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イバラの再生 もうひとりの自分2 第二話
私はこのごろ妙な夢に悩まされている。
今の時期冬真っ只中だというのに夢の中では真夏である。蝉たちが勢いよくミンミンと鳴いていて日差しが強烈に私に襲い掛かる。
にも関わらずまったく暑くない。汗もかかない。かといって心地よいでもない。むしろ気持ち悪い。
どこかの田舎だろうか?木は生い茂り人どころか建物の
一軒も存在しない。
私の目の前を何匹かのキツネが横切る。
キツネ?
キツネはイメージとして冬に雪の上を駆け巡るとしか
思い浮かばない。夏はどうしているか知らないが。
私はそこで目覚めた。
私は血の繋がらない家族の下で住んでいる。
家ではなく家の横にある大きな倉庫である。
しかし窓があり、電気設備もあることから意外と
倉庫にしては居住能力はある。
だがなぜ私はこの田中家にお世話になっているか
わからない。昔の記憶がどうも思い出せない。
あの「真夏のキツネ」とそう呼んでいる夢は新年の
初夢以降11回は見る。
しかも同じ光景と状況でキツネが私のほうへ
振り向いた瞬間に目を醒める。
おそらくたった5分間の夢にも関わらず目を醒めた
ときには朝8時になっていた。夜はいつ寝たか
知らないが。多分23時以降だろう。
第二話おわり。