生まれて初めて応援上映会に参加したらKING OF PRISMの「理解(わか)り方」がなんとなく理解(わか)りかけた話
※前置き 超長いので飛ばしても大丈夫です
※新参者なので見当はずれな事書いてたり間違いも多分あると思うんですが、その辺ぬるめに見てもらえると助かります
※あと「KING OF PRISM-ShinySevenStars-Ⅰ プロローグ×ユキノジョウ×タイガ」
「KING OF PRISM ALL STARSプリズムショー☆ベストテン/ハッピールート」の本編ネタバレが少しあります
【前置き】
「楽しめる才能」について考える事が割とあるんですが
例えばホラー映画やまんがって、万人が楽しめるわけじゃないと思うんですよ 怖くて苦手な人もいる
でも好きな人って深刻に好きな人が多くて、まあ言っちゃえばこの世に存在するコンテンツ、100%誰からも好まれるものなんてない事も分かってるんですけど
私はその辺のストライクゾーンがわりと狭く、また普段愛好しているものが6~70年代の作品がメインな事、友人が極端に少なくオタク的な「好き」を共有する機会も今まで少なかった事もあり
人気のあるものに対しての逆張り的な気持ちは誓ってないんですが、そういうものにピンとこないことのほうが多く、またそれがちょっとさみしかったり悔しかったりしていました
そんな時「私はこの作品を楽しむ才能が備わってなかったな…」「才能、まだ育ってないな…」と
そして「才能持っている人 ものすごくうらやましいな…」と
そういう風に考え、「ま 今はその時ではないのかもな」と、
自分からいろいろなコンテンツに手を出す事はやや避けていたわけです
KING OF PRISMについてもそういう印象を持ってました
深刻に気が狂っている方 わりと見ますし、実際布教を受けたことも何度もありました
ただ先述の通り、私は「楽しめる才能」の手持ちが少なく「わかんねえ…」になってしまう事が多いため、なんとなく食指が動かずにいました
一作目「KING OF PRISM by PrettyRhythm」が公開された2016年、私の周りにも劇場に何度も足を運んだり、熱心にプレゼンしてくれる方もいました
ただ、複数名から聞くその作品説明・プレゼン 何回聞いても意味が分からない…
まあ特定作品に狂ったオタク、正気も語彙も失うよね わかる…とやんわり流していました
が、
23年1月 長い付き合いの友人から「KING OF PRISM by PrettyRhythm」の円盤が新品で送られてきました
布教のために予告なく円盤や単行本全巻を送り付ける文化自体は知っていたものの、まさか自分の身に起こるとは思ってなかった
これはもう覚悟決めるか…!とみてみたんですが
一作目みた直後の混乱ツイート
なんもわからん
マジでなんもわからん 全部がわからん こんなわからんことある??
今まで熱心に布教してくれてた方々の言ってた事が、語彙の喪失などではなく事実を伝えてくれていた、あとtrfだ…というところだけわかりました
あとは全部わからんかった
戸惑ってるうちに再生終わった
二作目「KING OF PRISM-PRIDE THE HERO-」も同じ方から同じように円盤いただいてたんですが、
あの「何もかも全部わからん」体験の衝撃が強く、これだけ熱心に勧めてくれているものへの理解が追い付かない自分へのうしろめたさもかなりあり 申し訳ないことにしばらく観れずにいました
しかしながら今回、私が住んでいる札幌で先の彼女が一番推している太刀花ユキノジョウさんの生誕記念応援上映会があるとのことで来札されることになり
20年弱ほどお付き合いいただいてる方なんですが生身でお会いするのは初めてで
そんな彼女から上映会への同行を依頼され、
そんなのまあ 行くじゃないですか 応援上映という催し自体も全く未知の領域だったし、
学びがあるかもしれないという気持ちもあり
上映会で上映されるお話を観るためには上記「KING OF PRISM-PRIDE THE HERO-」を観ないと話の流れがわからないと教わり、
観てみたんですが やっぱりなんもわからんかったです
インドの聖者の事を思い出すくらい全部がわかんなかった
長い前置きはここまで
「わからん」ことへの罪悪感について、一作目・二作目を何十回も観ているという布教者の友人も
「大丈夫、50回見てもわからない」
との事で、ちょっと安心しました いいの?
