自己抑制について_六道と四聖

人間(仏教では、衆生という)を2つに分類することができる。
おおざっぱではあるが、
反省する能力がなく、自己を抑制できない六道 と
常に、自分の行為を反省し、自己を抑制できる四聖 とである。

ここで、六道とは、天界、人界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界
四聖とは、仏、菩薩、縁覚、声聞 である。

これらを合わせた十界は、衆生が住む世界として定義されているが、
むしろ、一瞬一瞬の、その衆生の生命状態を示しているといえる。
そして、その状態は、常に、外界からの影響を受けて変化する。
たとえば、良いことが有って、喜んでいる状態:天界
食べ物が無くて、苦しんでいる状態:餓鬼界 など

上に述べたように、六道の衆生は、自己抑制力が無いので、
外界の変化が直接作用し、自己の感情が変化してしまう。
自分の人生が、自分の思い通りにならないという不自由さを感じ、
これが、「苦痛」として感じられる。 いわゆる四苦八苦である。

一方、四聖の衆生は、修行によって、
外界の変化をワンクッションおいて、処理することができるので、
自己の感情の変動幅を抑制できる。
(高度なフィルタを通して、物事の本質を見極めることができる)

また、困難な事象に直面した場合にも、冷静に受取り、むしろ、
自己の成長のチャンスであるとさえ、俯瞰して捉え、
次の行動への原動力(モチベーション)に、変えていけるのです。

そして、仏教では、この四聖に関わる自己抑制能力について、
全ての衆生が、本質的に誰でも持っている(一切衆生 悉有仏性)と、
説かれています。
言ってみれば、仏教に諸宗派が有るのも、この自己抑制力を
向上させるための、修行の方法論が異なるからです。
どれを選択するのかは、各個人の判断ですが、
私は、「南無妙法蓮華経」のお題目を唱える(唱題する)ことが、
有効な修行であると感じています。

毎日の唱題によって、自己と周囲環境との関係性や、
自己の感情の推移が良く見えてきます。
以前に比べ、一喜一憂することが少なくなったと感じています。
また、社会や家族に対する感謝の念が浮かんできて、
明日への行動の意欲が、湧いてきます。(個人の感想です)



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