私からの一言

人には1つか2つ、逃げに逃げられない状況に遭遇
します。
1度入れば2度と戻れぬ。受験、保険加入、結婚生活、
闇金…
私の場合は1つ2つではなく、全部です。
私の場合は1度入ったら最後、後戻りは即死を意味
します。
1度でも罪を犯せば、後戻りができない。
どんなに軽い罪であっても。

職員「あのう…何をしているんですか？大丈夫ですか？」
みんなが見ている。この私の勇姿を今日本中が注目
している。こんな快感、2度とない。

「東京タワーの鉄骨を長時間ぶら下がる男。
　落ちれば即死！」
「なぜこうなった？白い服に黒いズボンを穿いた
　中年の男。目的および原因不明」

私の死なんてどうでもいいことです。
孤独に生き孤独に死す。私のお似合いな状況です。
ただ今回違うのは今、約1億8000万人がこの私に
視線を注いでいること。

それじゃ、さよなら！！

リポーター「男が落ちました！助からない！」

消防団員「男を探せ！　え？」
何ですか？
消防団員「今、落ちましたよね…?」
はい。大学に。そしてカードの審査に。
消防団員「いやいや大丈夫ですか？生きてますよね」
そりゃあ生きますよ！何言ってるんですか？(笑)

アナウンサー「えー、今どういう状況で我々は
ご覧になっているか知りませんがおよそ200mから
落ちたにも関わらずなぜか無傷で助かった。
というニュースでした」