見出し画像

JOG(1401) ジェイソン・モーガン氏はなぜ靖国神社で頭(こうべ)を垂れるのか?

 靖国の英霊が戦った欧米植民地主義も、モーガン氏が戦っている文化マルクス主義も、根っこは同じ、人類を蝕む「がん細胞」。


■転送歓迎■ R06.12.22 ■ 77,218 Copies ■ 8,795,540Views■
過去号閲覧: https://note.com/jog_jp/n/ndeec0de23251
無料メール受信: https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=172776

__________
■■■弊誌1400号到達 記念プレゼント■■■

 日頃の弊誌ご受講を感謝し、拙著『大御宝 日本史を貫く建国の理念』の感想をAmazonに読者レビューとして投稿いただける方10名様に、贈呈します。本書の概要は以下に紹介しています。

マガジン「伊勢雅臣『大御宝日本史を貫く建国の理念』」
https://note.com/jog_jp/m/mb0161577d62c

 応募は  ise.masaomi@gmail.com までメールで、以下の項目について、お知らせ下さい。当選の発表はメールでお知らせします。

・ご氏名(仮名可。Amazonの読者レビュー投稿の際に使われるお名前)
・年齢、職業
・『大御宝 日本史を貫く建国の理念』で、特にどんな点に興味があるか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■1.「私は、この(靖国の)英霊と肩を並べて、これからずっと戦いたいと思います」

伊勢: 花子ちゃん、ジェイソン・モーガンというアメリカ人の『私はなぜ靖国神社で頭を垂れるのか』はもう読んだかな?

花子: いえ、まだです。私も毎朝、高校への通学で靖国神社の前を通る際に一礼だけはしているので、早く読まなくては、と思っていたのですけど。

伊勢: この本の発端は、モーガンさんが、令和元年の8月15日に靖国神社の境内で開催された「靖國の心を未来へ ~ 感謝の心をつなぐ青年フォーラム」での10分くらいのスピーチから始まったと、「まえがき」で書いてあるね。

 そのYouTube動画は157万回も再生され、3.9万件も「いいね」がついている。そのスピーチをモーガンさんは、こんなふうに結んでいる。
__________
皆様、私はアメリカ人の一人だけですけども、ここで誓いをさせていただきます。 私は、この(靖国の)英霊と肩を並べて、これからずっと戦いたいと思います。 よろしくお願いいたします。(会場は大拍手)[モーガン]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

花子: えー!。モーガンさんは英霊とともに、いったい誰と戦おうとしているのですか?

伊勢: もっともな質問だね。わずか10分のスピーチで、もっと話を聞きたいという視聴者も多かったようで、そんな声に応えるために、この本が書かれたらしい。

■2.『レイプ・オブ・南京』で騙されていたことに気がつく

伊勢: まずはモーガンさんの生い立ちから紹介していこう。モーガンさんは、1977(昭和52)年、南部のルイジアナ州生まれ。この州の最大の都市が、フランス植民地時代の美しい街並みで有名なニューオ-リンズだ。それから、これまた南部のテネシー大学チャタヌーガ校で歴史学を専攻し、その後、来日して名古屋外国語大学、名古屋大学大学院で学んだ。

 日本語で日本史を学んだというから、それは大変だったろう。モーガンさんは、日本史を学ぶことで、今までアメリカで教わってきた「アメリカ神話」が打ち砕かれた、と言っている。この「アメリカ神話」とは、「アメリカは第一次大戦と第二次大戦と、二度にわたって世界を救った素晴らしい国である」というものだった。

 それが嘘だと気がついたのは、名古屋大学に在学中、アイリス・チャンの『レイプ・オブ・南京』を読んだときだという。『国際派日本人養成講座』でも紹介したことがあるけど[JOG(60)]、いわゆる「南京大虐殺」の残虐な記述ばかりで、はじめは「日本に対して非常に批判的な気持ちになった」と言う。しかし、同時に「自分は騙されているのでは」という疑念が消えなかったそうだ、
__________
 そして皮肉なことに、『レイプ・オブ・南京』を読んだことが、いわゆる「レイプ・オブ・ナンキン(南京での強姦)が事実ではないのではないか」という本格的な疑いを持つきっかけになりました。
後に、研究としてこの『レイプ・オブ・南京』を批判し、嘘をあばき、訂正する出版物や記事などをたくさん読んだことで、今度は逆に私を騙していたアイリス・チャンと、彼女を支援していた連中に対する怒りが湧いてきました。[モーガン、p36]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

