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Xデザイン学校2024マスターコース#4

このノートは講座のリフレクションであり、自分のための備忘録になります。


ユーザー調査

第4回目はユーザー調査。調査の概要と方法を学んだ後、ワークショップにてインタビューを行いエクスペリエンスマップにアウトプットを行う実習を行いました。

ユーザーリサーチとは

デザインリサーチ:デザインの枠組みの中にリサーチがある形でデザインの中で必要に応じてリサーチを行う。
アクションリサーチ:リサーチの枠組みの中にデザインがある形。アイデアがあったらすぐにテストしてどんどん変えていく。ユーザーと共同していきながら作る形。
デザインリサーチとアクションリサーチがユーザーリサーチと言える形で、それぞれが分断されていたり離れている形は古く、好ましくない。

ユーザー調査の調査目的

ユーザー調査は調査目的によって、検証的調査と探索的調査に分ける。

  • 検証的調査

    • 検証した内容を正しいかどうか検証するための調査。マーケティング調査もこれにあたり、ユーザーテストも含まれるのだと思う。

  • 探索的調査

    • 明確な仮説をもたずアイデアや仮説を作るための基礎的な調査。デザインの初期段階の価値検証がこれに当たるので定性的調査をすることが多い。

ユーザー調査の手法:混合法

定量・定性手法のそれぞれの利点を組み合わせた手法。調査の目的や対象によって調査方法を組み合わせる。
定性データによる示唆によって仮説を作成して仮説検証のために定量調査を行うなどの探究的デザインの場合に行うなど考えられそう。

ユーザー調査の基本:トライアンギュレーション(三角測量)

複数の調査手法を使っていろんな角度から調査を行う。ユーザーテストとインタビューを組み合わせたことはあるが確かにもっとやると効果的だと思う。また複数のリサーチャーで行うのも大事だと思うが案件状況にかなり左右されそうだしまだできている現場を見た事はないので難しいと感じる。

ユーザー調査の5段階のプロセス

  1. 計画:ユーザー調査の目的、アウトプット、調査手法、分析手法、被験者、スケジュール、予算などを明らかにする。

  2. 準備:対象となる被験者のリクルーティング、予備調査、会場や記録設備の準備など。

  3. 実施:調査の実施。

  4. 分析:統計的分析手法や構造的分析手法を活用して、データを分析する。

  5. 報告:調査データのまとめ、わかりやすい表現にする。

外から見ると内から見るの繰り返し

観察は外から。インタビューは内面を見る。人は言ってることとやってることは違う。
おばあちゃんに洗濯機使いやすいか?を聞くと使えてると発言するが、実際見るとポストイットで順番が書いてある。
行為が本当のファクトになり得るので観察は必要だが、それだけだと意図が分からないので行為を見たら意図を聞くのが大事。

リサーチの目的の一般的な解釈
・対象ユーザーがどんな価値を持ってるか?(内)
・どんな利用や行動をしているか?(外)

調査の3ステップ:3点が揃って調査報告になる

3点セットで調査報告をする。

  • 調査計画

    • 別の人が再現できるくらい詳細に書く。

  • 結果

    • 分析せずにありのままを書く。

  • 分析

    • 自分の解釈と、結果とのつながりを解説を記載する。

調査では、見える物だけではなく、価値や暗黙知を見つける。

  • 調査結果:目に見える物や体験

    • 見える人工物:環境、空間、プロダクト、メモ

    • 見える行動:やったこと、やっていること

  • 価値分析:意識している価値観

    • 意識している個人的価値:大事にしていること

    • 意識している文化的価値:やるべきこと

  • 暗黙知の発見:背後に潜む基本的な仮定

    • 無意識に当たり前とされる信念、認識、思考、感情、美意識

調査結果が結果で価値分析と暗黙知の発見が分析。

調査から3つの知見を得る:調査結果、価値分析、暗黙知

  • 調査結果:目に見えるものや体験

    • インタビュー調査、観察調査

    • インタビュー分析(KJ法、SCAT)

    • ワークモデル分析、ジャーニーマップ

  • 価値分析:意識している価値観

    • 上位下位価値分析

    • KA法

  • 暗黙知の発見:背後に潜む基本的な仮定

    • 違和感の発見

    • 本人が意識していない価値の分析

体験と価値の分析手法の違いは理解していたつもりだったが改めて参考になることがあり自分の中で整理ができた。

ビジョンから問いのデザインをする

リサーチクエスチョンの立て方としてビジョンから問いを発送する。
また違和感や疑問から問いを立てるのも有効。

調査計画書を作成する

  • 調査概要

    • 調査目的

    • 調査概要(対象、場所、内容)

