
Legent (ABV 47%)

2019年3月にアメリカで発表されたユニークなバーボン(アメリカンウイスキー)。
日本ではなぜか未発売。シンガポールのチャンギ空港でバーボンは何を購入すべきかを日本で通っているバーボンBarのマスターに相談したところオススメされたもの。

価格は67SGD

価格は55SGD…なぜ?
ユニークである理由はビーム家7代目当主でありジムビーム蒸溜所マスターディスティラーであるフレッド・ノウ氏と、サントリー五代目チーフブレンダー・福與伸二氏がタッグを組んで完成したウイスキーであること。
ちなみにですがジムビーム社は、2014年に日本のサントリーによって統合されています。
構成を端的に言うと、ジムビームで蒸留され少なくとも4年熟成させた後、ワイン樽やシェリー樽でフィニッシュしたストレート・バーボンがベース。
その後福與氏がこの原酒に、ジムビーム蒸溜所にある他のビーム製バーボンとブレンドし、最終的な製品に仕上げたもの。
ジャパニーズウイスキーはバーボンウイスキーで定義される穀物構成比率や新樽使用の制限は無く、バーボンウイスキーはジャパニーズウイスキーやスコッチウイスキーの様なブレンディングというコンセプトはありません。
そもそも製造方法と文化の違いがある中で一種のウイスキーに落とし込めたというのは非常に凄いことです。
私自身もLegentを知りませんでしたが、これ程凝ったボトルであるにも関わらず知名度が低いというのは勿体無くて仕方ありません。
ラベルも凝っており、私が通っているバーボンBarのマスターに教えて頂くまで全く気付かなかったのですが、毛筆の書体である「L」の文字の上下に福與氏とノウ氏の2人の横顔が描かれています。


香りはバーボンらしい香りですが柔らかめ、キャラメルと赤ワイン系のドライフルーツ(オレンジ寄り)、ナッツというか山崎蒸留所のスパニッシュオーク原酒系の香りもします。
全体的にフルーティな仕上がり。
味わいは口当たりが非常に優しいキャラメルとマジパンとバーボンらしいウッディさ。
中間にかけてオレンジの柑橘とスパイスとタンニンが続きフィニッシュにかけては少しのバニラとレーズン感のあるドライフルーツが残ります。
全体の印象は重くも軽くもないバランスが良く取れたフルーティなバーボンで飲みやすいと思います。
加水すると香りは更にキャラメルの甘味が広がります。
味わいはスパイスとタンニンがやわらぎ、よりスムーズになります。
ロックにすると香りは更にやわらぎ甘味のみが広がります。
味わいはスパイシーさとタンニンが少し出てきますがアクセント程度でベースはキャラメルの甘味とオレンジの柑橘で若干のバニラが後押しするような感じです。
オススメは加水です。
とは言えストレートもロックもバランスが良いせいかネガティブな部分があまり出てこないのでこれらも十分にオススメ出来ます。
正に調和を意識したバーボンだと思います。