Lean on Meが実践する副業者活用の秘訣とは?
ジョブサーフは、副業を希望する社員の皆さまと社会課題解決を目指すソーシャルセクターを繋ぐ、マッチングプラットフォーム「JobSurf」を運営しています。
今回は実証実験として、副業者であるシナジーマーケティング稲垣さんの受け入れに協力いただいた障がい者支援者向けのオンライン研修サービス「Special Learning(スペシャルラーニング)」を提供している株式会社Lean on Me 代表取締役の志村 駿介さんに副業者受け入れの実態について話を聞きました。
株式会社Lean on Me 代表取締役
志村 駿介さん
今回、副業者として受け入れをおこなった稲垣さんにはどのような業務を委託されたのですか?
当社の商材である障がい者支援者向けのオンライン研修サービスの販売営業の役割を担うフィールドセールスという部署に所属してもらい、従来は仕組み化できていなかった営業プロセスや売上予測といった領域の可視化と、業務設計といった仕組み化の役割を担ってもらっています。
これまで、副業者を受け入れたことはあるのでしょうか?
はい、今までも複数名受け入れてきています。今までのケースとしては大きく2種類あって、専門知識のある方にアドバイザーとして入ってもらうケースか、開発や動画編集のように実際に手を動かしていただくケースという形で受け入れをおこなってきました。
ただ、今回のように営業現場に入ってもらうような受け入れは初めてのケースとなります。
今回の副業者である稲垣さんを受け入れるにあたって、どのように委託業務を決定しましたか?
営業側に入ってもらうのは決まっていたのですが、副業という働き方の都合上、プレイヤーとして入ってもらうのは恐らく難しいだろうと判断しました。
これまでの経験を拝見するなかで、業務の設計や売上を積み上げていくための仕組み作りといったところで知恵をいただけそうだという話を事前に社内で話し合いまして、そのあたりの業務を中心にお願いすることにしました。
具体的な業務内容のすり合わせや業務の進め方についてはどのように実施しましたか?
稲垣さんとは別でビジネス戦略設計をお願いしている副業の方がいるのですが、その方に丸々お任せしました。
副業で入っている方が他の副業者をマネジメントするという形ですね。
その方が副業で入った方も同じ目線でフォローしてくれる人がいて安心できると考えたためです。
結果的に、良い形でまわったんじゃないかと思います。
受け入れ開始2ヶ月で、どのような成果がありましたか?
これまでは、フィールドセールスの部署から売上の目標と実績のみが上がってくる状態だったため、実態が掴みきれないという課題が発生していました。
稲垣さんに入っていただいたことで、実態の詳細を報告してもらったり、売上のプロセスや、KPIの確からしさなどが可視化されるようになり、それを根拠に今後の改善施策案も上がってくるようになりました。今までと比較するとすごく大きな変化ですし、期待以上の動きをしてくれていると感じています。
業務による成果以外で良かったことはありますか?
やはり社内メンバーだけで改善案を出そうとした場合、従来の方法の延長線で考えようとするので新しい発想に至りにくいんですよね。
それを外部から来た副業の方に一緒に考えてもらうことによって、他の選択肢があるということを意識させてくれるのが非常に良いことだと感じます。
今までは専門家の方に副業で入ってもらうことが多かったので、日常の業務レベルで社員の皆さんが相談するような機会はなかったのですが、今回入ってもらった稲垣さんはより近い存在として動いてもらうことで、社員の皆さんの刺激になっているんじゃないかと思います。
社員の皆さんと伴走していく働き方をされているのですね。
そうですね、この時期のスタートアップで求める相手は、評価をしてくれるコンサルタントではなく、現状を客観的に見てどこから着手すべきかという具体的なアドバイスを提案したうえで、その実現に向けて一緒に動いていくという、泥臭い業務もやってもらうパートナーです。
稲垣さんの場合は実務まで踏み込んでもらっているのが一番上手くいっている要因かと思います。
業務をお願いするなかで、困ったこと、改善すべきポイントなどはありましたか?
業務を開始する前に、お互いすり合わせができていたので、業務を進めるうえで特に困ったことはありませんでした。
コミュニケーションにおいても、スピード感を求めるものではなく情報収集したうえでまとまったアウトプットを出してもらうというコミュニケーションを取ってもらうようにしていたので、双方で認識のズレはなかったように感じます。
ただ業務を進めてもらうなかで信頼関係が出来ていくと、今以上に頼りたくなる気持ちは増してきます。
一方で、業務委託の関係性のなかでこの業務はお願いしたいけどできないという線引もあるので、そのあたりは仕方がないのですが、困ったポイントかと思います。
今後、稲垣さんに期待することはなんですか?
この2ヶ月間、恐らくあと約1ヶ月は組織の土台を固めることに注力してもらうことになると思います。
現状を可視化、把握したうえで拡大していくための施策が見えてきたタイミングのため、この先としてはその施策をまわして、実際にどう拡大していくかという段階に入っていきます。
そこで実際に効果が出てメンバーのみんなに成功体感や達成感を味わってもらい、達成文化を醸成していってもらいたい、というのが今後期待していることです。
副業者を受け入れるときのポイント等があれば教えていただけますか?
今回のケースは、まだ何も仕組み化が出来ていないなかで、ゼロから仕組みを作っていくというタイミングだったこともあり、比較的うまくいっていると感じています。
これがある程度仕組み化出来ている状態で、プレイヤーを増やすようなタイミングであればなかなか難しいと思います。
そのため、例えば新設したばかりの部署に入ってもらうとか、新規事業の立ち上げといったところに知識、経験のある方を副業で受け入れると上手くいく可能性が高いと思います。
その他だと、中長期的な取り組みが必要なためにKPIがない業務、例えば広報や採用支援といった領域を副業の方にお願いするのも良いかと思います。
緊急度は低いけど優先度が高くて、現時点で手をつけられていない業務というのが最も副業者と相性が良い領域だと思います。
最後に、JobSurf に期待することは何ですか?
やはり当社はスタートアップですし、副業の方に基本的なことを指導するというところまでコストを割くのは難しいと感じています。
そのため実務経験を積んでいることに加え、新しいことが好きなイノベーティブな気質を持った方とJobSurfでマッチングできる機会が増えるとありがたいですね。
志村さん、ありがとうございました!
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