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オーストラリア ワーホリ  #20 無人”棟”生活

満足のいく2連休を過ごし、明日からまた仕事を頑張ろうと早めに寝ようとしていたとき、オーナーから電話がかかってきた。「明日からレストランじゃなくて、モーテルでクリーナーの仕事をしてほしい」と言うのだ。

僕は個人的にコミュニケーションスキルを鍛えたくて接客業を選んだのに、クリーナーの仕事を任されるなんて納得がいかない。「だったら最初からクリーナーの仕事を募集しろよ」と心の中で思いながら、「いやだ。俺はレストランで働きたい」と伝えた。しかし、オーナーは「私がボスだ」の一点張り。

このまま拒否してクビになるのも嫌だったので、仕方なく承諾した。するとオーナーは続けてこう言った。「あと、明日から2週間シンガポールに旅行に行くから、犬の世話もお願いね。」

「犬の世話?ペットホテルに預けたらどうですか?」と伝えたものの、オーナーはまたもや「私がボスだ。言われたことをやれ」と譲らない。あまりの自己中心的な態度に、ただただあきれてしまった。


モーテルでの一日

クリーナー兼犬のお世話係としての仕事は、朝9時から始まる。まずオーナーの家に行き、犬を庭に連れ出してトイレを済ませ、その後少し遊ばせる。家に戻ったらドッグフードと水を補充し、朝の犬のお世話は終了。

続いて、モーテルのクリーニング作業に取りかかる。使用済みのシーツやタオルを洗濯し、シャワールームやトイレ、床を掃除する。さらに、庭の手入れも行う。これらを午後1時までに終わらせなければならない。モーテルの至るところに監視カメラが設置されており、サボっていると即座にオーナーから電話がかかってくる。午前の作業が終わると1時間の昼休憩に入る。(1日3食の賄いはレストランのスタッフが、モーテルの冷蔵庫にひっそりと置いていく仕組みだ。)

午後は、モーテルの入り口にあるテーブルでレセプション業務を行う。
とはいえ、宿泊客のほとんどは夜遅くに到着して朝早く出発するため、この時間帯に来客はほぼない。午後6時になったら再び犬の世話をして、その日の業務は終了する。


気づいた異変と割り切り

初日を終えて、ふと気づいたことがあった。「ん?今日、人間と会ってなくね?」まるで無人島にいるかのような環境だった。

さらに冷蔵庫を開けると、用意されていた賄いが2食分しか入っていなかった。食いしん坊な僕にとって、1日2食は死活問題だ。すぐにオーナーへ連絡した。しかし、返ってきたのはこんな言葉だった。「私は1日3食なんて言ってないわよ!2食って言ったでしょ!あんたの耳どうかしてんじゃないの?」

賄いはめっちゃ美味しい

「どうかしてるのはあんたの頭だろ」と心の中で毒づきつつも、「もう、この人に何を言っても無駄だな」と、ようやく割り切ることができた。そんな理不尽な1週間をなんとか乗り切ったある日。僕は、ある"異変"に気づくことになる。

次回:異変

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じょー@学生ワーホリ
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