ジョブジョイントおおさか「コラムtoiro」

ジョブジョイントおおさかは、自閉症・発達障がいに特化した就労支援事業所。コラムtoiroは、十人十色からつけました。 ご本人、学生さん、お子さんを少しでも応援できるコラムを発信していきます。 https://jobjoint-osaka.com/

ジョブジョイントおおさか「コラムtoiro」

ジョブジョイントおおさかは、自閉症・発達障がいに特化した就労支援事業所。コラムtoiroは、十人十色からつけました。 ご本人、学生さん、お子さんを少しでも応援できるコラムを発信していきます。 https://jobjoint-osaka.com/

マガジン

  • 自閉症啓発デーに合わせて

    • 4本

    自閉症・発達障がいに関することを配信していきます。

最近の記事

発達障がいのある大学生の「ライフスキル」。就職前に土台づくりをしよう!

ライフスキルとは、「日常生活スキル」のこと。大学生に置き換えて考えてみると、生活リズムを整えるとか、食生活、ストレス処理、時間管理や金銭管理、健康管理など、あてはまる項目はいろいろとあります。 発達障がいのある人で就職後の離職要因に、ライフスキルは大きく影響しているという研究結果もあり、社会人生活を続ける上で土台となりうる「ライフスキル」は、結構と大事だったりします。   さて、ライフスキルは、「就労準備性ピラミッド」で考えると、真ん中から下の部分に当てはめて考えること

    • 気持ちが落ち着かないときは、ひとまず紙に書いてみる

      最近は、「書くこと」を意識的に頑張ろうと思っています。気持ちが落ち着かないとき、考えがまとまらないとき、あれこれ考えてると頭の中がグルグルしてるときなど、とりあえずノートに書いて目で見れるようにしています。 先日も利用者の方と話していて、心配や不安なことへの対処法について話題になりました。気になることがあると色々考えすぎてしまい、どうしても、悪い方へ悪い方へと気持ちや考えがネガティブに働いてしまうようでした。 色んな話を聞かせもらう中で利用者の方と一緒に色々考えたのですが

      • 猫に学ぶ発達障がい4・ここちよい環境の大切さ

        私が猫と暮らしていて一番に驚いたことは「猫は居心地のいい場所を見つけるのがとても上手」だということです。 かまってほしいときは家族が集まるリビングのテーブルの上、1匹で寝たいときには冷蔵庫の上のかごの中。縁側にできた日だまりを追って、寝返りをうちながら移動しているなんてこともしょっちゅうです。猫の気ままなイメージはどこへやら、気持ちよさのためなら手間暇は惜しみません。   そしてこれは、しばしば見習うに値する習性でもあります。 なぜかって? 私たち発達障がい当事者は「

        • 猫に学ぶ発達障がい3 ~本人だけにわかるこだわり編~

          我が家の猫は、窓の外を眺めるのが好きです。日当たりの良い午前中、部屋にある大きな窓のところで丸くなり、道行く人や車を見送っています。たまに野良猫が通りかかったときは毛を逆立てて唸っているところを見ると、縄張りを見張っているつもりもあるのかもしれません。   そんなある休日の朝、私は服や小物にアイロンをかけておりました。高温になる器具ですから、何にでも興味を示す猫が触っては大変です。アイロンのスイッチを入れる前に、私は猫を廊下に出して、部屋の戸を閉め切っておりました。 に

        マガジン

        • 自閉症啓発デーに合わせて
          4本

        記事

          猫に学ぶ発達障がい2 ~後をひく失敗編~

          朝晩の冷え込むようになった昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。発達障がい当事者の皆様には、体温調節がうまくいかず、風邪をひいた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね(私のように)。   そんな季節ですが、我が家に暮らすハチワレ猫は、しばらく自分用のクッションに近寄ろうとしませんでした。 ことの次第はこうです。   我が家の猫は活発な性格で、テーブルから食器棚へ飛び移るなんてことも平気でやります。その日もテーブルに置かれたクッションの上から、台所のワゴンへとジャン

          猫に学ぶ発達障がい2 ~後をひく失敗編~

          発達障害の就職活動、ポイントは「強み→自己PR」「弱み→合理的配慮」

          ご本人に、就職活動のことを後から振り返ってもらうと、どの人も皆、「よくない思い出」とコメントされることが多いように思います。先が見えない中、見通しが持ちづらく、出口のないトンネルにいるような感覚でもあり、ジョブジョイントおおさかを利用していた期間の中で一番苦しかった時期でもあると、聞くこと多いです。 就職がなかなか決まらないことが焦りに繋がり、自信がなくなってしまうこともあるようですが、それに加えて、応募書類の作成や面接対策も大変だったようです。自己理解を深め、企業の人に分

          発達障害の就職活動、ポイントは「強み→自己PR」「弱み→合理的配慮」

          実録発達障がい2・自分の疲れに気づかない

          「はっきり言って、お母さんより、あなたのほうが深刻です」 これは私が、ご近所の接骨院で、実際に言われてしまった言葉です。 一体何がどうしてそうなったのか。発達障がいの人が健康に気をくばる上での、ちょっとした落とし穴について、今回はお話しいたします。   ことの始まりは8月初旬、母が通っている接骨医院を訪ねてみたときのことです。押しても揉んでもどうしようもなかった母の肩こりを治してくださった医院ということで、我が家での信頼はかなりのもの。物は試しと、私もお世話になってみる

