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本が道に落ちていた

あさ道を歩いていたら、つかこうへいの幕末純情伝という本が落ちていたのだった。道に。道に文庫本がぺたんと。つかこうへい嫌いじゃないし、幕末純情伝は映画があったことくらいしか知らないけれど、何となく印象だけはあって、あぁつかこうへいの幕末純情伝の文庫本が落ちているなぁと思いながら素通りしたけれど、少し気になり一旦戻ってじっと見下ろす時間があった。拾いはしない。拾いはしないが、裏表紙のあらすじが読みたい。

しかしあらすじを読みたいがためだけに道に落ちている(ぺたんと)つかこうへいの幕末純情伝を拾い上げるというほどの気も時間もなかったので一度は戻ってきたものの、さぁそろそろ行こうと踵を返しやや後ろ髪をつかこうへいに引かれ、えいやで振り切って歩みを進めながらサイトでレビューなどを読み、マーケットプレイスで古本の幕末純情伝を道で買った。買ったんかい!となった。自分で自分に。自分のスマホで自分の意志で、ぺたんと落ちていたつかこうへいの幕末純情伝を買ったのだ。さぁ読もうじゃないか。道に落ちていなければ出会うこともなかった女沖田総司に。

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