【機材レビュー】FOSTEX TM2を愛用して約1年が経過
「FOSTEX TM2」を購入して約一年が経過しました。このnoteでは1年使った上でのレビューを記載しておければと思います。前日談、開封の模様、実際に約1年使った上で感じた優れている点、残念ながら劣っていると感じた点などを具体的にお伝えしますので、もし購入をご検討されている方、購入したいが金額などの条件から躊躇している方にとって、結果的に有益な情報提供となれば誠に幸いです。
FOSTEX TM2 レビュー
前日談
自分は以前よりFitEarのPrivate222を愛用していました。
Private222は過去に一度全損しています。その際の須山補聴器さんのご対応があまりにも素晴らしく、それがキッカケとなり、今でもFitEarを強く気に入り愛用しています。
実はここ数年、移動中の音楽視聴を快適にすべく完全ワイヤレス化を進めていました。最初は中華製の安いパーツを組み合わせて、完全ワイヤレスライフを満喫していました。
しかし細かい使い勝手の悪い点を挙げればきりがなく、「数万円払ってでもなんとかこの不便さを解消する方法はないか」と模索し、その末にTM2を見つけるに至りました。
もともとTM2は2019年冬発売の予定だったようなのですが、それが伸びに伸び、結局5月に入るまでアナウンスがなく、5月に入りようやくアカウンスされ、「ようやく購入できるのか」と思ったことを今でも鮮明に記憶しています。
自分はその前のイベントなどで実機に触り試聴などしていたため、手持ちのFitEarを手軽に完全ワイヤレス化できる機動性に惚れ込み、「これは欲しい...」とすでに考え始めていました。試聴の際にスタッフの方に聞いた価格は3万円前後。率直に機動力だけ求めるのであれば高い買い物ですが、それでも「欲しい」と思ってしまったのだから仕方がありません。
「5月に発売予定」という言葉を信じ、連日eイヤホンさんをチェック。そしてついに31日。予約販売が開始していることを確認します。価格は3万円前後。出勤途中の電車の中でしたが、その場で迷わず注文しました。
その行動が、今でも非常に正しかったように思います。実は各所のECサイトでその日のうちに予約分の在庫が即完売、第2、3弾で入荷数ヶ月待ち状態になってしまったのです。
開封の模様
販売翌日、自宅にTM2が到着しました。早速ダンボールを開け、開封を進めます。
ケースを開けると、標準のイヤホンが装着されたTM2がお出ましです。
標準のイヤホンがついています。まずはこれを取り外し、ここに初回限定付属のFitEar2pinケーブルを取り付けて、FitearPrivate222を装着します。下写真がFitEar2pinケーブルです。
早速標準を取り出して、FitEar2pinケーブル、Private222を取り付け、iPhoneとペアリングし音楽を楽しみます。
AK240もBluetoothによるペアリングが可能ですが、ハイレゾ、DSDは遅延がひどく使い物にならないため、iPhone専用機として割り切り使い始めました。
ディティールについては試聴時にも触れて確認していたのですが、改めて手元にきて、色々と触りながら感じ取るものがあります。今まで使っていたTM2の下位互換のような中華製品と比べはるかに安っぽさがなく、作り込みもしっかりしており、まず目で見て楽しみます。
音についてはどちらかというとどうでもよく、それよりも耳に装着した時の違和感のなさ、ケースの出し入れ具合、充電の手軽さに目が行きます。
ここからは批評になります。優れていると感じた点、劣っていると感じた点について解説していきます。
優れていると感じた点(1)携帯性、驚異の手軽さ
まず、驚異の携帯性、そして手軽さです。TM2を導入したことで有線ケーブルの煩わしさや、中華製の下位互換製品を使わなくて済むようになりました。たとえばボタン1つとっても、中華製品の場合押しにくかったのですが、TM2ではその点非常に使いやすく、操作性に関するストレスは軽減されます。また容器にセットするだけで電源がOFFになり、取り外しただけでONになるといった点もとても便利です。充電がされているかどうかも一目みれば分かる(赤、青でランプ点灯)仕組みも非常に便利です。よく考えられて設計されています。
優れていると感じた点(2)バッテリー持ちの良さ
次に、バッテリーの持ちの良さも素晴らしいものがあります。以前の中華製品ではバッテリーは持って4時間程度でしたが、TM2の場合、満充電状態から長時間使用しても一切問題ありません。体感8時間ぐらいは全然使えるイメージです。この辺りの差は大きいですよね。出社後に充電する必要性もないため、とても重宝しています。
劣っていると感じた点(1)時たま起こる不具合
全体的に満足しており、数自体も劣っている点は非常に少ないのですが、時たま起こる不具合は非常に不満です。片側だけある時突然聞こえなくなったりします。強制リセットをするにもケースが必要なので、ケースがない出先でその状態になると使い物になりません。
リセットコマンドも複雑なので、もし片側だけ聞こえなくなったら両耳取り外し、ケースに入れてしまい一旦電源を切るのが一番良いように思います。今後アップデートなどで修正可能であれば修正されると有り難いです。
せっかくのアイテムでも、使いたいときに使えなくては使用者の不満は募ります。正直使っていて、とても惜しいな...と思います。
劣っていると感じた点(2)アプリ、充電ケースの使い勝手の悪さ
割とつい最近になりアプリがリリースされたのですが、本体アップデートに使う以外に何に使うアプリなのか、いまいちメリットを理解できません。外音の取り込みなどもできるようなのですが、正直ただの音楽鑑賞に使う分にはあまり存在意味を見いだせていません。
またUSB端子が非常に不便です。手元が暗いと刺し間違えます。自分は下記マグネットタイプの変換を取り付けて使用しています。充電ケーブルを刺すのに数秒も使うなんで阿呆らしすぎます。
また充電ケース自体にバッテリー機能はなく、屋外では本体を充電するためには別途モバイルバッテリーが必要になります。この点がちょっと不便だなーっと。もうちょっとなんとかなればいいのですが、現状こちらの問題点は放置したまま使用しています。(前述通りバッテリー持ちはとても良いので)
最後に
前述通り、全体的に使用感も良く満足しています。また現在では在庫も潤沢にあるようなので、もし気になれば手軽に購入することも可能です。
正直価格に対して機能性は限られているため、出費が見合わないという方も多いのではないかと思います。ただし自分のようにIEMなどを完全ワイヤレス化して使いたいニーズの方にはたまらない逸品だと思います。
一点、IEMによっては充電ケースが閉まらないといった不具合があるようです。
前述した通り、充電面で不便なところもありますが一部自身でアレンジ可能な部分もあるため、うまく折り合いをつけて今後も自分は付き合っていければと考えています。