が好きだった。
特に「セキュリティ対策」や「悲劇と喜劇」の漫才スタイルには可能性を感じていて、加納さんが楽しそうに拘りをアピールしてボケ数を稼ぎやすいのと、逆にセリフ量が減った村上さんも戸惑いの中で顔芸含めて演技力を活かせている気がする。「セキュリティ対策」は拘り自体も理解しやすく、Aマッソ慣れしてない人にも伝わりやすいだろう。
また単なるネタの羅列ではなく、舞台作品としての一貫性が今回は素晴らしかったと思っている。
スニッツも当時は満足していたが、今振り返るとと幕間映像でもうひと笑いを狙った小ネタが挟まっていて、笑いの総量は増えていたがネタへの集中力を削いでる部分があったかもしれない。対して今回は、次のコントへの導入、あるいは前のコントの追加オチとしての幕間映像であり、よりスムーズに見ていられる構成が印象的だった。
また、それを支える音楽と映像のレベルアップも目を瞠るものがあった。蓋スタジオ(いもちゃん)の成長と、新しいメンバーの関与の割合は観客からはわからないが、映像のクオリティもとても上がっていたし、楽曲もCharisma.comやxiangyu、ZOMBIE-CHANGなど女性ラッパーを多用して統一感もたせたところにもセンスを感じた。
なんと言ってもKID FRESINOの楽曲提供は嬉しいサプライズだった。共演した「QO」で得たものが単独ライブに還元されている気がして、あの奇跡のようなライブが未だ目に焼き付いている身としては嬉しかった。QOではKID FRESINOのライブに合わせてAマッソがお笑いを入れ込んだ形だったが、今度はAマッソ単独のため逆にネタ内容を盛り込んだ楽曲をKID FRESINOが書き下ろして提供。なんて理想的なお返しコラボだろうか。
そんな風に新しい要素も色々あったが、エンディングはAマッソの歌といもちゃんの映像で締めて安心させてくれた。「ホームは変わらずここにあるんだぞ」というメッセージを感じたし、歌詞の最後「あっちもなんかありそうだ」というのは、Aマッソがまだ新しい境地を切り開いていく未来を感じさせてくれて、とても良い気持ちで見終わることができた。
東京公演の時に話題になっていたことは何だったのか
東京公演で、ライブ内容のネタバレや、各公演で起きてたハプニング(?)が何だったのか、名古屋・大阪勢や配信勢にも分かるように記しておく。
KID FRESINOの楽曲提供ネタバレ
東京公演が始まった瞬間からみんなが「ネタバレ」と呼んでいたのはほぼこれのことだったと思う。もちろんコントや漫才の内容もネタバレだが、それを表に書かないのは常識としても、FRESINOの登場、というのは嬉しいサプライズ過ぎてSNSで漏らす人が出るのは容易に想像できた。が、やはり会場で味わったほうが絶対に良いサプライズ。
「#Aマッソ単独」のハッシュタグで見てる範囲だと、8/27昼の2回目公演のあとからチラホラそのネタバレを含むツイートが増えてきたので、「絶対ネタバレ避けたい人はパブサ止めたほうが良いよ」、とアドバイスするなどしてた。
と思ったらお笑いナタリーがやらかしてて、何故これを東京のライブレポに書いていいと判断したのかは謎である……
まぁ、初回公演の開演前に2階席に上がっていくご本人に気づいて、図らずとも匂わせしちゃってたのは自分なんですけどね…!!!
しかし唐突にKID FRESINOのラップが始まって、しかも歌詞がコント内容とリンクしてるというのは本当に鳥肌が立った。きっと配信でもこの部分だけものすごい回数再生されていることだろう。
東京公演4回目(8/28日曜昼)で何か起きてたらしいこと
このときに匂わせ感想ツイートがいろいろあったようで、訝っている人達がいたので書いておく。
・加納さんの声が飛び気味で心配していたところ、「三畳半」コントの冒頭、あいみょん歌うところで声が裏返ってしまい、それがファーストボケになって観客が笑って加納さんもこらえきれず後ろを向いている時間があったこと
・エンディングで加納さんが「ごめん、この回が最低の出来になってしまった。今後会った時"あの回見てました!"って言ってくれたらなんかするから。声が飛んだら夜公演が払い戻しになる恐怖と板挟みで…でもTwitterには書かんといて!」と言ったこと
東京公演5回目(8/28日曜夜)で何か起きてたらしいこと
東京千秋楽、配信録画回にも、神様はいたようで…
・最後の「大人の階段」コントで窓の外にある建物がそれまでのLIFEから西友に変わっていた(大阪公演ではスーパー玉出にしたのだろうか?→どうやらホームセンターのコーナンだった模様)
・そのオチ、東京公演最後の台詞「これ洋楽CDのジャケットみたいやな」で、あいぴーが壮大にガッツリ噛んだこと
・直後のエンディングで加納さんが「何?シャケ弁?」とツッコむも、あいぴーは「ウチらしいな!」と開き直ったこと
まぁこのあたりは翌日の記事でもバラされていたので、ネタバレというようなものではなかったが。
来年以降の単独ライブについて
加納さんは東京千秋楽のエンディングで、「全国ツアーが夢なので来年は5都市10公演以上やりたい」と言っていた。今のAマッソの勢いであれば、テレビや賞レースでの活躍も含めて、不可能では無い気がする。
おまけ: 幕間楽曲プレイリスト
とりあえず判明した4曲だけ入れたYoutube Musicプレイリストを公開しているけど、これ以外にも分かる人がいたらぜひご一報ください。
→5曲目が判明しました!「採用」コントの後の幕間映像中のZOMBIE CHANGの「Stress」。