PdM Career Session〜PdMの相互成長を支える仕組み〜
マネーフォワードの広瀬です。ビジネスカンパニー(BtoB領域事業)CPO室 室長として、60人を超えるプロダクトマネージャー(以下、PdM)組織の運営責任者を担当しています。
CPO室では、PdM同士が経験を共有し、ともに成長し学び合う場として、「PdM Career Session」という社内限定のイベントを定期開催しています。このセッションは、PdMが自身のスキルを磨き、チーム全体の連携を深めるための大切な機会です。
この記事では、これまでに開催された20回のセッションを振り返り、PdMが得た学びやキャリアにおける気づき、そしてその魅力をお伝えします。
1. PdM Career Sessionとは
マネーフォワードでは、PdMが成長し続けるために、学びとコミュニケーションを大切にする文化を育んできました。
その中でも特に多くのPdMから高く評価され、成長を支える重要な取り組みのひとつが「PdM Career Session」です。
このセッションは、2023年から毎月定期的に開催されています。毎回1人のPdMがゲストとして登壇し、CPOとの対談形式で、プロダクト作りにおけるこだわりや失敗談を率直に語る場となっています。社内限定のイベントだからこそ、社外のイベントでは聞けない貴重な内容も多く含まれています。
イベントの概要は、次のとおりです。
頻度・時間:月1回 60分
開催方法 :オンライン形式
参加者 :CPO室所属メンバー(PdM)
タイムテーブル
ゲストPdMによる自己紹介(10分)
CPOとゲストによる対談 (40分) ※ ↓事前回答スライドを利用
参加者とのQ&Aタイム (10分)
2. PdM Career Sessionの目的・狙い
PdM Career Sessionは、毎回異なるゲストを迎えながらも、PdM一人ひとりの成長とチーム全体の連携強化を目的としています。次に、このセッションが目指す具体的な目的と狙いについて詳しくご紹介します。
多様なキャリアから得られる学び
CPO室には60人以上のPdMが在籍しており、その多くがさまざまな企業で培った豊富な経験を持つ、中途採用で入社したメンバーです。
セッションでは、ゲストPdMがこれまでに蓄積してきた実践的な知識や洞察を直接学べる機会が提供されます。社内に多くのロールモデルがいることを活かし、深い知見の共有が行われる点がセッションの大きな魅力です。
ゲストと参加者双方にとっての成長の機会
日々の業務に追われがちなPdMにとって、月に1回・60分のこのセッションは、経験豊富なゲストであっても自身の経験を振り返り、さらなる学びを得る貴重な機会です。また、参加者にとっても、他のPdMの成功や失敗談を通じて、自分のプロダクトマネジメントを見直す良い機会となっています。
PdMの責任範囲は非常に広いため、部分的なスキルを学ぶだけでなく、優れたPdMの「考え方」や「感じ方」を理解することが、本質的な成長につながります。ゲストの振り返りが参加者にも良い影響を与え、相互に成長を引き出す場となっているのです。この振り返りの時間こそが、本質的な成長を促進する大きなカギとなっています。
チーム全体の成長を支える連携強化
このセッションを通じて、PdM同士の横のつながりが強化され、連携がさらに深まります。お互いの知識や経験を共有するだけでなく、ゲストの人となりを知ることで、60人のPdMがそれぞれのバックグラウンドや視点を深く理解し合い、信頼関係が築かれます。この相互理解が、日々の業務にも良い影響を与え、個々の成長がチーム全体の成長へとつながっていきます。
チームビルディングの観点からも、PdM Career Sessionは重要な機会です。お互いを理解することで、単なるスキルの共有にとどまらず、相互成長が促進され、「個々でも全体でも強い」組織の基盤が築かれていきます。
3. PdMの「学び」「気づき」の声
PdM Career Sessionでは、毎回参加者にアンケートを実施し、学びや気づきに関する意見を集めています。セッションを通じてPdMが感じた重要なポイントや印象に残ったエピソードの一部を紹介します。
ファクトに基づく意思決定の重要性
「意思決定に迷ったときこそ、ファクトを集めに行くべき」という教えが心に響きました。自分の経験や勘に頼るのではなく、現場の状況やデータなどの一次情報に基づいて判断することの重要性を改めて実感しました。
今まで以上に、自ら現場に出向いてユーザー接点を増やし、ユーザー行動の観察や、データをもとに進める姿勢を今後も徹底したいと思います。
プロダクトに一貫したキャラクターを持たせる価値
「プロダクトに人格を持たせ、あえてやらないことを決める」という言葉が強く印象に残っています。プロダクトのコアコンセプトを明確に言語化し、それを一貫して守り続けることの大切さを改めて感じ、自分のプロダクトにもさらに深く向き合うべきだと思いました。
プロダクトが明確なキャラクターやビジョンを持つことで、ユーザーとの絆やチームでの意識統一がより強固なものになることを再確認しました。
幅広いユーザー層に対応するプロダクトの奥行き
ライトユーザーからヘビーユーザーまで、多様な層に対応できるプロダクトを目指すことの重要性を強く感じました。幅広いユーザー層に価値を提供するための“奥行き”あるプロダクト開発を意識していきたいです。
多様なユーザーに長く使われるプロダクトを作るためには、その奥行きを持たせることが不可欠だと再認識しました。
成功に導く強い当事者意識
「プロダクトをリードするのは、最も強い当事者意識を持つ者であるべき」という言葉が強く心に残りました。自分のプロダクトに対して、これまで以上に強い責任感を持ち、成功に向けた全責任を負う覚悟が必要だと感じました。
プロダクトの成功には、情熱と責任感が不可欠であることを再確認し、さらに積極的に取り組んでいこうと思います。
プロダクトを語れるPdMの責任
「PdMは誰よりもプロダクトの価値を語れる存在であるべきだ」という言葉に強く共感しました。自分のプロダクトを深く理解し、その価値を自信を持っていつでも説明できるPdMでありたいと感じました。
プロダクトに対する深い理解と誇りを持つことこそ、PdMとしての重要な資質であると改めて実感し、その魅力をさらに積極的に伝えていこうと思います。
これらは、PdM Career Sessionを通じて得られた学びや気づきのほんの一部です。マネーフォワードのPdMは、このセッションを通じてお互いに成長し、より良いプロダクト作りへの理解を一層深めています。
本当は、読者の皆さんにもこのセッションの内容をお伝えしたいのですが、具体的なプロジェクトに関するエピソード等が含まれているため、そのまま公開できず残念です。
ただ、参加者の声を通じて、PdMがどのように成長し、プロダクト作りに対する意識を高めているのか、少しでも伝わっていれば嬉しいです。
4. まとめ
PdM Career Sessionを通じて改めて感じるのは、強いプロダクトは強いPdMによって生み出されるということです。
マネーフォワードのコンポーネント型ERP戦略は、個々のプロダクトが独立して強く、組み合わせることでさらなる価値を生むよう設計されています。
この考え方は、PdM一人ひとりの成長やチームの連携にも通じています。PdMが個々に成長することで、プロダクト作りの質が高まり、それが組み合わさることでより強力なチームが形成されるのです。
CPO室の目標は、強いプロダクトを生み出し、それらが結集してさらに強いチームを作ることです。PdMの成長とチーム全体の発展を支えることが、CPO室のミッションです。
ぜひ、私たちと一緒により強いプロダクトを作り上げていきましょう!