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金沢旅行記

旅について

読書や映画では、私ではない誰かの目を、身体を通して、どこかの世界を垣間見み、私の現実世界だけでは得られない経験を、気持ちを、得ることができる。
私の現実世界の平凡でだらだらと続く日常から離れ夢を見られる。
旅では、私自身の目で、身体で、新しい気持ちに、経験に、出逢うことができる。
旅へ行くと私自身の濃度がグッと上がる。
私は旅が好きだ。2025年は2ヶ月に1度の頻度で旅へ出たい。

今回は、1泊2日で行った金沢旅行について記録を残す。
金沢は一人旅で訪れた2021年の以来。

金沢旅の記録

職場では風邪やインフルエンザが大流行しており、絶対に健康体で旅行に行きたいと強く願い、マスク嫌いな私が四六時中マスクを着用したり、手洗いの歌通りに徹底して手を洗ったり、毎日葛根湯を飲んだりしていた。天気予報では、最強寒波の発生など、心配事が増えるばかり。
なんとか迎えた当日。1月10日。5時30分に起床し、重い身体に抗いながら準備を済ませ自宅を出る。

北陸新幹線

北陸新幹線✨かがやき✨7時28分発、パニーノとホットコーヒーを片手に乗り込む。朝早く起きたからか、身体の調子が善調ではなかったので新幹線では睡眠を取ることを選択。
トイレへ行く際、窓の外に広がる景色に息を呑んだ。雪が積もった田んぼや家々の後ろで佇む美しい連峰。私は平野が好きだ。山が見えるから。地元も祖父母の家の地域も平野で、いつも山が私たちの日常にあった。


近江市場

10時09分、金沢駅到着。金沢は工芸品の街なのか、日本の紋様や金箔や友禅でデザインされた駅構内。もてなされている気分。金沢の良い雰囲気を味わう。
まずは早めの昼食を探しに、近江市場方面へ。狙いはもちろん海鮮。
最強寒波と聞いていたが、それほど寒くなくて安心する。いや、万全の防寒着のおかげなのか。2日間の中で雨や雪が散らつく時間帯が不定期的にあった。今思えば、頭痛は天候によるものだったのかも。
近江市場では、海鮮物だけではなく、野菜等も陳列しており、地元の方々も買い物に来ていて驚いた。

大きなカニやたくさんの種類の魚に興奮した。下調べを全くしていなかったし、金沢は海鮮が美味しいと聞いていたので、正直どのお店に入ろうか、迷いすらしなかった。恋人は口コミをよく見てお店を選ぶタイプだから、どこでも良い私はいつもお店の選択は恋人に任せてしまう。恋人が選んだお店は「魚旨」。2600円ぐらいの海鮮丼を注文。13種類くらいの海鮮をのせた丼が運ばれてきた。甘エビが濃厚でいつまでも吸っていたくなった。甘エビと白身魚以外にはそれほど感動しなかった。お味噌汁も美味しかった。でも、いつも一人前は食べ飽きてしまう私が、すごい速さで完食できたということはそういうことだ。

食事後は、カニコロッケを食べた。美味しかった。本当は能登牛コロッケが食べたかったけど主張できず、恋人の意見に合わせた。


ホテル

市場を出て金沢の街を散策。雪対策なのか、建造物は縦構造のものが多かった。
街を散歩中に見つけた、「エスコート」というお店でコーヒーをテイクアウトする。店内でラジオがデカい音で流れていて、祖父を思い出した。また出雲に行きたいな。店主のお婆さんの人柄が暖かくて心和んだ。
荷物が重いので一旦宿泊先のホテルに荷物を預けに行った。
今回泊まるホテルは、「白鳥路山楽ホテル」。

ステンドガラスや大きくて木調の可愛い家具、大正レトロな雰囲気に胸キュン。古き良きホテル、探していきたい。部屋まで案内してくれるスタイルでホスピタリティを感じる。ほんの少しのサービスで心地よさが変わる。そのほんの少しを私も日常生活で他者に与えられたらいいのに、これがむずかしいのだ。
朝ごはんもラインナップがよく、珍しく朝からたらふく食べた。とても良いホテルだった。