花子: 『レイプ・オブ・南京』では「少なくとも、100人の男が、目をえぐり出され、耳と鼻をそがれてから、火炙りにされた」などと、見てきたような記述があって、まるでホラー映画ですね。昔の純朴な日本人がこんな残虐なマネをするはずがない、と私も思っていました。

■3.祖父は日本兵を「敵ながら天晴れ」と言っていました

伊勢: 2010年、モーガンさんはアメリカに戻って、2011年の秋学期からウイスコンシン州立大学の大学院に入り、日本史を研究して、博士号の取得を目指した。そこで目にしたのは、アメリカの学会の腐敗しきった現実だったという。

__________
一晩で10万人もの犠牲を出した1945年3月10日の東京大空襲、そして8月6日の広島、8月9日の長崎という2度にわたる人類史上例のない原爆投下などをみてもわかるように、日本軍の施設や兵士ではなく、子どもや老人を含む非武装の一般市民が大量に虐殺されました。
これは戦争行為ではなく、国際法上紛れもない戦争犯罪なわけですが、アメリカのリベラルたちは、これを一切黙認しました。もちろん、口では「やってはいけないことだ」と、無差別空襲や原爆投下などを否定するものの、戦後の日本を考えると、「まぁ、仕方のないことだった」と言う始末でした。[モーガン、p44]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 その一方で、モーガンさんには幼い時に祖父から聞いた話が記憶にあった。
__________
父方の祖父は、米国海軍の兵隊として航空母艦に乗り、特攻を目撃した体験も幼い私に語ってくれました。ですが、一度も日本兵のことを悪く言うことはありませんでした。
 アメリカの愛国者であった祖父は、日本の若い兵隊が何のために命を懸けているのかを肌で感じ取っていたからでしょう。「敵ながら天晴れ」と、いつも言っていました。[モーガン、p2]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 この祖父や日本の英霊たちが互いの祖国のために死力を尽くして戦い、かつ「敵ながら天晴れ」と敬意を示し合う世界を知っている。その世界から見ると、「子どもや老人を含む非武装の一般市民」を大量に虐殺しながら、『レイプ・オブ・南京』のような嘘で自分たちの「神話」を世界に広めようとする世界は、「どうもおかしい」とモーガンさんは考えるようになった。

■4.「アメリカのリベラルが唱えている巨大な嘘と偽善を覆す論戦を挑む」

伊勢: そして、モーガンさんは祖父の語る世界を守るために、自分たちの「神話」を世界に広めようとする勢力と戦うようになった。

__________
 しかし、私はアメリカのリベラルの卑怯で陰湿な手口や、自分たちとは立場の異なる意見をすべて敵視し、攻撃するのを日々観察している間に、かつて「この酷い連中」と戦っていた存在があったことに気づきました。日本の英霊です。
リベラルが他者に押し付けようとするイデオロギーに対して抵抗していた日本の兵士たちは、私にとっては敵などではなく、むしろ親しい仲間なのではないか、と考えるようになりました。
 変に聞こえるかも知れませんが、私は、一世紀近くも前の英霊をお手本にして、アメリカの歴史学会で、アメリカのリベラルが唱えている巨大な嘘と偽善を覆す論戦を挑むようになりました。[モーガン、p46]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 たとえば、ウィスコンシン州立大学大学院のゼミでのこと。
__________
 私が、そのゼミで、アメリカのリベラルが意識的に行った歴史的事実を批判し、日本のほうが正しかった、と発言した時のことです。典型的なアメリカの大学教授で、リベラルの権化のようなそのゼミの教授の表情が、突然、非常に厳しいものに変わりました。真っ青になったのです。
 自分の耳で聞いたことが信じられないかのような、そして私に対して心の中で燃え上がっている怒りの炎を見せまいと、必死に努力しているかのような表情でした。・・・大学院では、このようなことを繰り返し何度も経験しました。
 ・・・こうした経験を経て、私はアメリカのリベラルが作りあげてきたフェイク・ヒストリーを根本から疑うようになりました[モーガン、p47]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■5.「日本のほうが正しかった」

