バスケのコートに背広で現れる
皆さん聞いてください。東京体育館のアリーナ席でこれを書いています。高校バスケの試合開始前、絶妙に空白の時間がやってきました。隙間としか言えない隙間時間。女子決勝戦が終わり、表彰式も終わり、これから男子準決勝が始まる前の、隙間です。
しかし女子の表彰式を見ていて思いましたが、トロフィーやら目録やらを渡すために現れるスポンサー様各位の方々は全員おじさん。嘘だろってくらい次から次へとあらゆるタイプのおじさんが出てきて、さながらおじさん図鑑。細身、肥満、若作り。面白い。私は果たしてどの類型に入るのかと思いながら、表彰式で嬉しそうな若者を見ると同時におじさん図鑑を楽しんだ。世の中おじさんしかいないのだろうか。バスケコートにスーツで現れるおじさんたち。それを奇妙なことだと思わなくなってこそ立派なおじさんなのだ。普通来ないですからね背広で。鼠色の背広で。鼠の格好で。それなりの馴染む衣装があるってことを忘れてしまうのだ。背広こそすべての礼儀を内包する最強の衣服になっている。違う。少なくとも高校生が命懸けで練習してきた成果を披露する場に鼠はないだろう。みんなジャージを着ようじゃないか。鼠色が好きなら鼠色のジャージでいい。スーツではなく。たまにはどうですか背広組からジャージ組になるのもいいと思います。
と、書いたり書かなかったりしている間に男子準決勝が始まってしまったのでこのへんで。私はスポンサーでも何でもないけどジャージです。コーチかよ。