【疑問点とその回答】
なんもかもわからんかったんですが、特に大きかった疑問の二つ
上映会前に友人が質問タイムを設けてくれたので、聞いてみました
・「プリズムの煌めき」で起こる様々な現象について、これは心象的な誇張表現なのか、それとも魔法・超能力的な力で目の前の事象は実際に起こっている事なのか
→後者であると教わりました
正直ここが一番ひっかかっていたというか、とても失礼な話なんですが こちらを笑わせようとして大げさな誇張表現を使っているなら多分Not for meの作品だな~と思いながら観ていたというか…
超常現象的な力で起こる奇跡なのね、とわかるといろんな部分がストンと腑に落ちた感はありました
・入浴シーンが妙に多い謎
元は女児向けアニメからのスピンオフ作品である というところだけ聞いていて、
それにしては肌を晒した入浴シーン(煽情的な要素はないものの)が多くないか…?という点が気になりすぎる
→各組織内の信頼関係を表している
エーデルローズ(主人公側の組織)は全裸で入浴=隠すもののない状態でお互いをさらけ出し話し合う事で信頼関係が築けているという描写
確かに、お風呂のシーンは全部大事な話をしていたな…
シュワルツローズ(敵側の組織)は仮面をつけて入浴=本心を隠している、信頼しあっていないという描写
だそうです
なるほど…!と思ったけどええんか…??とも思いました お尻出てるし
【上映会の感想】
二部構成でした 各々の感想
「KING OF PRISM-ShinySevenStars-Ⅰ プロローグ×ユキノジョウ×タイガ」
上記の劇場版二作公開後に放映されたTV版全12話に先駆けて公開された劇場編集版だそうです
今回見たⅠはTV版の第一~三話分 太刀花ユキノジョウさんのお話(第二話)と、香賀美タイガくんのお話(第三話)でした
劇場版一作目、二作目がくどいようですがマジでなにもわからん…だったので結構警戒してたというか そういう気持ちで観始めたんですが、
結果超泣いたよ 引くほど泣いた 泣く事になるとか1ミリも思ってなかったからハンカチ的なもの手元に用意してなくてヤバかった
泣いたのは第二話のユキノジョウさんのお話
劇場版一作目・二作目ではユキノジョウさんの出番があまりなく、どんな子なのかというのは割と最低限しかわからない感じでした
(梨園の育ちで女形で歌舞伎とプリズムショーの二足の草鞋、ちょっとおっとりしてるかな、くらい?)
なので、ユキノジョウさんが二作目で、選抜のショー出場者に選ばれたのにそれを辞退して主人公のシンくんに出場を譲ったのも、
あ~シンくん主人公だもんね そうだよね…くらいの「アニメ的ご都合展開」程度にしか考えてなかったと思います
でもその譲渡にも思惑があった事、こっちが思っているよりずっと強い葛藤があった事が第二話では明らかになりました
TV版二話では、厳しい父親から厳しく歌舞伎を指導され叱責を食らうシーン、
父親に頭を下げプリズムショーへの参加の許しを請うシーンが何度も出てきました
梨園の「血」の呪い、両親の両親としての愛情と「家と血と伝統」を守るために出さざるを得ない厳しさ、
そういう「家族の呪い」みたいなものがあったと思います 葛藤としてはとても大きいもの
あまり自己を語ろうとせず、また自分の正直な感情と向き合う事が多分得意ではないユキノジョウさんの心情
歌舞伎とプリズムショー、どちらも自分の意思でやっていると思い込みつつ、
プリズムショーを厳しい歌舞伎からの逃避にしていたこと
それだけの強い気持ちと憧れで続けていたプリズムショーからも逃げてしまっていたこと
逃げていた という弱くてカッコ悪い自分への気付き
この気付きからの露わにする感情と慟哭、熱くて人間ぽくてすごくよかった
気付いたのが同い年のカケルくん・ミナトくんとの対話から、ってとこもとてもよかった
感情吐露があまりうまくないユキノジョウさんの内面まで見られるような友人が身近にいてくれた、というところ
そういう「もう逃げない」って決意を経てのプリズムショーでの歌「百花繚乱」、
プリズムショーとしての正当性と歌舞伎の美しさ・強さを全部盛りにしましたみたいな曲で、
あとちょっと曲調がロック調でさ~~話の途中でユキノジョウさんのお部屋のシーンがあるんですけど、ロックのポスターとギターがあるのね
あ~ロック好きなんだね可愛いね…くらいの何気ないシーンなんだけど、
そんな何気なさも含め好きなもの全方位に対して全力で真摯なの どれか一つだけ、じゃなくて全部やるの
歌舞伎もプリズムショーも心から大好きなの、やらされてないの
そしてそれがちゃんとカッコいいの
普通にメチャクチャ感動してしまった 本当にカッコよかった 逃げないって決意と、打ち勝って強さを手に入れたんだなってのが分かって
