消○士のプロポーズ
「彼女が待ち受け変えてってうるさいんすよねー。」
そう消◯士の悠人(後輩)が言ってきた。
なんで?と聞くと、
「昔、ディズニーに元カノといった時に撮ってもらった写真ずっと使ってるんですけど・・・別に良くないですか?」
どんなだっけ?見せてとラインのアイコンを見せてもらう。
よくある、ディズニーでキャラクターの耳をつけて写っている写真だった。バカっぽくて可愛い。自分では気に入っているのだろう。
写真には自分なりの持論があるので、
「写真ってさ、撮る人の気持ちが写るじゃん?友達だったら、別に気にならないのに、この写真を撮ったこの瞬間の元カノの気持ちが写真に入っちゃってるし、悠人の目線の先にも、昔の恋人がいてこの表情って思うと、元カノ感じて嫌かもね。シャッターってさ、気持ちが動いた瞬間に押すものなんだよ。可愛いなとか、好きだなって思いながら押すからこの写真はいい写真なんだと思う。」
そう伝えると、え、そういう事っすか?まじかーと少し納得いったようなそうでもないような。
彼女に先輩に言われた事伝えたら、彼女めっちゃリスペクトしてました。その先輩すごい分かってくれてる!!って。ってことで、変えることにしましたと。無難な写真に変わっていた。
嫌だと言われてもすぐには変えずに、別にいいじゃんと言い切っていたのに、俺なんかの意見で、ちゃんと変えた後輩の素直さ?が可愛いなと思ってしまう。きっと俺が悠人を撮ることがあったとしたら、元カノの撮影した写真とは違う意味で可愛い写真になると思う。
「俺、先輩みたいな人と結婚したいなー。面白いし、尊敬できるし、一緒にいて楽しいんですよね。」と一緒に温泉入っている時にいうから、本当にノンケは全く・・・と思いながらも、素直に嬉しく思う。
男は一緒にいて対等で楽だなと自分も過去に思ったことがあるし女性とは違う居心地の良さがあるのだ。
「こんな髭面のおじさんと結婚したいなんて、ほんと悠人はアブノーマルだな。今夜は寝 か せ な い ぞ♡」と冗談をいうと、
「わーーーーー!こえーーーー!!」と笑っていた。
一見、いつも楽しそうにしている悠人も、職場での先輩たちの未だに残る体育会系特有のしごき?いじり?に日々疲弊していた。
こんな事されるために、消○士になったわけじゃない。辛いですと泣いた夜もあって、いつもそんな日は慰めていた。
優しすぎるからか、いじりやすいのもあり、先輩の当たりが強いのかもしれない。特に仕事の話をしなかったからついうまくやってるのかと思ったけど、色々悩みながら頑張っていたのかと思うと、もっと早く気づいてあげれれば良かった。
どんな仕事も大変な時はあって、合わない人は必ずいる。
本当に無理だったら、辞めればいいし、いつでも話は聞くよと。たまに話を聞いてあげている。
でもそういう奴らは、全然気にせず楽しんでるのに、こっちばかり悩んでんの馬鹿らしいよなー。とこちらも楽しい話をしたり、何かささやかながら楽しいこと作ろ?と気分転換になるように。とにかく心から笑うこと。愚痴ること。これができているうちはまだ大丈夫だと思う。
今度彼女も紹介します!と笑顔で言ってくれる眩しいほどのまっすぐな気持ちに、楽しみにしてるよと返す。