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「〇〇が難しい」は思考停止の合図?先生に呆れられない質問をする方法を考える【臨床実習】
「〇〇が難しい」って言ってる人は「難しい or 難しくない」というレベルで考えている、ということになる。ここが1つの分かれ道だと思うのです。
そこから
「難しいからいいや」
となるか
「難しいけどなんでそう思うんだろう」
となるかで、その人の中での〇〇の解像度が大きく変わるのだと思います。
こんにちは、ジョンです。
臨床実習では、国家試験度外視ガイドライン必須medu4も涙目、な症例にバンバン出会うんですよね。いやぁ流石臨床現場、という感じ。
勉強のしがいがある、というものですね。
そんな環境で絶対に向かい合う必要がある「自分の知らないこと」
皆さんはどうやって対処していますか?
「まぁコレは国家試験に出ないからいいや」
「学生レベルでは難しすぎるでしょ」
「自分は〇〇科に進むわけではないし」
と、なんとか自分を言いくるめている方も多いのではないでしょうか。
私自身、病棟実習で知らない疾患、聞いたことも無い治療方法に出会ってそんな風に考えていた時期もあったのですが、とあることに気がつきます。
それが冒頭にもある
「あれ?”〇〇難しい”って言い切っちゃったら、そこで思考停止じゃね?」
ということでした。私は物事に「解像度」という表現を充てることが好きなのでその表現を使うと
「難しい or Not という解像度で止まってしまっているのではないか??」
ということに気が付きました。
解像度を上げたい、そんな時、どうすれば良いのだろうか。
今日はそんなお話です。
では、見ていきましょう😎
「〇〇むずい」から成長する方法; 疑問をぶつける
![](https://assets.st-note.com/img/1643801006707-nG6yaafrfW.jpg?width=1200)
例えば「抗菌薬むずい」と言った場合を考えてみましょう。
「難しいから良いや」で終わると、成長もクソもない。
”K O U K I N Y A K U M U Z U I”
というタイピング練習にはなるけど、それ以外に学習するポイントが1つも見つけられない。
ここで、何が難しいのか?を考えます。
例えば
「黄色ブドウ球菌のくせにペニシリンじゃなくて変なヤツ(名前知らない)使うの意味わからない」
「薬の名前多すぎるし、微生物の名前多すぎてなぜ勉強したら良いのかわからない」
という疑問点を出してみたとしましょう。
「抗菌薬むじゅい」から進化しています。これぞまさに「思考」ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1643800901410-sf9m55f9Xb.jpg?width=1200)
先述のように疑問点を出してみると、学習ポイントは異なるものの、それぞれの解像度が上がりました。
前者であればこうなります。
「ほなペニシリン投与してみよか?な、効かへんやろ。
実は黄色ブドウ球菌、グラム染色したときに陽性球菌で、ぶどうの房みたいなのは変わらんねんけどな、ペニシリンを壊して分解してしまう酵素を作り出す菌が生まれてしまったのよ。
そんな菌には、ペニシリンはもう効かないの。
これを耐性菌、って言うんやで(→ここで誕生した新しい抗菌薬がメチシリン、である)(今はそのメチシリンにすら耐性を持つ黄色ブドウ球菌が登場している)」
後者であれば、こうなる。
「あんな、感染症を治療する上で重要なことが3つあるねん。
1つ、感染臓器はどこか。
1つ、原因微生物は何か。
1つ、重症度は何か(これの代わりに感染部位が挙がることもある)。
この3つを合わせて、感染症三角形、とか呼んだりするんや。
つまり、原因微生物を同定することは、感染症の治療に際してめちゃめちゃ重要なんよ。
抗菌薬はすごく繊細だから、コレ!って決まったら強いんやけど、そうじゃなかったら効果もイマイチなんよ。
薬の名前、細菌の名前を覚えなくちゃいけない理由は、そういうこと。
例えば大学のセンセイに「これ、サトウくんに渡しておいて」って頼み事をされたとするやんか。
そのときに「カトウ」くんに渡しても、良いことないやろ。
細菌の名前を覚えておかないと、間違った名前の菌に抗菌薬を投与してしまう。でも、そんなことしても効かないんや。
焦らずに先ずは細菌から、覚えていこうや。」
言うは易く行うは難し。さぁ、疑問点を見つけてみよう👊
聞いたら「なーんだそんなこと」って感じがする。
でも、自分で1からこの話が出来るかというと、それは出来ない。
そこに、自分の「理解していない」ポイントがあるのでは無いかな、と思うのです。
その瞬間を逃さずに本を読む、先生に聞く、という作業をすることで、理解が深まっていくのです。勉強はそれの繰り返し。たぶん。
図書館のすゝめ: 「とりあえず借りてみる」マインドは良いぞ、という話
![](https://assets.st-note.com/img/1643801194848-QOIT8mPGV4.jpg?width=1200)
さて、本日私がいただく本は、岩田健太郎先生の「抗菌薬の考え方、使い方Ver.3」です。
実習を回る中で「感染症カンファレンス」というものに参加して、抗菌薬について勉強しなきゃな、と思い図書館で借りてきました。
全部読み通してやる!みたいなマインドはハードルだけ上がってしまうので自分は採用しません。
その代わり、「何が知りたい?」をあらかたリストアップしてから、読むことにしました。カンファレンスに参加して、自分はどこに対して「難しい」と感じた?と疑問を投げかけて、それを紙に書き出すのです。
バイオアベイラビリティが高いと何が良いの?
黄色ブドウ球菌、MRSA, MSSA, ややこしすぎる。なんでペニシリン使えないねん(解決済み☑)
胆汁排泄性の薬物(例えばミノサイクリン)は尿路感染症に使えないのか?(腎排泄性ならばその過程で尿路を通過するので、効果がある?なんて)
抗菌薬の三角形、三つ組みたいなヤツなんだっけ‥(解決済み☑)
今回は、以上の4つについて考えを深めてみよう、と思い本を手に取ります。
もちろん通読したほうが「体系的」な知識が手に入るだろう、ということは百も承知です。
ただ、ハードルを上げてしまったが為に「読み始める」ことが出来なければ、その本を読む重要性(この本、すげぇ便利、感)を抱けていなけば、読むことさえ始められませんからね。
まとめ
今日のアウトプットはここまで。まとめると、
「〇〇むずい」から脱却せよ。〇〇のどこについて難しいと感じているのか、そこを考えよう。
感染症の治療を行う際に重要な3つの要素。それは「病原体」「抗菌薬」「重症度(もしくは感染部位)」である。
です。
因みに今回のテーマである「疑問をぶつける」という話は、臨床実習以外にも応用できます。
大学の授業を面白く聞くためには?という記事もあるので、そちらもよかったら読んでみてください。
→「大学の授業を面白くするマインドセット」について
では。