成功する人ほどよく寝ている
書名;成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣
作者;前野博
出版社: 講談社
ASIN: B08F9BW74T
この本では睡眠科学の観点から、長時間睡眠をとることについての有用性と睡眠効率を高める食生活について論じている。
睡眠効率とは、ひらたくいうと、よく寝た感覚のことだ。睡眠効率が低いと集中力が低下し日中においても眠気を感じるようになる。
生活習慣と一口にいっても、それらはバラバラに語られることが多く、それぞれが相互作用していると考える人は少ないのではないだろうか。とくに、日本人は高等学校や大学ににて厳密に分類された分野の勉強をしているせいか物事を関連づけることが苦手なように思える。
この本では睡眠と食生活を関連づけ、食生活を改善することで日々の睡眠を改善し、日中でのパフォーマンスを高めることをすすめている。
以下の項目は食生活に関する質問である。
おにぎりや菓子パン、麵類だけで食事をすませてしまうことがある
食後に胃がもたれやすく、胃薬をよく飲む
昼食後や夕方に眠くなる
飲酒量が多い
甘いお菓子やせんべい、スナック菓子をよく食べる
カフェイン飲料を飲まないと体が目覚めない
以上は睡眠とは一見関係なさそうな項目だが、この本では睡眠に大きく関係しているという。自分は、一理あるなと思う。消化器官に負荷をかけすぎる食生活だと、寝ている間も消化器官を働かせる必要があり、睡眠効率がさがるのだ。お酒を飲みすぎた日の翌日はずっと頭がぼおっとして集中力が下がり、仕事でミスを連発した経験は自分にもある。
いうまでもなく、日中の生活にて最高のパフォーマンスをだすことが理想とされている。現代の食生活がどれほど乱れ、それによる睡眠障害がおこっているかはこの本に書かれている通りだ。良質な栄養素を満遍なく摂取することで適切に消化器官が休まり、睡眠効率がよくなる。
自分がこの本を読み印象に残ったところは、タンパク質を適切に摂取するというところだ。一時期タンパク質を全くとらなくなったとき、髪や肌がボロボロになり風邪をひきやすくなった。最近は忙しくてあまり摂取できていなかったため身につまされる思いがした。
日本人は昔、とくに江戸時代、活動的でどれだけ働いても滅多に疲れない身体をもっていた。当時は適切な食生活をおくることで睡眠においてもあまり問題はなかっただろう。食生活の西洋化がすすんだことで睡眠障害がおこるようになり、近年のスマホの普及でますます我々の睡眠薬は脅かされている。スマホを手放すことはできないが、せめて食生活の改善やスマホと接する時間を短くすることで睡眠をよくしたいものだ。