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Longrow Red 7年 Pinot Noir Cask Matured (ABV 57.1%)
リフィルバーボンバレルで4年熟成後、ピノノワールバレルで3年追熟させた2024年のRed。
ピノノワールバレルは、ブルゴーニュのモントリー村にあるドメーヌ・フローラン・ガローデのもの。
今年の7月にキャンベルタウンを訪問した際に、スタッフに今年のRed若いけどどうなの?と聞くと、私は今日店頭にあるロットのハンドフィル(オロロソで4年前後の熟成)の方が好みだけど、Redもサルファリーが上手に効いていて良いんじゃないかな。
という微妙な回答、且つハンドフィルが美味しいわけではなかったので、危険を感じて購入しなかったボトルです。笑
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Red7年 £70(VAT込)
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左から2番目がシェリーカスク系醤油ロングロウ
とは言え、地雷でも良いので購入しておけば良かったかなーと思っていると、マレーシアの行きつけの酒屋で£70の定価に近い価格で売ってくれたので、覚悟をもって購入。
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正直に言いますが、開栓直後は拷問。
香りは程良いスモーキーなフレッシュレーズンの爽やかな良い香りなのですが、味わいは超セメダイン/アルコール由来の甘みがアルコールの刺激が強すぎて感じにくい/モルトとシェリーが若すぎて奥にある深みまで全く辿り着けず、タンニンがめちゃくちゃ嫌な感じでまとわりつくので、本当に辛い。
ロングロウRedは、赤ワインカスクを使用したカスクストレングスと定義されているので仕方ないですが、この仕様でなぜ加水でリリースしなかったの?
と、疑問を感じる程、私がここ5年で試飲してきたワインカスク系のシングルモルトの中ではワースト5にランクするものでした。
しかし酸化さえすれば開く要素はあったので、1時間放置してみたところ劇的に改善!
これを受けて、開栓1週間後に再度テイスティング。
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香りはスモーキーなフレッシュレーズンの爽やかな良い香りのままで、チョコレートとレモンと少しジンジャーと嫌味の無いサルファリー。
味わいは口当たりのアルコールの刺激は強いもののレーズンの甘みとオイリーさがジワジワ強くなり、セメダイン感は初期に比べるとだいぶマシ。
中間では口当たりのままレーズンが伸び、ジンジャーとスパイスが加わり、ウッディとタンニンが結構まとわりつきます。
しかし個々の主張が単調なので、中間の複雑さはそこまで感じず、フィニッシュも短いので面白さもあまり感じませんでした。
確かにバンクのスタッフの言う通り、ハンドフィルのシェリー系ロングロウの方が良かったと思います。(どんぐりの背比べ)
加水すると香りは草系のスモーキーさが覆いつつ、レモンの柑橘が強くなり、フレッシュなレーズンは弱くなります。
味わいはアルコールの刺激は弱まりレーズンの甘みが穏やかになり、セメダインとサルファリーが強くなりますが、紙一重で複雑という一言でまとめれます。
アルコールの刺激が相当抑えられるので、ストレートに比べると非常に飲みやすくなります。
ロックにすると香りは草系のピートとほんのりレモン。
味わいは、一言で言うとピートとレーズンの効いたバンク10年のロックです。
なので、飲みやすいと言うか、あぁやっぱりバンク系の味わいに行き着くんだなと感じます。
オススメはストレート(少なくとも開栓1週間後)かロック。
辛口評価ですが、1週間で劇的に変化したので、もっと時間を置けば化けます。
私は飲み疲れてしまったので、日本に持って帰ってしばらく封印しようと思います。
忘れた頃に見つけて飲むと、きっと美味しいでしょう。笑
追記
5日間コースターで蓋をして酸化を促したものをテイスティングしたのですが、
な ん だ こ れ。
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驚くほどの評価逆転!笑
セメダインとアルコールの刺激どこにいった?
これ本当にトータルで7年熟成?
バンク特有のモルトの複雑味が加水無しでも中間からちゃんとというかしっかり感じれるようになり、それがピノノワールの甘味とタンニンがマッチして、フィニッシュの伸びも上品なものに仕上がり、最後まで残るピートの甘みが複雑でとっても美味しい。
鼻に抜ける香りもフィニッシュで感じれる味わいそのもので心地良い。
5日放置してようやくガッツリ開いてくれたので、ボトルのままだと開栓してから開くまで相当時間がかかりそうですね。笑