MCQ(5/10.11)で5-1.6-1した緑偏重のシミックネクサスの話
最初に言っておくと、タイトルのところから全部負けて、SEすら出れてない。
また、一般的なレシピではないので、基本的に自己反省・再検討と備忘録的な側面での記述が多い記事になる。
シミックネクサスの基本的な立ち回りや、メタ位置、全てのカードの解説まで載せているわけではないので、そちらは是非こちらの解説記事を参考にしていただきたい。(非常に参考になりました)
1.メインボード構成
10《森》
2《島》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
4《天才の記念像》
2《爆発域》
(土地26枚)
2《樹上の草食獣》
2《呪文貫き》
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
3《根の罠》
3《ニッサの勝利》
4《薬術師の眼識》
4《伝承の収集者、タミヨウ》
4《荒野の再生》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
4《運命のきずな》
リストは改善版のところに現在のリストを、アリーナ用のテキストで出力してあるのでそちらを参照してほしい。
2.特徴・個別カード解説
特徴的なのは主に
・緑偏重
・ニッサの勝利
・草食獣の役割の重さ
・メイン勝ち筋が世界を揺るがす者、ニッサのみ(*例外あるため後述)
・スペルピアス
2-1.緑偏重
これは単純にニッサ・ニッサ勝利・獣という多角シナジーを形成するカードを構成の軸にしているため
それぞれの個々のカードについて解説
2-2.ニッサの勝利
最近のネクサスは選択を取っていない構築が多い。
独断と偏見では、タミヨウというカードパワーのおかげが半分と、爆薬土地の存在によって土地枚数そのものが多いため(比較的マリガンの緩衝をしなくてすむ)ではないかと思っている。
そこになぜこれが3枚入ったかと言えば、獣、ニッサ本体との多角シナジーの都合である。
それぞれのカードの強みについて、カードの欄で補足説明をする。
ニッサの勝利は基本森を手札に二枚加える。
以上である。
役割としては、
序盤は獣、らせんの確実な種確保(実質的なランパン化)
中盤は眼識の再活の種確保をしながら伸ばす土地を確保
最終盤ではデッキを1割弱圧縮してネクサスループの継続率を大幅にあげられる。
またゲームを通して2枚の圧縮というのはフェッチ2枚切るのと同義で、実質的な土地カウントが29(32)枚であるということで土地不足によるマリガンが非常に発生しにくい。
さらにニッサの勝利+記念像や爆薬含む土地5など、土地過剰キープをしても圧縮効果でドローの質が上がり、土地スロットのアクションも最低限当てにできるため、対面次第ではマリガンしてハンドを減らしたうえでハンデスで致命的なカードを落とされるよりはるかにマシであり、強引なキープができるようになる。
主だった強みを総括すると
・キープ基準の向上(致命的なマリガンの回避)
・土地不足を回避し、らせん・獣のパワーを100%発揮する
・圧縮効果による、ドロー・タミヨウ・アズカンタの質向上
・記念像・眼識による土地の消費へ積極的に踏み切れるシナジー性
といったあたりになる。
2-3.樹上の草食獣
このカードは最近のネクサスにはよく採用されている1枚になる。
言わずもがな、成長のらせんと同様に手札からの土地セットを加速するカードであり、重要な役割を持ったカードと同様な効果を持ったカードの存在は、アクションの安定性という観点から非常に重宝される。
では、らせんとの相違点は何か。
・ドローがないため、手札損失が大きく、リソース補充がないと息切れにつながる
・緑1マナであり、1~3ジャンプや、記念像と繁殖池などタップインカードの処理がしやすい
・0/3到達が残る
このうち、このデッキにおける特色としてあげられるのは、
・ドローがないため、手札損失が大きく、リソース補充がないと息切れにつながる
これがニッサ勝利のおかげで互いの効果が最大限生かされる。
・緑1マナであり、1~3ジャンプや、記念像と繁殖池などタップインカードの処理がしやすい
一般的なネクサスよりも緑偏重で、1ターン目の緑カウントが14なので、初手にある場合より確実にセットし、次ターンからピアスを構えながら、アズカンタ、らせんからニッサ勝利など様々なアクションが取りやすい。
・0/3到達が残る
エンドカードがニッサであるため、根の罠がなくとも3~4ターン目にニッサを素置きして、チャンブロで生きて帰して再生代わりに運用してネクサスループに突入するというルートが取り易くなる。
ついでに正気泥棒を止められるため、攻撃を通すために、屈辱や3テフェリーで無理に除去してくるコントロールもいるくらいには機能する点は、他のネクサスと変わっていない。
つまるところ、成長のらせんの下位種としてとらえられがちな樹上の草食獣は、このデッキの構成では殆どの点がかなり有用に用いられるため、往々にして成長のらせんよりの互換、場合によっては上位種として運用されている。
