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「リスペクト」の意味
創業から6期目の冬が始まり、今年も終わりに近づいている。
大学2年生。ふとしたきっかけで、今の事業に関わることになった。
右も左も分からないまま、社会に出た。
当たり前のように、これまでたくさん失敗してきた。
失敗してその反省を活かし、毎日進化し続けていること以外に誇れるものは自分には全くない。
TUNNEL VISION
小学校以来、リーダーになることを無意識的に避けてきていた。何かに、夢中になると周りを気にせずのめり込みたかった。
個人としては学業もスポーツも人並みにできてきたけれど、今考えると代わりに犠牲にしていたものも多かった。
TABILABOを始めてからの日々は目まぐるしかった。朝から晩まで働いても、増え続ける仕事量。あっという間に、1人の限界を迎えた。
必然的に、人と働くことも増える。自分で、働く人も見つけなくてはならない。手探りの中、採用を始めた。
やりたいか、やりたくないかではなく、やらなくてはいけなかった。
働く人は、コピーではない。
当たり前だが、一緒に働く人は、他人だ。そして、どんなに優秀でも、新しい会社の新しい仕事は、誰しもが初心者だ。自分が考えていることは丁寧に伝えないと理解はできないし、長く仕事をしている自分と同じように仕事をスムーズに進めることできない。
「なぜ、自分と同じようにできないのか?」苛立ちの矛先は、いつも他人だった。自分には甘く、他人に厳しかった。
思い返すと、本当に恥ずかしい。あのときの自分に言いたい、「一緒に働くメンバーは、あなたのコピーではない。」
自分を、「客観視」するキッカケ。
創業から3年。3軒目のオフィス。
仕事にも慣れ、卒業間近。そんな僕にターニングポイントがやってきた。
向上心も情熱はあるが、コミュニケーションが不器用。どちらかといえばこれまでの自分に近いメンバー(A)が入社してきた。
そこに、しばらくして海外出身のメンバー(B)が入社してきた。
客観的に見て、2人の得意なスキルは違う。違っているからいい。互いが、協力できれば個人では到底なしとげられないこともできる。なのにお互いに一歩も、譲らない。衝突は絶えない。解決したと思ったらまた問題が起こる。周りの雰囲気も最悪だった。
ぶつかりあうたびに、仲裁に入った。
お互いの主張を聞く。Bはよく英語で僕に言った
「彼には、respectが足りない。」と。
当時の僕は「リスペクトってなんやねん。」と思っていたぐらいで気にも留めていなかった。
「respect」の本当の意味
Bの発言の意味がわかったのはここ半年だ。あれからしばらくして、僕は相変わらずたくさん失敗した。でも、同じくらい反省も、勉強もした。
僕なりの結論は、こうだ。
respectは、日本語でしばしば用いられるリスペクトと意味が違う。
つまり、「尊敬する」ではなく「尊重する」だ。
尊重するとは、他人が自分とは異なるという前提で人と接することができるか?という意味だと僕は思っている。
たしかに、Bがいつも話をしていたのは、プロセスや、結果ではない。
「前提」だった。
恥ずかしながら、この意味を身をもって理解できるまで2年以上かかった。
僕が、あのとき「respect」の意味を理解できていたらAとBがこんなにもぶつかることもなかったし、周りのみんなに嫌な気持ちをさせることはなかった。本当に反省している。
一方で、東京で、忙しく暮らしているとそんな当たり前に気づくことができなくなってしまう。これは、僕だけでなく、同じような環境にいるすべての人に可能性があることだ。
自分は、たまたま気づくことができた。しかも、自分の実力ではなく、仲間と環境のおかげで。
そのおかげで、僕は、人と過ごす時間も、人と働く意味も大切にできるようになったと思う。これは、偶然もらったチャンスだ。
スキルも人間性もまだまだ未熟だと自覚している。
でも、日々「respect」だけは忘れないでいようと思う。
それが今の僕に、できることだから。