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まともな市民は避難所の世話にはならない

これまで多くの人に避難所運営支援システムの説明をしてきました。そのなかで説明した相手から返された一番ショッキングな言葉が「まともな市民は避難所の世話にはならない」でした。

その人が言うには、まともな人間関係を築いてる人なら、避難所に頼らなくても家族、親戚、あるいは友人の世話になれると。(発言者は地方の人なので、地元に家族親戚等が多く居ることもあったからの発言かもしれません。) だから避難所の世話になる人は、まともな人間関係も築けないような人達だから、そんな人のことを考えても意味はないと。 避難所運営支援システムのような儲からないことを考えてないで、事業として稼げるものに注視すべきでとアドバイスされました。

その言葉を聞いてショックを受け、すごく悲しい気持ちになりました。 その後その人とはなんとなく疎遠になってしまいました。
避難所運営支援システムの開発は持ち出しだけで、利益になるものではないので、避難所運営支援システムの開発なんて放り出したほうが良いとのアドバイス自体は正しいとも言えます。クラウドファンディングにも挑戦してみましたが、ほとんど関心を惹かないようです。 

差別的な見方をする人は論外としても、避難所生活なんて他人事だと思っている人が多いのも事実です。 いや、考えたくないのかもしれません、最大級の南海トラフ地震が発生したときのことを。 自分が避難所に入って初めて、如何に避難所での生活、避難所の運営が大変か認識することになるのです。

大抵の人は、大規模災害について避難するまでの事までは考えても、避難所である程度の期間暮らすことについては殆ど考えたことはないかと思います。
避難所のイメージは人によって大きく違います。 被災者の収容所的なイメージを持っている人も多いようです。 でも、避難所は収容所でも、ホテルでもなく(家に戻ったり仮設住宅に移ったりするまでの)共同で使用する我が家なんです。如何にに暮らしやすくするかは、QOLを高めるかは自分たちの努力になります。 少なくとも大規模災害のときは、行政、ボランティアが面倒見てくれると思わないで下さい。(多くの自治体では避難所の開設等は行政が行いますが、運営は自治会、防災会、避難者自らが行うのが原則となっています。)

避難所での生活、避難所の運営について考えることは、食料の備蓄くらい重要です。備蓄は多くても一週間程度です。それから先は避難所のお世話になるのですから。動ける人が互いに支え合って避難所の運営をしていく必要があります。 避難所運営支援システムはただ、それを手助けするだけのものです。 人海戦術より少しでも、楽したいとは思いませんか?


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