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禁止の裏で静かに儲けている企業がある

はじめに

脱炭素、禁煙、健康志向、ギャンブル規制。

これらのトレンドは不可逆なものである一方、そのトレンドと逆行したビジネスをこっそり展開することで、大きな利益をあげている会社があります。

今回は、「禁止の裏に儲けあり」をテーマに、トレンドに逆行したビジネス戦略がいかに成功を生み出すのか、具体的な事例を交えながら解説していきます。

私自身、スモールビジネスを行う際、この視点は意識しており、いくつかのビジネスで応用しています。その結果、成功確率が高い戦略だとも思っています。

副業で稼ぎたいと考えている方にとっても、ビジネスチャンス発見のヒントになるはずです。

トレンドに逆行したビジネスに儲けあり

「儲かるならみんなやってるはず」そう思っていませんか?

確かに、多くの人が目指す市場は競争も激しく、生き残るのは容易ではありません。しかし、あえて「みんながやらないこと」「やれないこと」に目を向けることで、大きなビジネスチャンスが生まれることがあります。

さらに、これらの「逆張りビジネス」は、大々的に宣伝することが難しいという側面も持っています。倫理的な問題や社会的な批判を浴びるリスクがあるため、ひっそりと、しかし確実に顧客を獲得していく戦略を取っているのです。

例えば、世界的な脱炭素の流れの中で石炭事業への投資を拡大した資源商社、禁煙化が進む中で喫煙可能な居酒屋を展開する経営者、健康志向が叫ばれる中で高カロリーメニューで勝負する飲食店、ギャンブル中毒が社会問題化する中でこっそり儲けている有名企業。

一見、時代に逆行しているように見えるこれらのビジネスは、実は明確な戦略に基づき、大きな成功を収めています。そして、その成功の裏には、「静かなる儲け」という共通点があるのです。

では、彼らはどのようにして「逆張り」で成功を掴み、そしてどのように「静かに」儲けているのでしょうか? 具体的な事例を見ていきましょう。

グレンコアの事例:時代の流れに逆行した石炭投資

世界的な脱炭素化の流れの中、多くの企業が石炭事業から撤退する選択をしました。しかし、スイスの資源商社グレンコアは、この流れに逆行し、石炭資産を格安で積極的に買い進めました。

一見無謀とも思えるこの戦略は、大当たり。2022年には、石炭価格の高騰を背景に約3兆円もの利益を計上したのです。

もちろん、この戦略は批判を浴びるリスクも高く、大々的に宣伝することは困難です。グレンコアは、この点を十分に理解しており、比較的静かに事業を展開しています。しかし、その「静けさ」の裏で、彼らは巨額の利益を手にしているのです。

禁煙トレンドの中での喫煙OK居酒屋の成功事例

日本では、健康増進法の改正により飲食店の禁煙化が進んでいます。しかし、一部の居酒屋は「喫煙目的施設」としての届け出を行い、店内での喫煙を可能としています。そして、これらの店舗の中には、禁煙化の流れに逆らうことで、売上を維持・増加させているところも存在します。

彼らは、禁煙化によって行き場を失った喫煙者のニーズを的確に捉えました。完全禁煙化は時代の流れとはいえ、喫煙者の数は依然として多く、彼らにとって「安心してタバコを吸える場所」は貴重な存在です。このニーズに応えることで、喫煙可能な居酒屋は競争優位性を築き、成功を収めているのです。

しかし、彼らは大々的に「喫煙OK」を宣伝することはありません。むしろ、口コミや常連客のネットワークを通じて、ひっそりと集客を行っています。それは、社会的な批判を避けるための戦略であり、同時に、限られた顧客層に確実にリーチするための効果的な方法でもあるのです。

株式会社のみもの。の高カロリー戦略:健康志向へのアンチテーゼ

健康志向の高まりを受け、低カロリーでヘルシーな食事がトレンドとなっています。しかし、株式会社のみもの。は、このトレンドに真っ向から挑み、高カロリーでボリューム満点のメニューを提供する飲食店「カレーは飲み物。」「とんかつは飲み物。」などで成功を収めています。

同社の戦略は、健康志向一辺倒の市場において、あえて「高カロリー」「ボリューム満点」なメニューを提供する飲食店で差別可を図っています。

奇抜な店名と、若者を中心に根強い人気のある「がっつり食べたい」というニーズを捉えることで、独自のポジションを確立することに成功したのです。

しかし、健康ブームの真っただ中で「高カロリー」を宣伝 するのはリスクがあります。そのため、のみもの。も過度な宣伝は避け、口コミやSNSなどを活用した、比較的小規模なマーケティング戦略を採用しています。

AbemaTVは公営ギャンブルで儲けている

インターネットテレビ局「AbemaTV」を運営する株式会社AbemaTVは、競輪・オートレースのインターネット投票サービス「WinTicket」を展開しています。ギャンブル依存症が社会問題化する中、WinTicketは2022年9月期に最終利益1億9300万円を計上し、黒字転換を果たしました。

また、2023年9月期には最終利益が41億円と大幅に増加し、AbemaTVの収益ドライバーとして急成長を続けています。

これも社会的な懸念がある分野での事業展開が、こっそりと企業の収益向上に寄与している例です。

まとめ

グレンコア、喫煙OKな居酒屋、高カロリー飲食店、そして、WinTicket。

これらの事例は、一見すると時代の流れに逆行しているように見えますが、実は緻密な市場分析と戦略に基づいたビジネスモデルを展開しています。そして、彼らは皆、「静かに儲ける」という共通戦略を取っているのです。

副業を考える際にも、これらの事例から学ぶべき点は多いはずです。

なぜなら、「逆張りビジネス」は、炎上が怖い大手企業が参入できない領域だからです。これが参入障壁となるため、持たざる者たちにとって有効な戦略の一つです。

副業というのは圧倒的に不利なゲームです。

フルコミットで命を懸けてビジネスに従事している人たちと比較して、使えるお金、時間、モチベーションが大きく違います。だから、頭を使って、知恵を絞って、戦う必要があると私は考えています。

実際に私もこのあたりのことを意識して、副業でスモールビジネスを複数展開しており、そのおかげで静かに利益を生み出すことができています。

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