花子: 「日本のほうが正しかった」というのは、具体的にはどんなことなのですか?

伊勢: それはモーガンさんも引用している、イギリスの歴史家アーノルド・トインビーの次の言葉が示している。
__________
 日本はアジアにおける西洋の植民地主義にきっぱりと終止符を打った。
 第二次世界大戦では、日本人は偉大な歴史を残した。自国のためではなく、この戦争によって利益を得た(JOG注: 戦後、独立を果たしたアジアの)国々のためである。それらの国々は、日本が掲げた短命の大義であった大東亜共栄圏に含まれた国々である。
 日本人が歴史に残した最大の功績は、世界を支配した欧米人が『不敗の神々』ではないことを示すことに成功したことである。[モーガン、p176]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 欧米人が「不敗の神々」だというのは、人種差別主義だね。西洋の植民地主義と人種差別主義は、非白人は劣った人種であり、優れた白人が文明に向けて支配・指導するのが、「白人の責務」だというイデオロギーだった。それこそが英霊たちが戦った敵だった。

■6.世界を分断し、相手を悪とする闘争的イデオロギー

花子: 日本の英霊は西洋の植民地主義と戦い、モーガンさんは「アメリカのリベラルが唱えている巨大な嘘と偽善」と戦ったというのですが、この二つの敵は別々のものではないのですか?

伊勢: そこが歴史家としてのモーガンさんの真骨頂だと私は思う。これは私見だけど、西洋の植民地主義とは、世界を白人と非白人の二つに分断して、白人は遅れた非白人を支配し、文明を教えてやる事を「白人の責務」と主張した。と言いながら、実際にやった事は、植民地搾取と人種差別だった。

 現代アメリカのリベラルは、米国民を人権意識を持った進歩派と、いまだに人種差別、女性差別、LGBT差別を行う保守派に分断し、進歩派が遅れた社会を導かねばならない、と主張する。と言いながら、実際にやっているのは、「文化マルクス主義」で、フェイク・ヒストリーで学生を騙したり、保守主義者を攻撃する事だ。[JOGマガジン]

 どちらも、世界を敵と味方に二分し、自分たちが絶対に正しく、敵は悪で、滅ぼすべき存在、という闘争的イデオロギーに基づいている。そのイデオロギーでは、日本の英霊は「白人支配に挑戦した悪」であり、またモーガンさんは「リベラル教授の教えに反抗する悪」というわけだ。さらに、モーガンさんの生まれ育った南部も「奴隷制を長く続けてきた悪」とされている。

花子: かつての植民地主義も、今の文化マルクス主義も、闘争的イデオロギーとしては同じ根っこを持っているのですね。

■7.靖国神社で頭を垂れている時、聞こえてくる英霊たちの声

伊勢: こういう闘争的イデオロギーは、植民地主義や現代のリベラリズムだけではない。その代表選手はマルクス主義だろう。世界を搾取する資本家階級と、搾取される労働者階級に分断し、労働者階級が団結して、資本家階級を打倒すべきと訴えた。

伊勢: モーガンさんもこう書いている。
__________
 マルクス主義は、階級闘争を煽り、人間の中に存在する怒り、憎しみ、妬みのようなネガティブな感情を使うことで、社会そのものを破壊する道具であるとも言えます。[モーガン、p58]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 闘争的イデオロギーは敵への怒り、憎しみを燃え立たせるので、その闘争においては、相手を人間扱いせずに、撃滅すべき敵としか見ない。