話盛ってるわけじゃなくマジでボロボロ泣いてしまった
葛藤を抱えそれに抗い、自分の手で「なにか」を掴むような強さを持った人にとても弱いので、これはなんかもうダメでした 全体的にほんとにカッコよすぎた
スーパースター然としすぎていた 光があった
タイガくんの話もこの子ほんとにいい子だな…というのが見えてかわいかったです
故郷と家族を愛し大事にする子 いいなあ
いいなあと相反するよくない感情なんですが、ステージ衣装エッチでビックリした いいのこれ!?って思いました、よくないのは完全に私なんだけど ごめん…
タイガくんの事検索したときにサジェストに「ふんどし」って出てきてたの、これかあ~!ってなりました
「KING OF PRISM ALL STARSプリズムショー☆ベストテン/ハッピールート」
作中で公開された全29曲の中から、ファンによる実際の投票で決められたベストテン
上記 ShinySevenStars-Ⅰで私が爆泣きした「百花繚乱」が6位でビックリした(絶対1位だと思ってた)
まだ観てないエピソードのほうが多いので、じゃあユキノジョウさんの歌より票を獲得したこれらの歌、あれ以上にものすごいお話がくるの…!?と正直ちょっと怖くなりました 戦々恐々というか
前途の通り葛藤を抱えてそれに自分の力で打ち勝つような人に弱すぎるので、レオくんの歌は歌だけでちょっと泣きました お話まだ観てないのに
総合的に、メチャクチャ面白くてビックリした あんなに何にもわかんなかったのに…
TVシリーズで多くの人が見るから、ってとこで多分話をより分かりやすく作ったのかな?ってとこと、
あと相反するようだけど「劇場で観た」というのも大きかったと思います
没入感があって実際にショーを観てる気持ちになれるし、プラス応援上映による没入感の増があり 劇場向け、応援上映向きの作品だなと強く感じました
あとなんつうか
「キンプリに人生を救われた」と仰る方をX上で何人も見かけ、その気持ち自体はわかるしそういうこともあるよね、くらいの気持ちでいたんですけど
こんなに一生懸命「煌めき」をファンに届けようと悩んで努力して精一杯やってる彼らの姿観たら、そんなの元気になるよね 頑張ろうって思うよね…と、
そういう部分への理解、解像度が一気に上がった気がします 今まで72だったのが350くらいまでは上がったと思う
誇張抜きでこんな私でも元気もらえた感あったもんな すごいね
【応援上映自体の感想】
応援上映の経験のない私に友人は「新参者の反応まで含めてすべて栄養になるので基本自由にしてていい」と言ってくれた上で、
遠征だったにもかかわらず無知な私に貸し出すためのキンブレを持参していました
途中までは正直まだちょっとあいまいな各キャラの担当カラーに合わせて光らせたりしてたんですが、
手元のキンブレの操作に手いっぱいで映画の内容が頭に入ってこず、
これ全部は無理だな!とキンブレ振るのはかなり早い段階で諦めて地蔵になりました
あとこれは慣れの話だと思うんですけど、映画館て本来声を出してはならず静かに鑑賞するもの という今まで守ってきた常識の部分が邪魔して、声出したり光らせたりすることへの葛藤がすごい…脳バグる!!
友人含め、皆さん各々ペンラ3~6本とか持ってらしてすごいな…と思いました ストーリーの流れ覚えてる上にコールも覚えてて(ものによってはかなり長いのもあった)
声出して手元のペンラ複数スイッチ操作して光らせて…やることが多すぎるし全部一気にやってんの脳が覚醒している感がある すごい こんなもん愛以外の何物でもないじゃん
応援上映じゃなくてもペンラを振るタイプのライブには行ったことがなく、またライブ中もコールしたりせずわりと静かに観るほうなので、文化の違いを感じてメチャクチャ面白かったです
KING OF PRISMはプリズムショーの会場でファンがペンラを振るシーンが多いんだけど、
会場もその一部になったような一体感があって、席が後方だったこともあり見るだけでも楽しめました
なんか夢みてるみたいだったな
【総括】
上映会でキンプリという作品の楽しみ方がようやくちょっとだけ「解る」になったし、
そうするとどんどんかわいく見えてくるスタァの皆さんのエピソードも気になるので、TVシリーズの残りもゆっくりだけど観ていこうと思います
一人だと絶対に巡り合わなかった作品なので、勧めてくれて上映会ひっぱってってくれた友人 ほんとにありがとうございました
こういうことある度やっぱいろんなものに触れて知見広げてかないとな~…と思います
あとなんでもない日記みたいなクソ長レポート読んでくださった方もありがとうございました
おわり