2-4.世界を揺るがす者、ニッサ
このデッキのエンドカードはこのニッサのみである。
森に偏重しているため、発生マナが1.5~1.8倍くらいまで増え、忠誠度能力でも土地を起こせるため、実質的に5枚目の荒野の再生の役割を受け持っている。(漂流自我で再生を抜かれてもニッサでネクサスループして勝つことがままある)
また、絶妙なのが森を一つ起こせば、根の罠が打てる点である。
アグロ、ミッド相手に4、5ターン目にキャスト、(基本フルパンされているので)警戒もちを生かして顔かPWにパンチしてゴー。
3/3を意識しながら多めに殴ってきたところに根の罠で守り、返しに2体で殴り、ネクサスを打って3体で殴り……これで18点である。ショックインしてればそれだけで勝ちだ。
特に最近苦手とされるマイナスから入るのが基本の3テフェリーを戒めやすいのが非常に大きい。
グルールの面倒なエンチャントに触ってくるPWを削れたりもするので、意外と殴りかかれる点は大きい意味を持つ。
(意外と確実なループに入れないと厄介な奴)
生きてターンが帰ってきた場合、ネクサス2枚でタミヨウやアズカンタがなくともほぼ勝てるのも強い。
3点、6点、9点と打点が増えるため、ショックイン一回で落ちるし、よしんば2点残ったとしてもニッサを落とすなりした上で、ラスを打つかブロッカーを3体立てないと死ぬのである。
ニッサの勝利の隠された効果も発揮される。
中~終盤に記念像・爆発域・ショックランド・チェックランドを3枚持ってこれるのはかなり意味が大きい。
緑偏重な上に倍加されるため、マナ数よりむしろ青マナのカウントにアクション数を縛られることが多くなるが、ニッサの勝利でショックチェックを持って来れば即座に解消できるのは絶妙に噛み合っている。
ただし、勝ち筋をバウンス動員などではなくこのカードに頼っているデメリットとして、ヴラスカの侮辱の存在がある。
このカードを追放されたら、勝ち筋が消えてしまうので、素置きして死なないように気を付けなければならない……と自分でも思っていた。
実際はニッサがいなくても、時間は少しかかるが、勝利することはできる。(MOを除く)
条件は、タミヨウがある状態で無限ターンに入ること。
無限ターンに入ると、タミヨウを無限忠誠度にできる。
無限忠誠度で墓地のカードをすべて回収、使用することができる。
爆発域を用いて互いの盤面を吹き飛ばし、タミヨウで回収したパーマネントをすべて再設置し、根の罠を構えてターンを渡す。
これを相手からターンが返ってくる度に繰り返す。
すると、こちらはネクサスのおかげでLOしないが、向こうは破壊不能を維持しながら根の罠をすべて打ち消したターンだけライフを詰め切るか、タミヨウをすべて追放しない限りは、最後はLOが発生する。
これはかなり邪道というか、やっていてもかなり疲れる勝ちかたなので、できる限り避けたい。
また、紙ならきっちり説明すれば省略できるし、アリーナなら持ち時間が回復するため相手もあきらめるだろうが、MOでは流石に時間がめちゃくちゃかかるので現実的ではないだろう。
ただ、競技で回しているなら、漂流自我や侮辱で十分に発生する状況なので、ぜひ頭に入れておいてほしい。(実際に日曜日のMCQはこれで1本取っている)
2-5.呪文貫き
何故呪文貫きなのか。
結論から言うと何故呪文貫きじゃないのかがわからないからである。
一つ一つ例示していくなら、
・メイン戦でも青黒、青白土地が見えてからショックインか島で、ハンデスから身を守れる。
・1マナアクションなので、らせん・獣で1マナ端数あまりがちなマナから自然に打ち込んで致命的な隙を生み出せる。特に対コントロールのテフェリーやグルールサイド後の蔦など致命的な置物を弾きやすい。
・苦手となる赤単バーンに対して、舞台照らしや絢爛達成目的の火力などを弾いてメインから一定の耐性を上げられる。
・コントロールや同型メインで、対面4マナ自身5マナで再生を唱えても3マナカウンターを抑えて再生が着地出来る(最近はエリマキやドビンの否認もあるが)
またこのデッキの弱点から、
・青のダブルシンボルだと厳しい
というものもあるが、ほかのカウンターがシングルシンボルだとしても、他の理由が強いためまず優先して採用はしないだろう。
(千年嵐だと使ってたけど、初動に使えないのがこのデッキだと致命的)
全般的に要点を総括して考えると、
・ハンデスや致命的な妨害を弾いたり再生や向こうのテフェリーなどを巡る攻防で非常に有用で
・大体のデッキに対して初動が正念場であり、終盤延々引き直せるこのデッキではトップ後引きの弱さはさほど致命的にならず
・クリーチャーを消せない点ももともとクリーチャーの着地はほぼ関係ない構成で(一部CIP持ち除く)
・これだけの牽制を1マナであることでらせんや獣などのマナのあまりから自然に出来る(2回目以降は実際に構えてなくともなくとも致命的な打消しをケアしてテンポ落としがちになる)
といった点がネクサスというデッキに合致している。
3.サイドボーディング
ここまでは、このデッキの特殊性・主眼について解説してきた。