花子: だから、ソ連でも中国でも、「労働者階級の敵」を何千万人という単位で殺戮しているんですね。そして大東亜戦争でも、東京大空襲で一晩で、10万人も一般人を殺戮したり、広島や長崎で原爆を落としたりしているのですね。

伊勢: 私は、闘争的イデオロギーとは、人体内の「がん」細胞みたいなものだと考えている。がん細胞は正常な細胞を攻撃して、周囲の器官に自己増殖を図る。放っておいたら、人体全体にがん細胞が増殖して、死を招く。

 本来の健康な人体とは、それぞれの無数の細胞が協調してさまざまな器官を構成し、それらの器官が力を合わせている。大東亜戦争の英霊たちは、アジアを蝕んでいる植民地主義と闘って、健康な人体を回復しようとしたと言える。モーガンさんはその動機をこう語っている。
__________
東アジア、東南アジア、そして太平洋の国々はひとつの共同体であり、欧米列強の植民地支配から独立し、大東亜共栄宣言にあるように『相互協力・独立尊重』して、大東亜共栄園という国家連合において、幸せに暮らしてほしい、と強くて美しい理念を掲げていたことが、それを物語っています。[モーガン、p181]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 このように健康な人体を維持するために、自己増殖するがん細胞と戦うのが、免疫細胞の役割なんだ。

花子: とすると、かつての植民地主義というがん細胞と戦った免疫細胞が大東亜戦争の英霊であり、現在のリベラリズムというがん細胞と戦っているのが、モーガンさんという免疫細胞なのですね。

伊勢: その通りだと思う。そして、文化マルクス主義というがん細胞は、現在の日本を、自虐史観教育、夫婦別姓、LGBTなどで蝕んでいる。我々も英霊やモーガンさんと肩を並べて、免疫細胞として戦わなければならないんだ。モーガンさんの「まえがき」の冒頭の言葉を、我々自身の心で受けとめなければならない。
__________
 私は、靖国神社に参拝して静かに頭を垂れている時、いつもそこに祀られている英霊たちの声が聞こえてくるような気がします。

「私たちの命は失われたとしても、魂はこうして永遠に存在します。けれど、今のあなたたちはどうですか? ・・・
 私たちが、ワシントンやソ連という20世紀最大の悪魔と戦ったのは、憎悪のためではありません。私たちは、家族のため、日本のため、アジアのため、そして人間という存在を守るために戦ったのです。あなた方は、今、どう生きていますか?」[モーガン、p2]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(文責 伊勢雅臣)

■おたより

■私も微力ながら手伝っていこうとの想い(なおし家角谷さん)

今回も長文の感動的な内容ありがとうございました。心に染みました。その人、その人が生まれた使命を果たして世界が良くなっていく。そして、英霊たちが命をかけてなそうとしていた事があったこと、私も微力ながら手伝っていこうとの想いを新たにできました。

■伊勢雅臣より

 先人の志を受け継いで、自分も自分の時代と社会の中で、自らの一隅を照らす生き方が大切ですね。

■リンク■

・JOGマガジン「日本人の良識で文化マルクス主義から社会と家庭を守ろう」
https://note.com/jog_jp/m/m5bc097bd75f9
JOG(1389)マルクス主義流の内部分断戦術に冒(おか)されたアメリカ/JOG(1376)文化マルクス主義から社会を守る、など。

・JOG(60)南京事件の影に潜む中国の外交戦術
 中国系米人の書いたベストセラー"TheRapeofNanking"は日米同盟への楔。
https://note.com/jog_jp/n/nea9c0f843c70

■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

・モーガン、ジェイソン「靖国神社でアメリカ人歴史学者が日本軍を絶賛!感動の演説!ジェイソンモーガン(麗澤大学 准教授)」★★★
https://youtu.be/cgmHY3pOXns

 読者からのご意見をお待ちします。本号の内容に関係なくとも結構です。本誌への返信、ise.masaomi@gmail.com へのメール、あるいは以下のブログのコメント欄に記入ください。
http://blog.jog-net.jp/


いいなと思ったら応援しよう!