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コンプレックス

唐突に昔言われたことがフラッシュバックしてしまったので,残しておこうと思った.音楽をやっていなければ抱えることはなかったコンプレックスなんだけれど,今僕は結構コンプレックスとして抱えてしまっている.何かというと,「繊細な歌詞を歌うフロントマンは細身の人が多」く,僕は対照的であるということだ.僕は生まれつき(かどうかはよく覚えていないけれど)筋肉が付きやすい.もともと水泳をやっていたせいか(もわからないけれど)肩幅がある.しかも相当ななで肩.リュックサックさえも肩から逃げていく.しかも相当な速さで.別に自分がガタイが良いとかいうことはある時まで全然意識していなかったんだけれど,ライブをしたあとの楽屋かブッカーさんに「見た目と反して繊細な音楽をやるんだね」と言われた.これは本人にとっては恐らく褒め言葉だったんだと思う.僕もその人を責めたいわけでは全然ない,かなり昔のことだし.ただ,それから周りやそういったジャンルの人たちの輪郭を意識して見るようになり,自分との体格差に唖然とした.そして,目立たないようになりたくなった.一回目のアー写を覚えている人いるかな.あれはちょうど裏方に回りたかった時です.自分の顔に関しても(これは今もだけど)全然自信なんてこれっぽっちもなくて,なので帽子を深くかぶって隠していた.大きめのサイズの服と,なで肩が目立たないような,肩パット的なものが少し入っているもの.身体のラインが出ないようなブカブカのズボンがお気に入りだった.でも,対バンするバンドはスキニーとか履くからすごく羨ましかった.僕は履けないんだ,やっぱり(この間弟からスキニーの提案があって,買ってみようかと思って試着したけどやっぱりだめだった.店員さんのめちゃくちゃうまいセールストークでもだめだった).

音楽第一主義でいたい,という考え方の多分ある一部分には,自分という存在への自信のなさがあると思う.だから,偽名で活動しているし,できることなら実在しないコンテンツと成り果てたいという欲望がある.僕は中学生のころ,その年齢にしては老け顔だったらしく(他人に言われていて自覚した),その頃からイケメンと言われる人たちには圧倒的な劣等感を感じている.今になって,顔面と年齢が少しずつ擦り合ってきたのか言われなくなったけれど.たまにお世辞だろうけど,ありがたいことに人気俳優に似ているねって言われることがあって,とても嬉しいんだけれど,その嬉しさよりも怖さや「絶対ありえない」という気持ちが上回って自尊心が削れる.どんなに「本当だよ」と言われても信じられないレベル.自分で言っていて悲しい(泣).でもそれで調子乗って馬鹿にされている人を見たことがあるから,僕は調子に乗れない.というか,自分の顔に自信はないから調子なんて乗れない.でも,嫌いってわけではない.今26歳だけど,26年間一緒に生きてきたわけで,愛着がある.辛いときも嬉しいときも,いろんなときも一緒だったから整形したいとは全く思わない.(整形を否定しているわけではないです.あくまで自分はっていう意味).

服装とかを指摘されるのは,その服を変えればいいからどうにでもなるけれど,生まれながらにして持っているもの(例えば顔とか目とか耳とか口とか鼻とか)について指摘する人は,一生わかり合えないとおもっている.だって指摘したところでどうしようもないじゃん.どうしようもないことを指摘するってことは,わかり合おうとしないってことでしょ.だからもう無理だってなるし,壁10000000000枚くらいできる.だから,僕もそういうことは絶対言わないようにしている.あと,絶対許せないのは,髪を切った日の翌日に「髪変じゃん」とか言ってくるやつ,1人いたんだけれど,もう一生許さないと誓っている.地獄に落ちろと思っている.だって,言われてからもう数年間経っているけれど,その言葉がいつもフラッシュバックして,僕を傷つけている.なんなら報いを受けろと思う.お前は誰かを傷つけたんだぞ.

自分が言われたりされたりして悲しいことは,他人には絶対しないって誓っている.

そうそう,話は反れたけれど,音楽に関して,身体的な悩みが尽きなくて,フロントとして立つのがとても苦しいって思うことがある.写真とか見ると理想と現実を目の当たりにして消えたくなるときが多い.だから僕の写真をとてもうまく撮ってくれるカメラマンさんは貴重で,本当にありがとうという感じ.ライブをしているときも,「どんな感じで写っているのかな.大丈夫かな」という不安がよぎることがある.「音楽をやっている時だけは無敵だった」って言葉,わりとよく見る気がするけれど,僕にはそんなことは一度もない.いつも自分と他人と戦っている.

(細くなりたい.痩せたいとかじゃなくてね.だけど骨太だしなぁ.中学生のときに牛乳飲みすぎたのが良くなかったか.まさかそれによる反動が大人になってから出てくるなんて夢にも思わなかった.)

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takuma nagashima
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