Legent Yamazaki Cask Finish Blend (ABV 57%)
サントリーウイスキー100周年の年である2023年8月1日にリリースしたLegentの限定モノ。
アメリカ/ドイツ/カナダ/一部の空港免税店で販売されており、2024年3月20日にシンガポールのチャンギ空港で偶然見かけたので2本購入しました。
価格は定価USD199.99で、チャンギ空港ではSGD276で同じくほぼ定価。
バーボンの8年熟成でこの強気価格なので期待するしかないでしょう。
一般品のLegentの構成はジムビームで蒸留され少なくとも4年熟成させた後、ワイン樽やシェリー樽でフィニッシュしたストレート・バーボンがベース。
その後福與氏がこの原酒に、ジムビーム蒸溜所にある他のビーム製バーボンとブレンドし、最終的な製品に仕上げたもの。
それに対し今回のLegent山崎樽フィニッシュの構成は、ジムビーム蒸留所で蒸留し8年熟成したバーボンを日本に輸入しこれをベースとして山崎蒸留所にて以下4種の原酒を作り上げ、福與氏がブレンド。
①フレンチオークワイン樽フィニッシュ
②スパニッシュオーク樽フィニッシュ
③旧山崎スパニッシュオーク樽フィニッシュ
④8年熟成バーボンそのまま
比較すると熟成年数が2倍であることと、山崎の場所と気候の影響と旧山崎スパニッシュオーク樽がどのような影響を与えているのかが気になるところですね。
香りは山崎スパニッシュオークの枯葉系レーズンとオレンジ寄りのドライフルーツが占めており、そこにプラムとバーボンらしいバニラとキャラメルが加味されています。
通常のlegentと比べて奥行きと複雑さが2段階違います。
味わいは口当たりがABV57%を感じさせない滑らかさでキャラメルとレーズンとバニラとウッディを重く感じそうと思いきやドライさも感じれる為バランスが非常に良い。
さすがに少しだけビリビリとするアルコールを感じます。
中間からフィニッシュにかけてはオレンジとプラムと枯葉系レーズンとバニラとキャラメルと心地良いタンニンで、バニラと枯葉系レーズンと少しのタンニンがそのまま伸びていきます。
加水すると香りは嫌なタンニン/ウッディさが出ることなく枯葉系レーズンの良いところを更に引き出し、山崎スパニッシュオークの香りが7割程占めます。
2024年3月21日に山崎蒸留所でスパニッシュオーク12年原酒を2杯テイスティングしたので間違いないと思います。
味わいはアルコールのトゲが無くなりHennessy xoを飲んでるかのように滑らかになります。
脱線したので戻します。
ロックにすると香りはさすがに加水時より弱くなりますが、味わいは底から湧き立つ甘みがとても強くなり、それでいてスパニッシュオークとバーボン特有のロックで出て来る嫌なタンニン/ウッディさが全く出てこない。
全ての飲み方がおすすめですが強いて言うなら加水とロック。
端的に言うとフルーティバーボンなのですがブレンドからくる複雑さと奥行きに圧倒され、通常のlegentとは別モノです。
あまり市場に出回っていないと思いますがBarで見かけたら是非飲んでみて下さい、きっと幸せな時間を楽しめると思います。
↓オマケ↓
日本にほったらかしにしていた未開栓ボトルの一部を一時帰国中に開栓しました。