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8年ぶりくらいに友人とあった

8年ぶりくらいに小学校、中学校が同じだった同級生Iに会った。彼との出会いは衝撃で、中学で同じクラスになった時の自己紹介の場面で「ギターを弾いてます」と話しており、当時の僕はギターは大人しかやってはいけないものだとなぜか思っており、脳天から電撃が走ったかのような感覚を覚えている。
僕は幼少の頃から中3までピアノを習っていたのだが,題名のない音楽会という番組ではオーケストラではピアノがおらず,バイオリンが主役のことが多かった.絶望していた.主役になれないのならなぜ僕はピアノをやっているのだろう,と思っていた.
自己紹介は4月だったので,親に「6月の誕生日前倒しで良いからギター買って良い!?」とお願いして,早々と近くのスーパーの島村楽器に駆け込み,Ibanezの青いアームが付いたギター初心者セットを購入した.ここでギターを始めたので,よく言う「持てるためにギターを購入する」とは全く異なるモチベーションで始めたのだ.主役になるために.

Iにギターを購入したことを伝え,バンドを組んだ.その時はBUMP OF CHICKENなんて知らなかったので,というより音楽を聞いていなかったため,とりあえず教則本に乗っていた曲を難しい順に弾いていった.なぜかわからないが「俺は簡単な曲なんてきっと弾けるし,難しいやつ弾けば大は小を兼ねる理論で弾けるでしょ」と安易な気持ちで弾いた.何も弾けなかった.
Iはメタルが好きな男で,中学生の初期はハードロックをよく聞いていた.僕も父がDeepPurpleをよく聞いていたそうで,僕の初めてのコピーはDeepPurpleのBurnだった.名前を聞いても知らない人も多そうだが,タマホームのCMでパロディコピーがされている曲だといえばきっと皆さんご存知だと思う.
なので,僕は実はDeepPurple等洋楽を通っている.
ただ,当時英語もよくわからず,バンド音楽という物自体の知識はなく音楽に衝撃を受けたわけではなかったので,ハードロックを深く掘り下げたわけでもなかった.とにかく課題曲を渡されて弾く,ということを繰り返していった.カノンロックは好きだったけど,当時は難しすぎてサビのところをへっぽこ技ギターで弾くというくらいのレベルだった(今は弾けるのかと言われると怪しい,,,)

高校生くらいで邦楽を知り,自分の歌が歌いたくなり自分のバンドを組んだ.その時の名前がノクターンだ.
あまり気取った名前にしたくなかったため英語はやめたくて,この名前になった.もう一つの候補は「モノトーン」だった.ノクターンで良かったと思う.

高校ではIとは違う学校に行くことになったので疎遠になり,せこせことバンド活動を続けていた.近くに自治体が経営するスタジオ込の公民館があったので格安で借りれたのはとてもでかい.
しかし,当時のメンバーは大学受験やら就職活動やらなにやらでみんなやめていき,Iにリードギターを頼めないかお願いした.ノクターンは当時4人編成だった.

そこから社会人になる直前まではIにリードギターを弾いてもらいながらの関係だったが,社会人になったところでバンドも空中分解しまたメンバー探しの旅となり,Iとは疎遠になる.

当然IはIでバンドを組んでおり,途中からIのバンドのライブの誘いをもらい,僕も自分のバンドのライブを誘うような関係まで戻って,定期的に連絡を取るようになった.
それが恐らく8年前.

そして,昨日久しぶりに再開といった流れだ.
Iは地元から引っ越ししたのが早かったため,当時中学だった時の担任に渡していた未来の自分への手紙というものを代理で受け取っていたが渡すタイミングが恐ろしくなかったため,それも昨日渡した.「時限爆弾だ」と言われた.

8年も会ってなかった人と会ったときに,本当に当時の感覚で話せたのはありがたかった.Iは何一つ変わっていなかった.(髪はとんでもなく伸びていたがそれ以外の変化はなかった.)
当時と同じで黒にギザギザのロゴのTシャツを着ており,ゴリゴリのオタクでメタラーでロン毛で,そのままだった.
時間が経っても変わらない人がいると,その人と接したときにその頃に戻れるというのを経験した.人は変わるものだと言うが,変わらない部分も多いのだと知った.

いや,一つ変わっていたところがあった.Iはギターをすべて売り払い,今はベースを弾いているという.なんで!?

僕がギターを始めるきっかけになった人物は,今はギターを手放しベースを弾いていた.僕だけがあの頃のままギターを弾いている.僕はあの時の自己紹介が理由でギターの道を歩むことになったっていうのに.

誰かが僕と会ったときに,「変わってないね」と言えるような場所になれるように,僕はギターを弾き続ける.

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takuma nagashima
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