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イバラの再生 もうひとりの自分2 第一話

私は今日もこんな寒い日なのに誰もいない公園のベンチ
に座って前を見つめていた。

私の名前は田中博幸…としている。
それはなぜか?

私の人生に今まで訳あって自分から「こうしよう」とか
「あれしよう」と実行したことがなく、周りからあれや
これやと促されて生きてきたのだ。

だがなぜ私はこうも動かないんだ。なぜ優柔不断なのだ?
私は言ったはずだ。「訳あって」と。

私がこんなに話しても理解できないのも無理はない。
私でも人生で理解できた光景なんぞ見たことがない。
毎日が初経験ばかりだ。
当たり前にあることなんて本当に存在しているのか?

しかしいつまでもじっと動かないわけにはいかない。
年を取っても人は生まれ変わる。
だがその人生の再生は楽ではない。

第一話おわり

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