雑記

文章を書くかと思った.とりあえず題名を書いてキーボードを叩き始めると特にブランクがあるような素振りを見せず,すらすらと画面上に文字が並んでいく.文章を書く(文字を並べる)行為と話す行為は明確に脳の使うエリアが異なるような気がする.

ちょっと尖った話をしよう.美しくとも儚い,とか散るものは美しい,とか,自然体がキレイだ,とか,ありのままが素敵だ,とか色々言葉はあるけれどそれは嘘だ.そのまま,というのは汚いものなのだ.何も変わらない場所やものは現状維持しているように思えるかもしれないが汚れていっている.例えば空き家を考えると,人の住んでいない空き家はそのままどんどん朽ちていき,虫や動物によって侵食されていく.ありのままというのは汚れていくものなのだ.それを美しいというのは幻想だと思う.ありのままに見せているだけで本当はありのままじゃないことがほとんどだ.そういうふうにできている.

空を見て空をキレイだなと思うのは,いつも違う姿を見せるからだ.

この生活に一つの変化を見出すために,日々一生懸命になって生きているんだと思う.今日承認欲求の話をした.以前のガツガツしたなにかに渇望した飢えのような気持ちはコロナとともに消えてしまった気がしたと話した.僕は満ちてしまったんだろうか.

誰かが「創作において,幸福になっても作れる人はまた新しいものを作れるから幸福になっても良い」と話していたけれど,僕には当てはまらない気がしてならない.もし万が一作れなくなってしまったときが怖いからだ.幸福とある程度の距離を保って,傷つきながら生きていくことが良いんだと思ってしまう.

星が僕の足元に降ってきて,それは綺麗ではない.僕らはその過程を美しいと言っているだけなのだ.

知らない場所の知らない人が,僕の音楽を聴いてくれているという,奇跡のような現象が最近よく起こっている.僕の音楽や言葉を必要としてくれる人がいるというのだ.未だに驚く.

僕が認識している時間と並行して君の時間も過ぎている.その事実がとても尊いなと感じる.しかしどうしても想像力が欠けていき,自分の周りは愚か自分だけの時間しか想像できなくなってしまうことがある.それがどうしようもなく悲しい.

久々に友人に会う.そこで生活を知ることができ,自分とは違う時間が存在することを思い出す.それぞれの時間が会うことで重なり,また離れていく.その繰り返しがきっと人生であり,もう会えなくとも「また会おう」と必ず言ってしまうのは,それを信じているからだ.

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takuma nagashima
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