          実録発達障がい2・自分の疲れに気づかない

          しんどい時期は、そう長くは続かないと思う

          しんどい時期は、人によってそれぞれかと思います。僕の個人的な話で言えば、社会人になって約20年の中で、つらくてしんどくて、ストレスフルだった時期は、思い出すと色々ありました。   1年間の中で何度もしんどくなることもあれば、数年に一度で大きな出来事が起こったり、しんどい時期が単発で終わるものもあれば数ヶ月など長期間続くものもありました。 どれも、今となっては過去の話ではありますが、あまり思い出したくないものもあり、こうやって書くことで思い出すこともあるとなると、これ以上

          しんどい時期は、そう長くは続かないと思う

          猫に学ぶ発達障がい1

          「自分と他人は違うもの」 わかっていても忘れやすく、ふとしたときに気づかされることです。 発達障がいの当事者さん、あるいは周囲の方々にとっては、とりわけ意識しやすいものでしょう。 もうすぐ夏を迎える季節、我が家でもそれを感じさせる出来事が起こりました。   我が家には猫がいます。黒と白のハチワレ猫です。 体のほとんどが黒いため、熱吸収率もばっちり。六月も近くなった現在、涼を求めて、廊下でごろごろ寝そべっていることが多くなりました。かわいいけれど危険です。踏んでしまっては

          「就活のススメ」に参加して自己理解を深めよう

          大学生や短大生、専門学生を対象に「就活のススメ」を開催してます。今年で10年目の開催となり、6〜3月まで月1回程度あるプログラムはグループワークがメイン。毎年30人ほどの学生さんが参加されています。 今回は、「就活のススメ」のご紹介したく、学生さんに向けてのお話です。   この1年は、コロナが後押ししたこともあって、人との接点は限られてしまいました。どこかへ外出することで得られる体験価値(経験)もすっかり減ってしまいましたね。僕も、自宅と職場を往復する毎日です。 学生

          「就活のススメ」に参加して自己理解を深めよう

          就職活動の進め方

          ジョブジョイントおおさかでは、株式会社エンカレッジと協働で「発達障がいやコミュニケーションに苦手さのある大学生向けの就活支援プログラム『働くチカラPROJECT』を学生さんにご提供しています。 3月の土曜日。「就活のススメ」「就活のハジメ」があり、今年度のプログラムがひと通り終わりました。3/31の「春のインターンシップ報告会」が終われば全てのプログラムが終わることになります。 「就活のハジメ」の最終回では、「就活準備講座」をテーマに開催。3月1日から就活解禁ということも

          こだわり(好きなこと)

          好きなこと。発達障害者にとって、それはしばしば「こだわりの強さ」とセットで表れます。「好きな服は〇〇社、綿100%のスタンドカラーのシャツ」と言ったら、他のシャツは一切含まれません。ずっと同じシャツばかり着続けているといった例は、感覚過敏も含め、身近に見られることでしょう。 しかしこの話をすると、先回りして「こだわりなんて言うけど、要は面倒くさいってことでしょう?」なんて自らおっしゃる当事者さんもいます。残念なことです。発達障害者のこだわりは、なぜ問題視されがちなのでしょう

          環境との相性

          「自閉症とは」でもご紹介したように、「周囲環境との相互作用」は自閉症の人を知る上でとても大切な視点。学校や職場の環境、物理的な環境や人的な環境など、環境には様々な状況があると思います。 ここでは「相性」という言葉を使って表現しています。人と人との相性に良し悪しあるように、自閉症と環境にも適することと適さないことがあります。「合うことも合わないこともある」ってことをまずはご理解いただけたら嬉しいです。   自閉症の人にとって好ましい環境とは、「キッチリしてること」「ハッキ

          3つの特性

          自閉症(自閉症スペクトラム)には、「社会性」「コミュニケーション」「想像力(こだわり)」といった3つの障がい特性があります。簡単ではありますが、ひとつずつ解説したいと思います。 社会性社会の常識や暗黙のルールが読み取りにくく、場や状況にそぐわないことをするといった特性があります。ご本人たちの言葉でよく聞かれるのは「空気が読めないと言われた」などで、場違いなことをしてしまう場合もあります。曖昧なことが分かりにくい自閉症の方にとっては、暗黙のルールや雰囲気、空気感を読み取って行

          自閉症とは

          自閉症(自閉症スペクトラム)は、先天的な脳機能の障がい。先天的ですので生まれ持った障がいです。ただ、診断の時期は人によって「ちがい」があり、幼少期に診断を受ける人もいれば、学齢期や大学、社会人になってからという人もおられます。 自閉症の方は、「周囲環境によって障がい特性が大きく変化する」といった特徴があります。自閉症は発達障がいのひとつですので、発達の遅れと誤解されがちですが、遅れではではなく「偏り」があるのが特徴。「得意なこと」「苦手なこと」にアンバランスさがあります。そ

          こころが不調なとき〜ご家族へのお願い〜

          寒い日が続いてますね。例年よりはあったかいみたいですが、やっぱり冬は寒い…。ついつい家に閉じこもっていたくなります。 今の大阪は、緊急事態宣言中ということもあって、不要不急の外出は控えるようにとあちこちで言われてます。医療関係者の方のことを考えると、家で過ごす時間も大切なことです。 冬は、日照時間が少ないため、太陽を感じる時間が少なくなります。家に閉じこもっているとなおさら感じにくいですね。 寒さ、太陽の時間、コロナによるいろんな刺激や心配・不安な気持ちなど、今年の冬は

          こころが不調なとき〜ご家族へのお願い〜