  • 基本情報アンケートシート

    • 事前、事後に被験者に記入してもらう

  • 調査のプログラム(時間割:40分から60分程度)

  • はじめに

  • インタビュー

  • クロージング

調査目的のまとめが難しく、報告書を書く際に結果と紐づける必要があるため書き方を工夫する必要があると考える。

ユーザーインタビューとビジネスインタビュー

ユーザーインタビューとビジネスインタビューの共通点としては現状を把握することだが違いとして、対象が人か環境かの違いがある。ユーザーインタビューは対象ユーザーに関わる現状を把握するが、ビジネスインタビューはビジネス環境を把握するために行う。

ユーザーインタビューの調査視点

  1. 人の価値と人物像の視点:どのような価値を持っていて。、どのような人物であるか?(変化しない部分)

  2. 人の行動の視点:どのような行動をして、どのような課題や思いがあるか(変化している部分)

  3. 人やモノや環境の視点:人とモノや環境がどのように関わっているか?(対象物により変化する部分)

価値観は変化しないため、人の価値と人物像の視点を見つけることが一番優先度が高い

ビジネスインタビューの調査視点

  1. 人の視点:企業の経営者や社員の思い

  2. ビジネスの視点:企業のビジネスモデル

  3. 社会と技術の視点:社会における、その企業の意味や役割。商品社サービスに関する技術

ビジネスインタビューに関しても人の視点の価値観は変化しないため優先度が高いと思うが、ユーザーインタビューと違って、役職や役割を持った人の視点になるため価値観を聞き出すのは難しい印象。調査の難易度が高いため深掘りがより必要になるのではないかと考えられる。

インタビュー項目のポイント

すべてが必須ではないが以下のポイントを抑えるのが効果的

  1. 人物像を知る:役割と目標、大事にしている価値や想いを知る

  2. 現状の状況を知る:現状の活動、目標、課題や想いを知る

  3. テーマに関して知る:テーマに関する現状、活動、課題や想いを知る。

これらをその後にエクスペリエンスマップなどで可視化する場合にどんな軸で作成するかを決めておくと1〜3の項目内でのスクリプトを作りやすい。

体験の視覚化

エクスペリエンスマップなどで体験を視覚化することで以下に繋げることができる。

  • 現状の体験の把握

  • 体験視点での発想

  • 新しい体験の提案

  • プロトタイプの構想

  • 体験視点の評価

代表的なエクスペリエンスマップ:

  • ユーザー体験の視覚化のジャーニーマップ

  • サービス(ユーザーと提供側)の視覚化のとサービスブループリント

エクスペリエンスマップ作成のためのアプローチ

  1. 基本要件の確認

  2. 横軸の設定

  3. 縦軸の設定

  4. プロットの設定と記入

1.基本要件の確認
エクスペリエンスマップの基本要件として、マップ作成の目的、マップのコンテキストとテーマがある。
マップを通して視覚化したい部分であるテーマを最初に設定する必要がある。どういうテーマで視覚化するか?ビジョンとターゲットからテーマを視覚化する。

2.横軸の設定
エクスペリエンスマップにおける横軸は時間軸。時間軸にはマイクロとマクロの視点があり、目的に応じて何年なのか何分なのか、タスクとタスクの間隔を記述するのか?等の視点を検討する

3.縦軸の設定
ユーザー体験の3つの軸である「時間軸・環境軸・人間軸」を使用する。他の軸も目的に応じて考えても良い。
環境軸:その人の環境の変化
人間軸:感性の変化

いずれにしても既存の型化されたものを使用するのではなく、何を表現したいかによってプロジェクトごとに横、縦軸を考えることが大事。バウンダリーオブジェクト(相互理解を促すために異なった背景や立場の人を繋ぐためのもの)をデザインする感覚が必要になってくる。

ワークショップの実施

  1. チームのビジョンから対象ユーザーの設定

  2. 対象ユーザーに近いチームメンバーを選定して、模擬でインタビューを行う。

  3. 調査項目をもとにエクスペリエンスマップを作成。

実施してみて
対象ユーザーが模擬とはいえかなり現実に近い人を想定してくれたのでかなり良い調査ができた。それによりエクスペリエンスマップも面白いものが作れたと思う。
ジャーニーマップを作った経験は何度かあるが、時間軸以外の軸を持ったものを意識して作ったことがなかったのですごく納得感があった。軸の設定をテーマに合わせて行うという発想によって自分の中で格段に対象者理解が進んだ感覚を持つことができた。
また今後の学びとして業務で調査を行う際は、エクスペリエンスマップの軸は事前に決めるか、模擬調査を行ってその知見によって決める方が良いと思う。後に作るものに必要なリサーチを行うことでエクスペリエンスマップの整合性とクオリティが上がるのではないかと思う。

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