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自閉症(自閉症スペクトラム)には、「社会性」「コミュニケーション」「想像力(こだわり)」といった3つの障がい特性があります。簡単ではありますが、ひとつずつ解説したいと思います。

社会性

社会の常識や暗黙のルールが読み取りにくく、場や状況にそぐわないことをするといった特性があります。ご本人たちの言葉でよく聞かれるのは「空気が読めないと言われた」などで、場違いなことをしてしまう場合もあります。曖昧なことが分かりにくい自閉症の方にとっては、暗黙のルールや雰囲気、空気感を読み取って行動することは理解しづらいため、結果的に空気が読めないとなっているようです。
ただ、学校や職場のルールが分かりやすく示されていたり、経験として学習できていることで適応できることは多くなります。

コミュニケーション

コミュニケーションは、「表現」「理解」「やりとり」に分けて考えることができます。「表現」は独特な言い回しや一方的に話すことなどがあり、「理解」においては偏った解釈や字義通りの理解、抽象的な理解の苦手さなどがあります。また、「やりとり」ではうなづきや相づちがタイミングよくできず、結果的に会話が弾まなくなる場合があります。
ただ、これらはあくまで一般的な特性であり、もちろん個人差はあります。それに、自閉症の人はコミュニケーションに苦手意識を持つ人は多いものの、「人と話したい」「会話をしたい」と思っている人が多いのも事実です。

想像力(こだわり)

ひと言で説明すると、「見えないものが理解できない」といった特性があります。世の中には見えないものがたくさんあり、相手の心、将来や未来、未経験なこと、時間管理など、あげればキリがないものです。見えないものは想像することが難しいため、理解が難しいとされています。
ただ、逆に言えば、具体的で明確なものや経験済みなことなどイメージしやすく理解が早いです。曖昧なことではなく具体的なことを好み、口頭ではなく視覚的なことや経験したことを好む傾向にあるのがここでの特徴です。

 

「3つの特性」は、自閉症の特性として共通されたものですが、特性には濃淡があり、十人十色です。ポイントは、一人ひとりの特性をよく知ることであり、特性に応じた関わり方が大切な視点となります。

 

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