21世紀美術館

ホテルに荷物を置いた後、21世紀美術館へ向かう。21世紀美術館では3つの展示を見た。
・すべてのものとダンスを踊って-共感のエコロジー
・都市漂流
・小中学校合同作品展
21世紀美術館は、部屋がいくつもあり、作家ごとに部屋が分かれていたり、テーマごとに分かれていたり、作品をより良く見せるために空間を大きく使っていたり、次は何があるのだろうと鑑賞者をわくわくさせる構造を作っていたりする、そこが好きだ。今回のお気に入りは、ソーレン・ソールキアの作品。ムクドリが群で飛んでいる瞬間を捉えた作品だ。一瞬一瞬で違う形を成しているとても美しい作品だった。振動を感じるカーペットで作品と一体となった。それに加え、心の高鳴りを呼び起こすような音楽がさらに私の心を揺さぶった。


鈴木大拙

次に、鈴木大拙館。4年前に訪れた以来、ずっと心に残っており、再訪を心待ちにしていた。

谷口吉生建築。繊細でありながらも、どっしりとした構え。建物から溢れ出ている"静"のオーラに身を包む。心が"しん"とするのを感じる。自分の心の奥深くの意識を見つめる。


割烹浜長

夜ご飯は予約をしていた割烹浜長でいただく。恋人も私も初めての割烹で、緊張しながら入店した。

付き出しから旅一番の味を引き当て、テンションは上がりまくり。お造り、のど黒焼き、白子の天ぷら、牡蠣の天ぷら、ぶり大根、牡蠣雑炊、ほうじ茶と黒胡麻のジェラートをいただいた。もちろんどれも素材も美味しいんだけど、何より出汁が美味しいお店だった。でも私は全然居酒屋が好きだな。


1月12日、2日目。この日はほんど無計画だったが、稀に見る、ものすごく、ものすごく、良い1日となった。

蓄音機博物館

まずは蓄音機博物館へ。
私たちはレコードが好きだからとても楽しみだった。11時から蓄音機聴き比べというイベントに参加した。館長さんの語りが面白かった。何かに没頭した人の話は人を惹きつける。

蓄音機聴き比べでは、そもそも蓄音機とは何なのか、蓄音機の仕組み、蓄音機の変遷、音の違いを体験的に学んだ。音楽はいつの時代も人々の癒しであり、ぬくもりなんだと感じた。


兼六園

人が多すぎて、景色全貌を見渡すこともできなし、写真を撮る人たちに遠慮しなければならないし、なんだかつい身体がギュッと小さくなるようなそんな気分だった。やはり私は地元の人に愛されるような公園の方が居心地が良い。

木の根っこや苔、植物に当たる光、それによって生まれる影が好き


西田幾多郎哲学記念館

2日目は、何をするかをまったく決めていなかった。私たちの旅は、計画性なし、Googleマップで気になった場所に行く、というあるあるがある。
この西田幾多郎哲学記念館も、計画性なし故にGoogleマップで散歩していた際に出会ったのである。まず、海の方に行きたいねという話になった。海の方を散策していた際に、発見した。写真を見るとなんともカッケェ建築!安藤忠雄建築か!?と興奮気味で検索をかけると、見事に予想的中。もうこれは運命の出会いとまで思い、行き先が瞬時に決定した。
西田幾多郎哲学記念館は、金沢駅から少し離れた、宇野気駅にある。在来線に乗り、宇野気へ。宇野気駅は、なんだか地元の雰囲気に似ていた。住宅と道の他には何もない感じ。駅から徒歩20分程度行ったところで、なんだかカッコいい建物があるなと思ったらそれが西田幾多郎哲学記念館だった。さすがの安藤建築。圧倒的な迫力と存在感、光の取り入れ方、切り抜き方、安藤忠雄に魅せられ続けた。安藤忠雄建築は、あまりのかっこよさに自分に自信すらつく気がする。(?)ぜひまだ行ったことのない人へは、一度体感してきてとおすすめしたい。西田幾多郎哲学に触発され、また勉強を少しづつ始めている。


まつ野

帰りはタクシーを呼んだ。タクシーが早く来すぎて、宇野気駅で時間を持て合ましてしまった。なんか近場で行ける場所ないか?とまたもGoogleマップ散歩を。そこで見つけたのが、まつ野という寿司屋だ。

うう、、金沢で一番美味しかったのはここのお寿司です。ネタが大きいだけでなくとにかく新鮮、濃厚。お寿司が私たちのところや横のお客さんのところへ運ばれるたびに幸せに包まれる。眼福。ここにくるためにまた石川県を訪れると思う。
そしてなんとたらふく食べて1人3500円ぐらい!

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