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トラペジウム攻略失敗!それでも挑む天体撮影記

皆さんこんにちは。Joeです。

お正月、ついついダラダラしがちな時期ですが、私はオリオン大星雲を撮影していました。
この時期になると頭の中でずっと考える事は「トラペジウムってどうやったら攻略できるんだ?」という疑問です。
皆さんも経験ありませんか?あの輝度差、手強すぎますよね。

そんなわけで、2秒、5秒、180秒の露出で今年も頑張ってみました。
手順はというと、

WBPP>DZx1>GraX>BXT>StarAlignment>MGC>ArcsinhStretch>CMM>CurvesTrans>NXT

とまぁ、PixInsight簡単祭りを開催しました。
ところがどっこい翔平、トラペジウムの輝度差はやはり手強かったのです。

M42 - Sharpstar 15028HNT / ASI2600MM / R1.2/G1.5/B1.5/L0.3/ integrasion:4.5h /  Shizuoka Japan
中心飛んでるけどいいんです(`💳ω💳´)ムムッ!

さて、今回の撮影を通じて学んだのは、「順番の大切さ」です。
例えば、StarAlignmentを終えた後にBXTをやると、別鏡筒やカメラでは周辺の星が不自然にズレることがあるんです。
でもその順番だとImage SolverからMGCに繋がらない可能性もあるにはあるのですがなんとかなってるようです。
なので、私の手順はこの順序に落ち着きました。ケルベロス君(愛機のニックネームです)のおかげで得た教訓ですね。

ブレンドに関しては、試行錯誤の連続でした。LinearFitやRangeSelection、HDRComposition、DynamicAlignment、PixelMathといったアプローチを試してみましたが、どうも輝度差が滑らかにいかず、「カカロットォっ!」と声を上げる羽目に。でも最終的に、HDRCompositionで生成した中間画像をPhotoshopで合成することでなんとか形にし(諦め)ました。

ちなみに、PixelMathに困ったらChatGPTに聞くのが便利です。いや、本当に!使い方を聞くだけでなく、時には意外な発想を教えてくれるので助かります。


一方で、今回の撮影で痛感したのは短時間露出の侮れなさです。2秒、5秒ともに各10枚程度撮影しましたが、ノイズが浮き出まくりでした。次回はしっかり30枚ずつ撮ることに決めました。

ところで、天文屋にとって最近の大敵といえば、M42スターリンク衛星の大渋滞問題ですよね。まるで「逆流する雄シャケの川登り」のような光景。PixInsightの新バージョン(Ver9.2)では、この衛星をオートで消す機能がちょっと進化しているようですが、それでも完全ではありません。



そんな中、救世主が現れました!Setiさんが開発した
「Seti Astro Suite V2.5」。これがすごいんです。(しかも無料!)
単独で機能する強力スーツ盛りで重宝するのでは無いでしょうか。
*ベータ版のようでWinでは時々落ちます。

https://www.youtube.com/watch?v=kRao-Mf-I4U

便利機能 その①
NB to RGB stars
SHO合成でピンクになった星を自然なRGBに変換!今まではSCNRで誤魔化していましたが、これで解決。

便利機能 その②
Blink Comparator
軽量ビューワーで強い衛星データを選択削除可。PiのBlinkで無かった機能。

便利機能 その③
Star Stretch
星だけストレッチ出来る感じでしょうか。またカラーブーストとSCNRのようなグリーン調整も出来るようです。

便利機能 その④
Cosmic Clarity Satellite Trail Removal Tool
衛星除去ツールの決定版!「M42を諦めないで」と真矢みきさんが言ったとか言わなかったとか(*個人の感想です)。
https://www.youtube.com/watch?v=v4QgwMZeShU


というわけで、今回のM42撮影は苦労の連続でしたが、学びも多かったです。そして、新しいツールや技術の進化に助けられることで、さらに楽しみが広がるのを感じています。

次回は露光時間を分散化し更なるスムーズなHDR化とノイズ対策で、スターリンクも恐れない環境を整えて再挑戦します!皆さんも素晴らしい星空ライフを楽しんでください。それではまた!