西欧諸国(G7)の幻想と日本の未来
ウクライナ戦争が始まるまでは、言論の自由などの基本的人権が保障されるG7の国々の影響力がとても大きく、その社会の価値観がある意味世界的に見てマジョリティなのだと思っていました。ですから、私は何となく安心感に似た感覚を持っていました。
しかしながら、国連総会でのロシアの軍事侵攻非難決議の反対並びに棄権国の多さや、G7を中心とした西欧諸国のロシアへの経済制裁の効果の薄さなどから、西欧諸国の影響力は限定的で、その社会における民主的な価値観は、世界全体ではマイノリティーなものなのかもしれない、と考える様になりました。
経済成長著しかったブリックス諸国や現代におけるグローバルサウスの国々の影響力の大きさがこれ程までに大きくなっているとの感覚を私は持っていなかったのです。
それこそ30年ほど前はG7を合わせたGDPの総額は全世界のGDPの60%ほどであったが今では20%ほどにまでその割合は減少しているようです。
その上、アメリカ(勿論、アメリカばかりではありませんが…)の行ってきた外交政策(内政もですが…)の様々な矛盾(今回のロシアの侵略とイスラエルの軍事行動におけるダブルスタンダードはそれを顕著にあらわしています。)や自分勝手さ…が露呈し、今後その影響力はますます低下することが必至の様相です。
更に、G7を中心とした西欧諸国からのウクライナへの軍事支援が滞っり減額されたりしてウクライナが実質的に戦争に負けた時には、西欧諸国の影響力は更に低下することは避けられない様に思います。
戦争後は、ロシアや中国などからの圧力により、NATO諸国やアメリカの軍事費は今まで以上に必要になり、また、世界中からアメリカが信頼に値する国ではないとのイメージが広がることになる様に感じます。その結果、自国で核ミサイルを持とうという動きも出てきて、核の拡散も始まるかもしれませし、世界の主導権は中国やロシアそしてインドなどが担う事なるかもしれません。
同時に、西欧諸国と同じような価値観を持ちアメリカの核の傘などに守られてきた日本の立ち位置と、世界の国々との関係性の在り方も、見直さざるをえなくなることでしょう。(今がベストだと言っているのではありませんが…)そして、その方向性を決定することはとても難しいと思うのです。
今回の戦争がなくても、相変わらず、地下資源が乏しく食糧自給率も低い日本は、そして、今でもエネルギー供給を火力発電と原発に大きく依存する日本は、社会の仕組みを大きく変えることは急務なはずです。そこに、外交関係の見直しという新たな方程式が加わるのですから、先見の明のある救世主が必要なのかもしれません。
リーマンショック以来、賃金や労働生産性を高めることができなかった日本。
日本の未来を担う若者の人口が減り、リーダーシップを発揮すべき政治家は、相変わらず政治資金の問題で信頼できません。
私自身も誰かの力に頼るだけの発想を改めなければならないのかもしれません。
どうすべきか、ない知恵を絞り考ええてみたいと思います。