ここまでだけでも、メインボードについては十分伝わったかと思う。
ここからは実際に運用したサイドの構成と、その運用方法・考え方について振り返る。
バウンス呪文を中心とした非採用であるカード群の非採用理由と、環境に応じた採用可能性などにも触れていく。
また、2日間競技で取り回した反省点や、メインボードを含めた改善案、メタゲームの推移次第で採用候補となっているカードについても記述する。
2《樹上の草食獣》
2《呪文貫き》
1《否認》
1《ナーセットの逆転》
2《覆いを割くものナーセット》
2《楽園の贈り物》
2《押しつぶす梢》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
1《終局の始まり》
1《爆発域》
15枚の内訳はこうなっている。
まず、上述の完全ガイドと異なっている採用カードについて解説する
3-1.《押しつぶす梢》
このカードはエンチャント及び飛行フィニッシャー環境であり、様々なカードに対応できるが、コントロールの相性不利を解消するために抜けることが多いらしい。
しかし、このデッキでは貫きおよびニッサ、また終局の始まりのおかげでコントロールへの耐性は十分確保できているため、同型に厚く取れ、パルンニヴミゼットを落とし、何よりグルール唯一の懸念、燃え殻蔦に後から対処できるカードとして採用されている。
3-2.《終局の始まり》
この呪文は打ち消されない。
青黒含み(エスパー・ディミーア・グリクシスコン、スゥルタイミッド)に対するアンチカード。
漂流自我に対して勝ち筋を他に担保する他に、確実な1:3交換を達成し、単体除去に1枚使わせて能動的なテンポ・カードの消費を要求していく。
生体性軟泥でない理由としては、インスタントなので再生の恩恵を受けられる点が同じでありながら、打ち消されないので確実に1:3交換を達成できる点が一番の相違点となる。
着地後すぐに単体除去を打つパターンを考えると、軟泥だと2/2が1体しか残らないが、終焉は手札が2枚入っている。
完全に余談だが、日曜日にスゥルタイと当たった際、ハンデスで放置されたのちに、プロントドンで殴ってきたためキャストしたところ、軽蔑的な一撃をここに打たれ、驚異の1:5交換が発生した。(2ドロー、6/6軍団、プロントドン、一撃)
返しのターンでネクサスを2回唱えて3回パンチでゲームが終わり、悲しい決着となった。諸兄は気を付けてほしい。
3-3.《楽園の贈り物》
最近は繁茂の絆と入れ替わっていることの多いカードである。
こちらの方でなく楽園の贈り物を採用している理由としては、同じ(実質)2マナアクションなのに対して、楽園の贈り物は自身がランパンの役割を既に達成しているのに対して、繁茂の絆は手札の上質化しかしていないからである。(特に土地を加えるときが顕著である)
このカードらはどちらを採用しても赤単(もしくは同等の本体を削る手段のあるアグロ)にしかサイドインせず、そのマッチアップでこのテンポ差はかなり意味を持つと判断した。
3-4.《覆いを割くものナーセット》
メインボード採用も多いカードだが、何故サイドに収まっているかというと往々にして3マナ青ダブシンが出ないからである。
その意味でのこのデッキとの相性の良さはあまり保証できないが、やはり環境へのメタ性能は折り紙付きである。
肉が少ない青系のデッキに速攻で置くと長く苦しみながら苦悶の表情で死んでいくので、同型・コントロールを考えるとサイドに2枚分の席は置いておいた方がいいだろう。
3-5.実際のサイドボーディング
後日追記予定(あとがき参照)
4.不採用のカード・今後の採用可能性
と言っても、主要なリストから不採用で言及が無いのは後バウンス2種だけである。
正直な話、ちゃんと差し替えて試してい無いというのは確かにある。
しかし、上述の通り主な対処先のテフェリーへの対策はしっかりできており、ビートへの相性の悪さもなく、他のプレイングなどを見てもニッサがいれば事足りる内容に感じているから時間を取って試していないという話でもある。(特に一瞬はダブシン出にくい以上完全に放逐でいい)
また何より枠が無い。すべてのカードがコンボに剥けてきっちり役割を持っているので、こういう半端に時間を稼ぐだけのカードが入る余地が現状無い。
ここから先は君の目で確か見てみろ!
5.メイン・サイドボード改善案
メインボードは
IN獣・爆発域
OUTニッサ勝利・森
これらは過半数のマッチアップでサイドチェンジが基本になっていたので差し替えた。
サイドボードは、メインに2枚入ったので空いた枠に終局の始まりと楽園の贈り物を足した。
ここはまだ要検討なうえ、環境次第で変わるので暫定ということにしておいてほしい。
デッキリスト(インポート用)
6.あとがき
実際に執り行ったサイドボーディングについても書きたいが、時間がかかりそうなので土日目途にチマチマ追記していくことにする。新鮮さにかけるスタン構築のススメほど悲しいものもないのでご了承いただきたい。(5/16未明)
私信:イゼットドレイクに負けたのが悔しすぎてこれのサイド採用を検討している。