ホワイト企業勤務の桃太郎
むかしむかし、50代のおじさんとおばさんが、充実した住宅手当で都内の高級タワーマンションに暮らしていました。
おじさんは副業可能な職場でサイドビジネスに励み、おばさんはフルリモート環境でワークライフバランスを実現していました。
ある日、おばさんがリモートワークをしていると、クロネコヤマトから大きな桃が届きました。
「まあ、これはふるさと納税の返礼品かしら」
おじさんとおばさんは桃をシェアしようと切ってみると、なんと中からかわいい赤ちゃんが出てきました。
「これは素晴らしいサプライズだわ」
二人は喜び、イクメン・イクママとして男の子を「桃太郎」と名付けしました。
おばさんは即座に育休を申請。会社からの祝福とともに、社会保険料が免除され、育児休業給付金をもらいました。
桃太郎は両親の愛情に満ちた環境でスクスク育ち、やがてホワイト企業「ピーチ株式会社」に入社しました。
入社後、桃太郎は充実した充実した研修制度や1on1を通じて、やがて人事部の若手エースとして頭角を現します。
そんなある日、ピーチ株式会社のCEO から声がかかりました。
「桃太郎君、株式会社鬼ヶ島に出向してくれないか。彼らの働き方改革をリードして欲しいんだ」
桃太郎は意気揚々と鬼ヶ島に赴任し、早速プロジェクトチームをオーガナイズします。
タレントマネジメントシステム「カオナビ」を駆使して、人事のタレントプールから、社労士資格を持つイヌさん、ダイバーシティ&インクルージョンの第一人者サルさん、そして人事制度改革の実績があるキジさんをアサインしました。
鬼ヶ島では、パワハラ鬼上司のもとで鬼たちが毎日激務に追われ、バーンアウト寸前でした。
桃太郎たちは、鬼たちと定例会議を重ね、生成AI導入による業務効率化や、フレックスタイム制度やサバティカル休暇の導入、成果を出した若手にも報いる人事制度などを提案しました。
最初は抵抗勢力だった鬼上司も、徐々にマインドセットが変化し始めます。
「こんなにエンゲージメントの高い職場になるなんて!」
プロジェクトは大成功。株式会社鬼ヶ島は東洋経済オンラインの「働きたい会社」で1位を獲得し、桃太郎たちは社内表彰を受けました。
おじさんとおばさんは、桃太郎の成果を誇らしく思い、家族で福利厚生を使ってエクシブ箱根離宮家族に宿泊。祝杯をあげました。
そして桃太郎は、本社で人事部長に昇格し、ワークライフバランスのとれた人生を送りましたとさ。
めでたし、めでたし。
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