2d 露出の三要素の3〜ISO感度

⚫ASA=ISOである。

⚫数字が小さい=低感度、数字が大きい=高感度。

⚫「段」の考え方はISO感度でも同じ。

⚫基本的には、低感度=高画質。

⚫自分のカメラの画質で、自分の許せる範囲の高感度を把握しておく。

「ISO感度」とは

三要素の三つ目は、撮像素子の感度です。これをISO感度といいます

より大きな窓、長いシャッタースピードが必要な場合、その素子は「感度が低い」といい、逆の場合は「感度が高い」といいます。

デジタルの場合、撮像素子の感度は可変で、技術改良によってどんどんと「感度の高い」撮像素子が開発されています。

フィルム時代は、それぞれのフィルムに固有の感度がありましたね。当初はISOじゃなくて「ASA」といいました。アーサ400の高感度、なんてよくいいましたよね。

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ちなみにASAというのはアメリカ標準規格のことで、それ以外にドイツ工業規格(DIN)というのがあり、このふたつを統一した国際規格がISOというわけです。

ただ、当初はASAとDINの数値を併記していたISO規格も、現在ではASAの数値だけを表記することがほとんどになったので、事実上はASA=ISOと思って間違いないようです。

フィルム時代の感度といえば、だいたい100から400程度、高感度で800くらいでした。そして、フィルムは一度セットしたらまずそのまま枚数を使い切るまでセットしたままだったので、当時の露出はISO感度は固定で残りのふたつで調整する形でした。

当時はカメラのフィルムふたの外側に、フィルムの箱をちぎり取って差し込んでおくところがありましたね。そうして現在のISO感度をちゃんと覚えておかないと露出が決められないのでけっこう大切でした。

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ISOの「段」

さて、ここまで見てきた三要素のうち、シャッタースピード、絞り共に「段」の考え方で互換性を保つことができました。

ISO感度も、同じように「段」ごとに2倍の光を取りこめるようになっています。
ここで、三要素のそれぞれの1段ごとの数字を改めてまとめてみましょうか。

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ISO100が最も感度が低く、数字が大きくなるごとに光に敏感になっていきます。なので、より速いシャッタースピードで同じ露出を得ようとした場合、ISOの数字は大きくしていく必要があります。

たとえば、ISO100、1/125、f5.6で適性露出を得ていた場合、シャッタースピードを2段上げて絞りはそのままにしたい場合、ISO感度を400に上げればいい、というわけです。

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​適性ISO感度とは

言いきってしまえば、デジタルの場合、ISO感度は「低ければ低いほど高画質」です。

デジタルカメラには、各メーカーによって「基準ISO感度」が設定されています。ほとんどのカメラメーカーはISO100を基準感度としていますが、富士フイルムの場合はISO200が基準ですね。Nikonのフルサイズデジタル一眼などでは最低感度ISO64というのもあります。

基準ISO感度というのは、この感度が最も高画質ですよ、とメーカーが保障する感度と言っていいでしょう。そのかわり、最も低感度です。

基本的に、ISO感度というのは「低感度であればあるほど高画質」であり(「拡張低感度」をのぞく)、そこからは、画質をある程度犠牲にして感度を上げていっているわけです。

なので、露出バランスの許す限りで、ISO感度はできるだけ低く設定するのが高画質な画像を得る秘訣です。

ただし、デジタルの時代の技術革新は日進月歩です。かつては「ISO800以上は使い物にならん」なんて時代でしたが、昨今ではISO6400くらいまでなら実用上なんの問題もありません。

もちろん、感度が上がるほどに画質は下がりますが、最近のカメラではそのグラデーションはゆるやかで、ISO100とISO400の違いなんてほとんどのユーザーには見分けられません。

なので、大切なのは自分のカメラのISO感度ごとの画質の変化をよく把握しておくことです。その範囲内で、自分はISOいくつまでの画質を許容できるか、という基準を作っておくことから始まります(カメラ内生成のJpeg画像とRAW画像で、ISO感度ごとの画質の劣化具合が違う場合もありますので、そこも確認しておきましょう)。

カメラによってはオートISO感度の上限を決められるものも多いですから、上限を自分の限界感度に設定しておけば、あとはカメラにおまかせ、のオートにしてしまうのもひとつの方法です。

ISO感度は露出の三要素の中でも、写真表現に及ぼす影響が「画質の善し悪し」だけ、というものなので、その選択基準はどうしても消極的なモノにならざるを得ません。

最高の画質を求めて低感度を選ぶか、高感度にして露出設定の自由度を選ぶか、それはそれぞれのカメラマンの選択に任せられているのです。

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